英検の受験者数がここ最近、年々増えていることをご存知でしょうか?
英検を主催している英検協会の公式ホームページから、英検の受験者数がここ数年間増え続けていることがわかります。
どうして英検の受験者数は増えているのでしょうか?
また、英検の受験者数が増えていることで、英語を学ぶ人々にどんな影響があるのでしょうか?
この記事では、英検の受験者数が増えている理由と、英検の受験者数増加が英語を学ぶ人々にどんな影響を与えるのかをお伝えします。
英検の受験者数は年々増加している!
英検を受験する人数は年々増えています。
日本英検協会の公式ホームページの「受験の状況」によると、2023年度の英検受験者数は、2022年度の英検受験者数と比べて約7%増えています。
4,503,698人(2023年度英検受験者総数)÷4,205,920人(2022年度英検受験者総数)×100=107.07……%
英検の受験者数増加は去年から今年に限った話ではなく、過去5年の推移で15%近くも増えていることが、英検教会の公式ホームページから見ることができます。
4,503,698人(2023年度英検受験者総数)÷3,924,841人(2019年度英検受験者総数)×100=114.74……%
特に過去5年間の英検受験者数の推移を見ると、2020年度から2021年度にかけて受験者数がグンと伸びたのが見て取れますね。
2020年度から2021年度にかけての英検受験者数の大幅増加には、大学入学共通テスト(旧センター試験)に英検利用制度が導入されたことが大きく関わっているでしょう。
「大学受験で必要だから、英検を受験する」という生徒さんが多く受験するようになった結果、英検受験者数が大きく増えたことが予想できるわけですね。
受験者が増えている中、英検を受けないのはリスクかも?
英検を受験する人の数が増えている中で、英検を受験する機会や英検の取得を避けるのはリスクが大きいかもしれません。
以下にその理由を書いていきます。
競争力の低下
英検の受験者が増えている中で、英検受験を避けるリスクとして「競争力の低下」が挙げられます。
英検所有者が増えることで、英語力を評価する側の会社や大学が、「所有者の多い英検を使って、英語力を評価しやすく」なります。
そのような進学や就職などで英語力の証明を求められる場面が増えていく中、英検を取得していないことで他者との比較で不利になる可能性があります。
周りが英検を評価しやすくなった時に、英検の級やスコアを持っていないと、「評価しやすい英検で、評価できない」となるわけです。
ですから、英検の受験者が増えている今こそ、「競争力」の点で英検受験を避けることがリスクになり得ます。
英語力の「4技能」の不足
英検の受験者数が増えている中で、英検受験を避けることは、英語力の「4技能」の面でもリスクになり得ます。
英検は「読む・書く・聞く・話す」という4技能をバランスよく評価する試験です。
特に日本では、学校教育で英語を「読み書き」が出来ても、英語の聞き取りや英会話に苦手意識を持っている人は多いです。英検を受けない場合、自分の英語力を総合的に証明できる機会を逃し、特定のスキルが不足している印象を与えるリスクがあります。また、英語を学ぶうえで4技能をまんべんなく伸ばすことが重要であり、それを測定・強化する場として英検は有効です。
他の英語の試験では、終始マークシートによる解答で、英作文やスピーキング試験をしないものもありますから、4技能をしっかり測る英検は英語力の「本質」の面でしっかり貢献できる試験・資格だと言えます。
英検を受けるメリット
前項までで、英検の受験者数が継続的に増えていること、そして英検の受験者数が増えている中で、英検受験を控えるリスクについてお伝えしましたね。
本項では、英検を受験したり、英検に合格するメリットに触れていきましょう。
幅広い英語に触れられる
英検を受けるメリットとして「幅広い英語に触れられる」ことが挙げられます。
英検では特に2級から上の級では、教育や環境、医療、科学技術、文化、経済、スポーツ、人権など、広く社会的な英文が出題されます。
こうした広く社会的な英文に触れることで、教育や環境、医療、科学技術、文化、経済、スポーツ、人権などについて「英語で考える」ことができるようになります。
例えば、私たちが新聞やニュース、本や動画サイトで得た情報は、誰かに話すときも、情報元となった新聞、ニュース、本、動画で使われていた言葉を元に話します。
ですから英検で触れられるような、教育、環境、医療、科学技術、文化、経済、スポーツ、人権などの英文に触れることで、私たちを取り巻く社会的な話題について「英語で」情報を取り入れて、「英語で」考える大きな要因になるわけです。
「読みもの」として問題を楽しめる
英検を受けるメリットとして「読み物として問題を楽しめる」点も挙げられます。
上述した「幅広い英語に触れられる」点と重なる部分がありますが、英検では幅広く社会的な英語について出題されます。
英検で出題される社会的な話題では特に、出題されている英文について詳しくない状態でも、読み進めると英語以外にも勉強になる文章がほとんどです。
例えば、「医療の分野で、これまでAだと考えられてきたが、〇〇年代からBという考えが主流になり、現在では皆さんにも馴染みの深い〇〇が導入されるようになりました。」といった感じで、読んだ後には新しい知識が身についている文章で問題が構成されています。
ただ英語を読むだけではなく、「英語を読んで身になった」という実感が湧くと英語を楽しめる大きな要因になりますし、英語で得た知識は、あなたの頭の中で「英語で」養われていきます。
ですから、英検を受験することで「英語を読み物として楽しめる」ことが、大きなメリットとして挙げられるわけですね。
級によって難易度を調節できる
英検は自分の英語力に応じて受験する級を決め、難易度を調節することができます。
例えば英検に並んで日本で最も有力な英語資格であるTOEICなどでは、英語初心者も上級者も同じ問題を解いて、5〜990のスコアを割り振られます。
TOEICでは初心者も上級者も同じ問題を解いて、合格も不合格もなくスコアを割り振られるのは「公平」だと言えるでしょう。
しかし一方で、初心者にとっては「何もわからない難しさの問題」が試験全体を通してたくさんあるのが大きな負担となりますし、逆に上級者にとっては、簡単な問題を時間内にどれだけ多く取れるのかという「点取りゲーム」の側面が大きくなってしまう特徴もあります。
その点で、英検は受験する級を選ぶことで、受験するあなたご自身の英語レベルにマッチした難易度の問題で挑むことができます。
ご自身の英語レベルにマッチした難易度の問題に挑むことで、問題の難しさを選り好みすることもなくなり、あなた自身の英語力と向き合って問題に挑むことができるわけですね。
まとめ
英検協会の発表によると、ここ5年間で英検の受験者数は15%増加しており、英検を保有することが当たり前の時代になりつつあります。その結果、英検を受けないことには以下の2つの大きなリスクが生じます。
進学や就職などで英語力の証明を求められる場面が増えている中、英検を取得していないことで他者との比較で不利になる可能性があります。
また、英検は「読む・書く・聞く・話す」という4技能をバランスよく評価する試験です。英検を受けない場合、自分の英語力を総合的に証明できる機会を逃し、特定のスキルが不足している印象を与えるリスクがあります。また、英語を学ぶうえで4技能をまんべんなく伸ばすことが重要であり、それを測定・強化する場として英検は有効です。
英検は、英語を学びキャリアアップや自己成長を目指す人にとって、確実に役立つ存在といえるでしょう。