あなたにマッチした英語の参考書を見つけるには、あなたの英語のレベルや目的と、それぞれの参考書の特徴が噛み合っていることが大切です。

この記事では、英語の参考書の特徴を大まかにお伝えし、最後には社会人におすすめな参考書の選び方もお伝えしているのでぜひ最後まで読んでみてください。

中学英語の参考書

高校英語の参考書

まずは中学英語の参考書についてお伝えします。

本屋さんへ足を運び、英会話や語学のコーナーに足を運ぶと見ることができる中学英語の参考書の多くは、中学生向けではなく「中学レベルから英語を学び直す社会人向けの参考書」が多いです。

中学生向けの中学英語の参考書は、「学習参考書」のコーナーにあるからですね。

そのため、中学英語の参考書は「一度英語を学んだことがある前提」で書かれているものが多いです。

そのため、中学英語の参考書を用いることで、3年間かけて学ぶ中学校よりも、スピーディに学ぶことが出来るでしょう。

中学英語の参考書 売れ筋ランキング

Amazonの中学英語の売れ筋ランキング トップ6 (2024年12月16日現在)

  1. 中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく (学研)
  2. NHKラジオ 中学生の基礎英語 レベル1  2025年1 月号
  3. 高校入試  でる順ターゲット 中学英単語 1800 四訂版
  4. NHKラジオ 中学生の基礎英語 レベル2  2025年1 月号
  5. ジェル(すとぷり)公式 遠井さんと学ぶ中学英単語1001
  6. 中1英語をひとつひとつわかりやすく。改訂版 (学研)

なんと、中学英語の参考書  売れ筋ランキング  トップ6の中に、学研の中学英語の参考書が2冊もランクインしています。

NHKラジオ  基礎英語の参考書は、昔からずっと根強い人気がありますが、それをおさえて、学研に中学英語の参考書がトップ1に輝いたということは、特筆すべきです。

このランキングを見てわかるのは、中学英語の参考書には、「わかりやすさ」が求められているということだと言えます。

おすすめの中学英語の文法参考書

中学英語の参考書では、確かに「わかりやすさ」が求められていますが、中上級レベルの文法力を鍛錬していくための参考書もあります。

有名私立の附属中学校などでよく採用されている文法参考書は、『新中学問題集』です。標準編と発展編があり、有名私立の附属中学校では、発展編が採用されています。

公立の中学校では、英語の文法参考書として『新中学問題集』よりずっと簡単な教科書準拠のものを採用していますが、そういった文法参考書と『新中学問題集』発展編との間に格差が生じています。中学校時代から、英語の文法力・応用力を鍛錬していきたいのであれば、公立中学校に通っていても、『新中学問題集』発展編に触れておくといいと考えられます。

高校英語の参考書

高校英語の参考書になると、中学英語の参考書に比べて種類がグッと多くなります。

これは、中学英語と比べて学ぶべき英語が複雑化するので、英文法の理解や、読解のコツなど、焦点を当てるべき項目が増えるからですね。

例えば、中学英語では「この英文法項目をつかめば、この英文は読める」という場合が多かったことでしょう。「英文法理解が、そのまま読解に活きてくる」というイメージですね。

高校英語になると、覚えるべき英単語の数、押さえるべき英文法の複雑化など、求められる各英語力の水準がグンと上がるので、単語、英文法、読解など、それぞれに焦点を当てた参考書が求められるわけですね。

おすすめの高校英語の文法参考書

高校英語の文法参考書については、高校生なら、まず自分の学校の教科書準拠の文法参考書がおすすめです。学校の教科書が Evergreenなら、『総合英語Evergreen 完全準拠文法問題集』などを使って、高校英語の文法を強化していきましょう。

学校の教科書のレベルがあまり高くないので、もっと高いレベルの参考書を使って文法を強化していきたい人は、『高校リード問題集 英文法A』や『高校リード問題集 英文法B』なども試してみましょう。

英文法の問題集は、空所補充や並び替えの問題が多く、「空所に単語やフレーズを入れるだけだと、真の実力が身に付きづらい」という問題もあります。そういった場合には、英文法・作文の参考書がおすすめです。

また、実用的な基本構文をたくさん覚えることで、単語・フレーズもたくさん覚えられて、英語力がアップします。Duo 3.0では、現代英語の重要単語1600語と重要熟語1000語が
重複なしで560本の英文を通して紹介されています。Duo 3.0に紹介されている単語・熟語、構文を覚えることで、ボキャブラリーが増え、英作文力もアップすることが期待できます。

大学受験「英語」の参考書

大学受験「英語」の参考書

大学受験「英語」の参考書は、中学英語から高校英語までの内容を、より実践的なものにした参考書だといえます。

大学受験「英語」の問題は高度なものも多いですが、ほとんどは高校レベルまでの知識で解ける問題で構成されています。

ゆえに、実際に大学受験で出題された問題を、高校英語をベースに解説するタイプの参考書が多くを占めます。

大学受験の英語参考書、人気ランキングについては、『大学入学共通テスト』関連の本が上位を占めています。

社会人におすすめの参考書とは?

大学受験「英語」の参考書

ここまで英語の参考書の種類について大まかに解説しました。

それでは、実際に社会人が英語を身につけるために使うべきおすすめの参考書はどんなものでしょうか?

ひと口に英語と言っても、英語を身につける目的はさまざまあるでしょう。

特に社会人が英語を学ぶ動機として多いのは、以下のような人ではないでしょうか。

  • 英語力に自信がなく英語をやり直したい人
  • TOEIC中級レベルでハイスコアを取得して昇給・昇進を目指す人
  • TOEIC上級レベルを目指して総合力を底上げしたい人
  • ビジネス英語を身につけて仕事に幅をもたせたい人

この項では、↑の前提をもとに社会人に、現在の英語のレベルごとにおすすめの参考書をお伝えします。

社会人英語やりなおし組

英語をやり直したい社会人には、「中学英語を含んだ、高校英語の参考書」をおすすめしています。

なぜなら、社会人が英語をやり直す動機である「英会話」と「TOEIC」、「ビジネスレベルの英語」の3つ全てに必要なスキルが身につくからです。

まず英会話について、英会話で求められる英語力は「中学英語+αの英語力」です。

その根拠は、ソフトバンクの会長孫正義さんのスピーチに由来します。

ソフトバンクの会長である孫正義さんが行ったスピーチを、当時側近であった三木雄信さんは、孫正義さんが行った講演で使っていた英単語はわずか1480語であったと、彼の著書で語っています。(なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか――孫正義のYesと言わせる技術

中学校で学ぶ英単語が1200語なので、孫正義さんの講演で使われた英語力は中学英語レベルからさほど変わらないといえます。

また、TOEICで問われる英文法知識も、時制の一致や品詞の問題など、中学英語レベルのものも多いです。

さらに、高校英文法は、中学英文法の知識を深堀りするものも多いので、中学英文法と一緒に初級レベルの高校英文法知識も取り入れると吸収が早いです。

高校英文法には仮定法や関係詞など、TOEICの頻出問題になっているものも多いので効果的に成果に結びつきます。

TOEIC中級レベル組

すでに英語の勉強に手を付けていて、TOEICの中級レベルで伸び悩んでいる社会人には「高校英語+大学受験中級レベルの参考書」がおすすめです。

特に、「読解」に焦点を当てた参考書に取り組むと良いでしょう。

その理由は以下の2点です。

  1. 特にTOEIC中間レベルのスコアの伸びは、読解の速度と正確さに直結するから
  2. 読解の視点から英文法を見ることで、英文法の理解が深まるから

順番に見ていきましょう。

1.読解の速度と正確さ

TOEICは得点を伸ばしやすいパートと、得点が伸びていくのに時間がかかるパートとがハッキリ分かれています。

リスニングパートもリーディングパートも、短文を扱うパートは得点を伸ばしやすく、長文を扱うパートは得点を伸ばすのに時間がかかります。

読解を学び、読解の速度と正確さを養うことで、これまで伸ばして来られなかったパートを効果的に伸ばすことに繋がります。

2.読解の視点から英文法を見る

読解の視点から英文法を見ることで、英文法の知識が深まることを期待できます。

例えば関係詞。英文法の参考書や問題集を読んだり演習したりするときには、関係詞の部分が空欄になっていて、前後の文から空欄の関係師を選択することが多いのではないでしょうか?

今これを書いている筆者も関係詞が苦手で、「参考書では関係詞の問題を扱っていることがわかっているから正答できるけど、実際に問題に当たると参考書で養った思考回路が活かされない」という状態が長く続いていました。

しかし、読解のプロセスを挟むことで、「なるほど、実際に英語を読むネイティブスピーカーは、英文を読む時にこんな感覚で関係詞を読んでいるのか!」という感覚を掴むことができ、その結果「関係詞の解説文だけが頭に入っている状態」から、「実際に関係詞を使う」レベルにまで知識の定着レベルを上げることができました。

このように、実際に読解する視点を持つことで、読解以外の理解度も深まり、結果TOEICのスコア上昇に直結することを期待できるわけですね。

英語力底上げ組

仕事で日常的に英語を使っている人、TOEICで700取得済みの人がさらに英語力を底上げしたい場合は、上位レベルの大学受験英語の参考書を用いることをおすすめします。

なぜなら、英語の思考力をグンと上げられるからです。

なぜTOEICのハイスコア向け参考書ではないかと言うと、「TOEICがシンプルな英文を素早く正確に解く試験」だからです。

対して上位レベルの大学受験英語は、一見わからないような英語もしっかりと論理的に読むための思考力を養えます。

一度上級レベルの英語が読めるようになると、自分が対応出来る英語のレベルもグンと上がり、英語に触れるたびに吸収出来る経験値もグンと上がります。

実際に作者も、大学受験当時は「不要」「ここまでする必要はない」と言われていた「ポレポレ」を、社会人になってから3周した段階で、英語の読み方が180度変化し、読める英語の幅がグンと広がったのを覚えています。

読める英語の幅がグンと広がれば、その分だけシンプルな英文を読む時も、これまで以上に論理的に、正確に読めるようになります。

以上のことから、英語力をもう1段階底上げしたい人は、より負荷の高い上位レベルの大学受験英語の参考書に取り組むのが効果的だといえます。

ビジネス英語を身につけて仕事に幅を持たせたい人

職場に外国人が増えてきて、仕事で英語を使う必要性が高まってきた人や、転職を考えていてそこでは英語を使うことが必須になるので準備したい人もおられることでしょう。

TOEICの点数も目安にはなるけれど、TOEICにはあまりこだわらずに、実際のビジネスで使える英語を本格的に学びたいという方におすすめの参考書を紹介していきます。

ビジネス英会話(スピーキング)を強化したい場合

TOEICは、R&Lの試験でスコアを提出することが多く、ReadingとListeningを鍛えることが中心になる傾向がありますが、ビジネス英会話(スピーキング)を強化したい場合は、ビジネスに特化した英会話フレーズの本がおすすめです。

たとえば、『英会話フレーズ大特訓 ビジネス編』や『ビジネスで 1番よく使う英会話 現場で本当に使える万能フレーズ160』などで、ビジネスで使えるフレーズを覚えていくのもいいでしょう。

また、英語で交渉する必要がある場合には、『世界基準のビジネス英会話』がおすすめです。ビジネスのアプローチの方法についても詳しく説明されていて、交渉相手や交渉の内容によって、アプローチの仕方や使用する英語フレーズを変えることなどが説明されていて、興味深い参考書です。

こういった参考書には、音声も付いているので、音声を聞きながら英語フレーズを覚えていくのがおすすめです。

英文ビジネスEメールについて学びたい場合

英語でビジネスEメールのやりとりをする機会が増えている方もおられるのではないでしょうか。

英文ビジネスEメールについて学びたい人には、『英文ビジネスEメール 実例・表現1200』という本がおすすめです。1200以上の例文が掲載されていて、初心者から中上級者まで、さまざまなシーンに合わせた英文ビジネス Eメールの書き方が紹介されています。

まとめ

この記事では、英語の参考書のおおまかな種類と、英語の参考書選びのポイントを社会人の目線からお伝えしました。

ここまでお読みのあなたは、あなたの英語習得の目的に応じてどんな英語参考書を手に取れば良いのかを十分に理解しているでしょう。

ここでお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。