さいたま市は埼玉県の政令指定都市で、交通の要衝として多くの人々に親しまれる街です。市の統計によると、2025年現在の人口は約135万人、そのうち0~14歳の子どもは約17万人と、全体の約12.3%を占めています。ベッドタウンとして、子育て世代が多く集まるさいたま市では、英語教育にも力を入れています。市内の小中学校では、英語教育の充実を図る取り組みが進められています。また、令和6年度に文部科学省によって公開された「英語教育実施状況調査」において、中学校3年生でCFERのA1レベル(英検3級相当)以上の英語力取得割合が、88.4%(全国平均50.0%)となり、全国1位となりました。この記事では、さいたま市の英語教育の秘密について徹底解説していきます。
参考:令和6年度 さいたま市 英語教育改善プラン
参考:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」
さいたま市の英語教育「グローバル・スタディ」の導入
さいたま市の英語教育の特徴の一つに「グローバル・スタディ」があります。このプログラムは、市独自の英語教育カリキュラムであり、小学校1年生から高校3年生までの9年間を通じて、英語の「読む」「聞く」「書く」「話す」という4技能をバランスよく学びます。さらに、英語を通じて異文化を理解し、実践的な英語活動を体験することができます。
異文化理解の促進
英語を通じて世界の文化や社会について学び、グローバルな視点を養います。
実践的な英語活動
国際交流イベントや英語でのディスカッションを通じて、学んだ英語を実際に使う機会を提供しています。
地域社会との連携
地元の企業や団体と協力し、生徒たちが英語を活用するプロジェクトを推進しています。
これらの取り組みにより、生徒たちは実践的な英語力を身につけ、国際社会で活躍するための基礎を築いています。
なぜさいたま市は英語教育に力を入れているのか?
さいたま市は「日本一の教育都市」の実現に向けて、特に英語教育に力を入れています。グローバル化が進む現代社会では、異文化を理解し、英語でコミュニケーションを取る能力が求められています。英語力を育成することにより、世界的な課題に対応できるグローバル人材を育てることが可能になります。だからこそ、さいたま市では小さいうちから英語に親しみ、実践的な英語力を育むことが重要視されています。
さいたま市の小中学校での英語教育の取り組み
さいたま市では、教育の一環として国際化への対応を目指し、特に英語教育に力を入れています。市内の小中学校では、英語の授業にALT(外国語指導助手)を積極的に活用し、複数の教員が指導にあたっています。
ALT(外国語指導助手)の積極的な活用
市内全ての小中学校にALTを配置し、小学1年生から6年生まで全ての学年で授業が行われています。また、小学5年生からは、グローバル・スタディ科の非常勤講師による授業が追加され、専門的な英語力向上をサポートしています。
小学校での英語教育の強化
さいたま市では、小学校3年生から外国語活動を始め、5年生からは正式な教科として英語が導入されます。英語でのコミュニケーション能力を重視したカリキュラムが組まれており、日常的に英語に触れる機会が増えています。
中学校での英語教育の取り組み
さいたま市では、中学生の英語技能の習熟のめやすとして、次の3点の習得を目標としています。
- 自分の考えを論理的に伝えること。
- 相手の考えを踏まえて話し合うこと。
- 社会的な話題について意見を発信すること。
そして、その技能習得のために、英語ディベート大会の開催や、国際交流事業を提供しています。
また、上記目標達成の明確な指標として、全中学生がCFER A1レベル(英検3級レベル)を取得できるようにカリキュラムに工夫がなされているのです。
高校での英語教育の取り組み
さいたま市の高校生に求められる技能は「英語によるコミュニケーションの実践力」です。より専門的な特定の話題についてディスカッションをしたり、ディベートをしたりします。また広範囲な話題に適応できるだけの知識量と発話の流ちょうさも日々訓練していきます。
より高度な技術習得を行うことで、国際社会で活躍できる人材の育成に力を入れています。
さいたま市の子ども向け英語教育プログラム
さいたま市では、学校教育に加えて地域主導の英語教育プログラムも豊富に提供されています。これにより、子どもたちは学校で学んだことを実践する場を得ることができます。
イングリッシュ・キャンプ
毎年夏休みに行われる「イングリッシュ・キャンプ」は、小中学生を対象に24時間英語環境で過ごすキャンプです。外国語指導助手(ALT)と一緒に英語での生活を体験し、実践的な英語力を身につけます。
英語劇発表会
小学生を対象にした英語劇発表会では、子どもたちが英語で日本の童話を演じます。英語に慣れると同時に、表現力やコミュニケーション能力も養われます。
英語ディベート大会
市内の中学校では、英語ディベート大会が開催されています。グローバル・スタディの授業で学んだ英語ディベートの技術を駆使して、生徒たちが英語で意見を戦わせる機会を提供しています。
さいたま市で英語に力を入れている高校
さいたま市内には、英語教育に特化した高校がいくつもあります。これらの高校では、英語力を高めるためのさまざまな取り組みが行われています。
さいたま市立浦和南高等学校
さいたま市立浦和南高校の英語科では、英検取得やALTとのディベート、海外研修を通じて、グローバル人材の育成に力を入れています。特に海外交流や留学の機会が充実しており、実践的な英語力を身につけることができます。
大宮光陵高等学校
大宮光陵高校の外国語コースでは、校内でスピーチコンテストやEnglish Camp、ブリティッシュヒルズでの語学研修など、大学顔負けの英語行事を行っています。日本にいながらも留学に近い経験ができる環境が整っています。
さいたま市立浦和高等学校
さいたま市立浦和高等学校の外語部は、英語ディベート大会で全国三連覇を達成した実力を誇ります。独自のディベート理論を学びながら、英語での高度な論理的思考力を養います。
さいたま市 英語スピーチコンテスト 開催情報
さいたま市では毎年11月に埼玉県高等学校スピーチコンテストが開催されています。令和7年度の詳細はまだ発表されていませんが、この大会には30以上の高校が参加し、英語でのスピーチ能力を競います。優勝校は、さらに高度な英語スキルを持つ生徒を育成するためのプログラムに参加することができます。
さいたま市の留学サポートセンター
さいたま市は、「グローバル人材育成センター」を通じて市民の留学や国際交流活動を支援しています。以下のサポートが提供されています。
奨学金制度の運営
「埼玉発世界行き」奨学金が提供されており、海外留学を希望する若者には給付型の奨学金が支給されます。奨学金の内容は、学位取得コースや地域活躍コースなどさまざまで、留学を希望する学生を積極的にサポートしています。
就職サポート
留学後の就職を見据えたサポートも行われています。留学を終えた学生と海外展開を行う企業との交流を通じて、留学後のキャリア形成を支援します。また、外国人留学生向けの就労支援も行っており、グローバルな就業機会を提供しています。
まとめ
さいたま市は、英語教育を通じて未来のグローバル人材を育成するための取り組みを強化しています。小中学校での教育から地域主導のプログラム、高校での専門的な英語教育、さらには留学サポートまで、子どもたちの英語力を伸ばすための多様な機会が提供されています。この記事を参考に、お子さんに最適な英語学習方法を見つけ、グローバル社会で活躍できる力を育てましょう!