英語学習を続けているのに、なかなかリスニングやスピーキングが上達しないで悩んでいる人はたくさんいます。しかし、語学には「ブレイクスルー」という現象があり、急に言葉を聞き取れたり話せたりするようになることも珍しくないのです。この記事では、英会話におけるブレイクスルーと、そこにいたるまでの心がけを解説していきます。

本当にブレイクスルーは起こるの?どのような感覚なのか

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結論からいえば、英会話のブレイクスルーは実際に起こりえます。そもそもブレイクスルーとは英語の “breakthrough”を語源としており、停滞した状態から抜け出すこと、突破・打開を意味します。本来はビジネスやスポーツなど、さまざまなジャンルで使われている言葉です。それでも、語学の世界で頻繁に使われるようになったのは、飛躍的にスキルが向上する現象を表すのにぴったりだったからです。
ブレイクスルーが起きると、努力して聞き耳を立てなくても相手の英語がすんなり理解できるようになります。自分から英語を話すときも、自動的にすらすらと単語や文章が出てきます。そのほか、読み書きなどにおいてブレイクスルーを体験する人も珍しくありません。ブレイクスルーの程度には個人差があるものの、今までできなかったことが急に克服できるという点は共通しています。ブレイクスルーは英語学習の達成感を味わえる瞬間であり、それ以降の勉強もますます楽しくなっていくといえます。

make a breakthrough 「ブレイクスルーを起こす、突破する」

Aさん
Once you make a breakthrough in English conversation, you will be able to hear English speakers’ English smoothly.
訳)いったん英会話でブレイクスルーを起こしたら、英語話者の英語がスムーズに聞き取れるようになります。
Bさん
When you can hear English smoothly, you will come up with English phrases one after another and speak English fluently.
訳)英語がスムーズに聞き取れるようになると、英語のフレーズを次々思い浮かんで、流暢に話せるようになるでしょう。

ブレイクスルーはどうやって起きる? 大前提を理解しよう

日々の努力があってこそ、英会話のブレイクスルーは起こります。決して、「まったく勉強をしてこなかったのにいきなり英語が話せるようになった」という現象ではありません。毎日コツコツと英語学習に取り組み、失敗を繰り返しながらも向上心を忘れなかったときに訪れるのがブレイクスルーです。大前提として、英語学習と真剣に向き合い続けることが大切なのだといえます。

そのうえで、ブレイクスルー体験者の多くが、直前に「停滞期」を迎えています。いくら学習しても成長を感じられず、悩んでしまうような時期です。ただ、ある意味でこうした時期が訪れるのは当然です。初期の英語学習ではできないことが多すぎるので、わずかなスキルを身につけただけでも喜びを味わえます。しかし、できることが多くなっていくと、新しく覚える内容も高度になっていって乗り越えるまでに時間がかかります。大きな壁に直面したとしても挫折感を覚えず、前向きに勉強を続けていけばブレイクスルーが見えてくるのです。

Aさん
Before you can make a breakthrough, you have to do some trials and errors.
訳)ブレイクスルーを起こす前に、あなたは試行錯誤をしなくてはなりません。

「試行錯誤をする」は、英語で “do some trials and errors”といいます。

Aさん
Many people who have experienced breakthroughs say they had a period of stagnation just before the breakthrough.
訳)ブレイクスルー体験者の多くが、ブレイクスルー直前に停滞期を持ったと言います。

「停滞期」は、英語で ” a period of stagnation”といいます。

Bさん
To make a breakthrough in English conversation, you have to do some trials and errors, and have a stagnation period right before the breakthrough.
訳)英会話でブレークスルーを起こすためには、試行錯誤をしなくてはならないし、ブレークスルーの直前に停滞期もありますね。

<英会話でブレイクスルーするコツ>1. 長期戦を受け入れる

ブレイクスルーを知ってしまうと、英語学習を行いながら「早く話せるようになりたい」と感じることもあるでしょう。ただし、ブレイクスルーは一朝一夕で起こる現象ではないので、焦りは禁物です。そもそも、ブレイクスルーが訪れるには英会話の基礎をしっかり身につけておかなければなりません。英会話を勉強するにあたっては、長期戦を覚悟しましょう。苦手な分野が出てきたとしたら、ときにはじっくり向かい合うことが大事です。少々カリキュラムから遅れても、それぞれの段階をしっかり理解してから先に進むようにします。
こうした勉強方法は、「スタミナ切れ」を防ぐためにも有効です。確かに、ハイペースで次々と新しい内容に進んでいくのは楽しいでしょう。しかし、量とスピードだけを優先していると、将来的に疲れてしまうこともありえます。また、理解がおろそかになったまま先に進んでも、どこかで挫折して結局は後ろに戻らなくてはなりません。そうなったときにもやはり疲弊感を覚えます。自分のペースで無理なく勉強を続けるほうが、最終的にはブレイクスルーへとたどり着きやすいのです。

<英会話でブレイクスルーするコツ>2. 英語に親しむ時間を多くする

英語に親しむ時間を多くする

とどのつまり、ブレイクスルーとは日本語で構成されていた脳が、英語に切り替わる状態を指します。ただ、せっかく英会話を勉強していても実践する機会が少なければ、脳は日本語以外の言葉をなかなか受け入れてくれません。ブレイクスルーを目指すには、英語に親しむ時間をどんどん増やしていきましょう。机に向かったりスクールに通ったりするだけが英語学習ではないといえます。

たとえば、英語圏の人が多く集まるカフェ、バーなどに足を運んでみるのはひとつの方法です。こうした場所で自然に会話へと持ち込むのは難しくありませんし、異文化交流の楽しみも感じられます。会話そのものが盛り上がれば、英会話に対する苦手意識も払しょくできます。また、洋楽をたくさん聴くようにしたり、洋画を字幕なしで見たり、日常に流れる英語の量を増やしていきましょう。特に、見たことのある映画を字幕なしで鑑賞すれば、内容は頭に入っているので英語の意味を理解しやすくなります。このように英語と触れる機会を多くしていくと、脳も日本語以外の言語を受け入れやすくなりブレイクスルーの可能性が高まるのです。

Aさん
When I had a free English conversation with a native English speaker at an English café, I was able to make myself understood in English, which gave me confidence in my English conversation skills.
訳)英会話カフェでネイティブとフリートークをしたとき、自分の言いたいことを英語で伝えることができたので、英会話に自信がつきました。

「自分の言ってることが英語で通じる」make oneself understood in English

<英会話でブレイクスルーするコツ>3. 失敗を気にしない

なかなか英会話が上達できない人の特徴のひとつが、「失敗を過剰に恐れてしまう」点です。もちろん、失敗したくないという気持ちは大切です。ただ、正しい英会話を気にしすぎていると、実践段階で挫折することが珍しくありません。なぜなら、本物の英語圏の人々は、教科書通りの定型的な言葉を使っているわけではないからです。真面目な人はくだけた表現や適当な文法に直面したとき、上手に対応できず「失敗した」と落ち込んでしまうことがあります。こうした思いが繰り返されてしまうようなら、英語学習そのものが苦痛になりかねません。積極的に誰かと英語で話したいとは考えにくくなっていくでしょう。
そこで、英会話を実践するときには、「意味さえ伝わればよい」くらいの心持ちで挑むことが肝心です。もちろん、ある程度の会話を成立させるには地道な学習が必要です。しかし、学んだ通りの言葉でなくても会話はできるのだと理解できれば、英語に対するコンプレックスは消えていくでしょう。同時に、相手が使うくだけた英語も受け入れやすくなっていきます。会話が自然につながり、達成感を得られます。その結果、脳の中で英会話への認識が広がり、ブレイクスルーが起きやすくなるのです。

Aさん
In junior high school and high school English tests, we try not to make mistakes and get high scores, and we should do so.
訳)中学校や高校の英語のテストでは、間違いを犯さないようにするし、そうすべきですね。
Bさん
Excellent students who scored well on English tests in school may be too concerned about not making mistakes in English conversation with native speakers to speak well in actual English conversation.
訳)学生時代に英語のテストで良い点を取った優秀な学生は、ネイティブ・スピーカーとの英会話でミスをしないことを気にするあまり、実際の英会話ではうまく話せないかもしれません。
Aさん
To improve in English conversation, never be afraid of making mistakes.
訳)英会話で上達するためには、決して間違いを恐れてはいけません。

ここまで来たらあと少し!ブレイクスルーの前兆

まずは、勉強をしっかりやってきたにもかかわらず「英語が出てこなくなる」ことです。ブレイクスルーとは、頭の中で言語を翻訳しなくても、自動的に英語を使えるようになる現象です。ただ、これまで日本語に慣れ親しんできた人が、脳を作り変えていくには時間がかかります。一時的に、英会話が下手になったような感覚に陥ることもあるでしょう。しかし、それは今まで考えて話していた英語を、自然に発せるようになってきているサインです。ブレイクスルーまでの道のりは縮まっている可能性は高いのです。
また、英語に触れている時間を心から「楽しい」と思えているのも理想的な傾向です。人間の脳は何らかの目標を乗り越えるとドーパミンという物質を分泌します。ドーパミンは快楽を増幅させる作用を持っているので、分泌されるたびに人は「同じ体験を味わいたい」と感じます。英語を話したり聞いたりしているだけで楽しめているのは、ドーパミンが分泌されている証です。英語学習において達成感を得られており、モチベーションがみなぎっている状態です。ここまでくれば、義務感や使命感ではなく、純粋な喜びとして英語学習を続けられます。地道な努力も苦と思わず乗り越えられるので、ブレイクスルーが訪れる条件は整いつつあるといえるでしょう。

「英語の勉強や英会話の練習があまり楽しいと思えない」という声を聞いたことがありますが、「楽しい」と思えなければ、なかなか継続して勉強が続けられませんし、時間をとって継続的に勉強しないと、なかなか英会話は上達しません。楽しくないと感じたら、その原因は何なのかを考えてみましょう。楽しいと思えないのは、「なかなか上達しないから」かもしれないし、「英単語や熟語を覚えるのが面倒くさいから」かもしれません。英語や英会話が楽しくない原因を取り除いて、英語学習で楽しいと思えることを見つけていきましょう。

毎日コツコツと英会話を勉強してブレイクスルーを目指そう

一度ブレイクスルーを経験すれば、無意識に英語を操れるようになります。ただし、ブレイクスルーが起きるまでにはコツコツと英会話を勉強しなくてはなりません。継続は力なりです。自分なりのペースで、楽しみながら続けられる勉強方法を探しましょう。