grit(グリット)とは、アメリカのペンシルバニア大学の心理学者が提唱した「やり抜く力」を表す造語です。
大変話題になったので、日本でもビジネス書や一般書などでもgrit(グリット)という単語を聞くようになりました。
しかし、「やり抜く力、努力し続ける力なんて、根拠のない精神論に聞こえる……」と感じる方もいるのではないでしょうか?
ご安心ください。
grit(グリット)については根拠を元に論理的に語られています。
この記事を、そんなgrit(グリット)について、grit(グリット)とは何か、そしてgrit(グリット)が話題になっている理由、grit(グリット)の身につけ方を紹介します。
grit(グリット)とは?
grit(グリット)とは、アメリカ、ペンシルバニア大学の心理学者であるアンジェラ・リー・ダックワース教授が提唱した、以下の頭文字を取って作った造語を指します。
- Guts(ガッツ):困難なことにも立ち向かう度胸
- Resilience(レジリエンス):苦境にもめげずに立ち直る復元力
- Initiative(イニシアチブ):自ら目標を見つけて取り組む自発性
- Tenacity(テナシティ) :最後までやり遂げる執念
またGRITの提唱者であるアンジェラ・リー・ダックワース教授は、GRITについて以下のように述べています。
“Grit is passion and perseverance for very long term goals. It’s a disposition to work on things for a long time. For children it could be month or years, for adults we are talking about years and decades with consistent direction and with great effort.”
「グリットとは、長期的な目標のために情熱と忍耐を持ち続ける力のこと。子どもにとっては数ヶ月~数年、大人にとっては数年~数十年と、長期にわたって自分が進むべき方向を一貫させ、持続的に努力できる状態を指します」
出典:Human Capital and Economic Opportunity Global Working Group
以上のことから、GRITを一言で表せば「大きな目標、目的に対して、長期的に高い情熱とエネルギーで取り組むことが出来る能力」を表しているといえます。
grit(グリット)が話題になっている理由
grit(グリット)が話題になっている理由として、主に以下の要因が挙げられます。
- 世界的に有名な「TED」と呼ばれるプレゼンテーションの場で発表された。
- 実力主義社会のアメリカで、「努力」の重要性が論理的に話されている。
順番に見ていきましょう。
1.世界的に有名な「TED」と呼ばれるプレゼンテーションの場で発表された。
grit(グリット)が話題になっている理由のひとつとして、世界的に有名なプレゼンテーションの場である「TED」で発表されたことが挙げられます。
「TED」とは、アメリカのニューヨーク市に本部を置いている非営利団体で、毎年カナダのバンクーバーで大規模な世界的講演会(プレゼンテーション)「TED Conference」(テド・カンファレンス)を主催しています。
プレゼンテーションはさまざまなトピックについて話され、社会問題や人間心理、医学、政治経済、ハイテク技術、ビジネススキル、語学、アート、エンターテイメントなど幅広く行われ、プレゼンターは各ジャンルに精通したスペシャリストが行います。
NHK(日本放送協会)のEテレ教育チャンネルで放送されているなど、日本での認知もあり、各分野のスペシャリストがわかりやすくプレゼンすることから知識者層に高い支持を得ています。
前項でお伝えしたアンジェラ・リー・ダックワース教授が、TEDを通してgrit(グリット)についてプレゼンテーションをしたことから、grit(グリット)が話題になったといえます。
アンジェラ・リー・ダックワース教授がgrit(グリット)についてTEDで話すプレゼンテーションは、以下のリンクから観ることができます。↓
Grit: The power of passion and perseverance
2.実力主義社会のアメリカで、「努力」の重要性が論理的に話されている。
grit(グリット)を提唱したアンジェラ・リー・ダックワース教授の所属はアメリカのペンシルバニア大学です。
そのアメリカは実力主義社会の国として有名ですね。
そんな実力主義社会のアメリカでは、「自分に向いた仕事」や「効果的に仕事を進める」など、効率を求める傾向にある中で、アンジェラ・リー・ダックワース教授は「粘り強く、努力し続ける大切さ=grit」を説いています。
「粘り強く、努力し続ける大切さ」は、一昔前までは「根拠のない精神論」のイメージがありましたが、アンジェラ・リー・ダックワース教授は、gritを通して論理的にその重要性を説いています。
この「成果や効率を求められるアメリカ」において、「粘り強く努力すること」を論理的に説かれるというギャップが、grit(グリット)が話題になっているひとつの要因だと言えるでしょう。
grit(グリット)の測定方法
大きな成果を出すために大切な技術grit(グリット)ですが、自分にgrit(グリット)がどの程度備わっているかを測定する方法があります。
「グリットスケール」と呼ばれる方法です。
「グリットスケール」とは、grit(グリット)の提唱者であるアンジェラ・リー・ダックワース教授の著書「grit(グリット) やり抜く力」に記されているgrit(グリット)の測定方法です。
時間はさほどかからず、10個の質問に5段階で回答することでスコアを得られます。
得られたスコアを元に、自分のgrit(グリット)がどれだけ高いかを知ることができます。
グリットスケールは以下のサイトからも簡単に診断できるのでぜひ試してみてください。↓
grit(グリット)の伸ばし方
grit(グリット)は後天的に身につけることが出来る技術です。
grit(グリット)を伸ばす方法は以下のとおりです。
1.成功体験を積み重ねる
小さな成功体験を積み重ねることでgrit(グリット)は養われます。
なぜなら、成功体験の積み重ねが自信につながり、多少の障害では諦めにくくなるからです。
自信とは、「自分なら出来るはずだ!」と思うことです。
ものごとを達成した経験があると、「他のことも達成できるはずだ」と思えるようになります。
その意識が、強い意思力となり、結果grit(グリット)を高めることになるわけですね。
最初から目標が大きすぎると、挫折を繰り返して逆効果になるので、まずは小さな成功体験を積み重ねるのが効果的です。
2.目標は柔軟に
一度立てた目標に意固地になってしまうと、他のことが手につかなくなります。
例えば、「年内にTOEIC800を取得」を目標とした場合、その期間内に650を取得したとします。
その場合、むやみに期間を延長するのは大変危険です。
延長するのが悪い癖になってしまい、ズルズルと期間が引き伸ばされてしまいます。
そこで、柔軟に目標を「英会話」にシフトしたり、TOEICスコアの向上による収入のアップなど、柔軟に目標を調節することで、小さな成功体験につながります。
その結果、メリハリをつけたまま当初の目標に向かい続けることが出来るわけですね。
3.grit(グリット)のある人と交流する
grit(グリット)は才能ではなく「技術」です。
よって、grit(グリット)を持つ人と交流することで、grit(グリット)のある人の習慣や考え方を観察することができます。
「なるほど、この人のこんな習慣、考え方がgrit(グリット)につながっているのか」と発見することができるでしょう。
身の回りのgrit(グリット)を持つ人を見つけて、積極的に交流してみましょう。
まとめ
この記事では英語学習にも大きな効果をもたらす能力、Gritについてお伝えしました。
ここまでお読みのあなたなら、どのようにGritを身に着けるのかを理解して、英語学習にも活かす土台がしっかりと出来ているでしょう。
この記事でお伝えしたことが、あなたの英語学習をより豊かにできれば幸いです。