成年年齢が引き下げられ、18歳以上からが大人扱いになりましたね。高校を卒業して即大人というのは、なんだか猶予が少ないように感じられますが、時間が経てば慣れていくのでしょうか。
ということで、今回のテーマは「大人」です。
明らかな大人を指す場合だけでなく、「年齢の割に大人っぽく見える」など、大人に関する表現を幅広く確認していきます。
これを読めば、英語でもシーンに即した「大人」を表現できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「大人」は英語で何て言う?
「大人」は英語で “adult” または “grown-up” と言います。adult の発音記号は「ədˈʌlt」、カタカナだと「アダルト」です。一方の grown-up は「gróʊnˈʌp」、「グロウンアップ」と読みます。
adult と grown-up は何が違う?
adult の語源はラテン語で「成長した状態」を意味する “adultus” という語。grown-up はゲルマン語由来で「成長する」を意味する grow の過去分詞 grown が使われています。つまり、ラテン語かゲルマン語かという違いはあるものの、adult と grown up はほとんど同じ意味だということです。
ただし、一般的に「ラテン語=文語(フォーマル)」「ゲルマン語=口語(カジュアル)」という住み分けがあるため、adult の方がフォーマル、grown-up の方がカジュアルな文脈で使われることが多いです。
adult、grown-up の使い方
adult と grown-up はいずれも、名詞として使った場合、20歳(18歳)以上の「法律上の成人(大人)」を表します。
He is an adult(a grown-up).
訳)彼は大人です(成人しています)。
また、どちらも形容詞として使うことができ、その場合は「大人の」「大人らしい」という意味になります。
This is an adult dog.
訳)これは大人の犬(成犬)です。
I want to learn grown-up manners.
訳)大人らしいマナーを学びたいです。
ただし、adult だと多くの場合「成人向けの」というニュアンスを帯びるため、使いどころによっては誤解を生む可能性があるので注意しましょう。
What did you do this weekend?
訳)週末何した?
I saw an adult movie. It was interesting.
訳)成人向け映画を観たよ。興味深かったなー。(※大人っぽい映画と言ってるつもり)
Oh…I see…
訳)あー、そうなんだー…。
「大人っぽい」「大人びている」は英語で何て言う?
「大人っぽい」「大人びている」という意味を表す英語表現は、”mature”、”adult-like”、”look like a grown-up” の3種類です。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
mature
実年齢より大人っぽい(大人びている)ことを表す際は “mature” という表現が適切です。mature の発音記号は「mət(j)ˈʊɚ」、カタカナだと「マチュア―」となります。
mature はラテン語で「熟した」を表す”maturus” が語源。成熟した状態というのは、物事の最も盛りの時期、つまり最良の状態のこと。そのため、mature というのは性別や年齢を問わずに、誉め言葉として使うことができます。
特に「年の割に大人びている」という場合は、“mature for its age” という表現がよく使われます。
How old are you?
訳)何歳?
I’m 15 years old.
訳)15歳です。
Really? You look mature for your age.
訳)本当? 年の割に大人びて見えるね。
Thank you.
訳)ありがとうございます。
ただし、明らかに成熟していない子どもに使うと「ませている」というマイナスなニュアンスになることもあります。
I think, therefore I am.
訳)我思う、故に我あり。
How old are you?
訳)お嬢ちゃん、いくつだい?
I’m 5 years old.
訳)5歳だよ。
Oh, you’re mature…
訳)ませてんなー…。
adult-like
“adult-like” も「大人っぽい(大人びている)」状態を表します。ここで使われている like は「好き」ではなく「~のような」という意味。そのため、大人のような見た目や振る舞いを指して使われます。
I want to be more adult-like.
訳)もっと大人っぽくなりたいなー。
look like a grown-up
“look like a grown-up” も「大人っぽい(大人びている)」状態を表します。
look like で「~のように見える」という意味なので、look like a grown-up も直訳すると「大人のように見える」という意味になり、主に見た目の大人っぽさに使われます。
How do I look?
訳)どう、似合ってる?
The dress makes you look like a grown-up.
訳)ドレスのおかげで大人っぽく見えるよ。
「大人の味」in English
「大人の味」は英語で “acquired taste” と言います。読み方は「アクワイヤード テイスト」です。
acquire は「獲得する」という意味の動詞なので、acquired taste は直訳すると「獲得された味覚」という意味。いわゆる大人の味というのは、苦みや酸味などがあって子どもにはおいしく感じられない味のこと。それが長年の経験を経ることで「美味しい」になる、そういう意味で「獲得された味」と形容されるんですね。
日本語を直訳して adult taste と言っても通じないばかりか、なんだか怪しい意味に聞こえかねないので注意しましょう。
It’s bitter!
訳)苦っ!
Coffee is an acquired taste.
訳)コーヒーは大人の味だからね。
「子どもっぽい」in English
「大人っぽい」に対して、「子どもっぽい」は英語で “immature”、または “childish” と言います。
immature は mature に否定のim- が付いたもの。そのまま「大人っぽくない=子どもっぽい」という意味ですね。大人になり切れていない様子を表します。
childish は、child(子ども)に「~っぽい」を意味する -ish が付いた言葉。大人なのに子どもっぽい振る舞いをしている際によく使われます。
His childish behavior really irritates me.
訳)彼の子どもっぽい振る舞いは、私を本当に苛立たせます。
まとめ
今回は「大人」というテーマでお話ししてきました。
大人は英語で adult、または grown-up と言います。また、「大人っぽい(大人びている)」と言いたい場合は、mature、adult-like、look like grown-up という表現が適切です。
今回ご紹介したことを参考に、英語でも状況に合った「大人」を表現していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!