“about”は「~について」、「~のあたりに」、「おおよそ」といった様々な意味で使われる英語表現です。前置詞・副詞・形容詞として使うことができます。

英文や英会話の中でも必ずと言って良いほど頻繁に使われる”about”ですが、”about”と聞くと前置詞としての使い方を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

この記事では「”about”についておさらいしたい。」という方に向けて、“about”の基本的なイメージ、意味や使い方、”about”を用いた英語表現について例文付きで詳しく解説しています。

本記事を読んでいただければ、”about”に関することは一通り把握できますよ。”about”について確認したくてこの記事を見た方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

“about”の基本イメージ

本質的なイメージを知っておくと、複数の意味を持ち、様々な使い方をするのかを理解するのに役立ちます。

”about”の基本的なイメージは「漠然と周りにある、ふわっと周りを囲んでいる周辺」です。

“about”の意味や使い方

“about”の意味や使い方

前置詞としての役割のイメージが強い”about”ですが、副詞や形容詞としても使用されます。

それぞれの意味や使い方を品詞別に確認しましょう。

前置詞

前置詞は文章をつなぐ役割で、名詞や名詞句の前に置きます。

日本語にはない前置詞ですが、日本語でいう「が、を、の、に」等の助詞に近いです。

前置詞の”about’は大別して3つの意味があります。

  • 「~について、~に関連して」
  • 「~の近くに、~のあたりに」
  • 「~ごろ、おおよそ」

「~について、~に関連して」を意味する”about”

周りをふわっと囲んでいるという基本イメージから、ある事柄や人物を中心としてその周りに関係することを示します。

Aさん
Do you know any good apps to learn about English?
訳)英語について学ぶために良いアプリを知らないですか?

Aさん
She has many books about Japanese culture.
訳)彼女は日本文化に関する本をたくさん持っています。

Aさん
We talked about the meeting agenda.
訳)私たちは会議の議題について話しました。

「~の近くに、~のあたりに」を意味する”about”

ある場所を中心としてその周辺のことを表します。

Aさん
My mother is standing about the door.
訳)私の母はドアのあたりに立っています。

Aさん
His friend lives somewhere about here.
訳)彼の友達はどこかこのあたりに住んでいます。

Aさん
There used to be a garage about here.
訳)以前はこのあたりに車庫がありました。

「~ごろ、おおよそ」を意味する”about”

ある大きさ、年齢、量などを中心としてそれに近いことを表します。

Aさん
We want to reserve a room about the same size as that.
訳)私たちはそれと同じくらいの大きさの部屋を予約したいです。

Aさん
We are about the same age.
訳)私たちは同じくらいの年です。

“about”が数詞の前に置かれる場合は副詞として扱うので注意が必要です。

副詞

「おおよそ、だいたい、約」といった意味で使用します。

ある時間、量等を中心として、それに漠然と近いことを示す表現です。

“about”の後ろに数詞が置かれる場合は、副詞となります。

Aさん
The jacket will cost about 8000 yen.
訳)そのジャケットは8000円くらいです。

“about”を使用する場合、示している数に達しているかは問題ではなくその周辺の数を表します。

例文の”about 8000 yen”は8000円に満たないこともあるし、8000円を超えていることもあります。

大雑把に8000円を示します。

似たような意味を持つ”almost”や”nearly”は、もうすぐ示す数に達することを表すため、ニュアンスが少し異なります。

Aさん
The earthquake happened at about 4:00.
訳)その地震は4時頃に発生しました

形容詞

”be about to do”の形をとり、「ちょうど~しようとするところ」を意味する近い未来を表す表現です。

ある状況を中心として周りの行動を示すことで、次にする行動を表しています。

数分後なのか、数時間後なのか、どの程度近い未来なのかは、使う人の感覚によって異なります。

Aさん
I’m about to go to work.
訳)ちょうど仕事に行くところです。

Aさん
We are just about to start the meeting.
訳)私たちはちょうど会議を始めようとしているところです。

過去形で用いると、「~しようと思ったけどしなかった」、「~しようとしていたところだった」という意味を表します。

Aさん
I was about to have dinner when my father called me.
訳)父が電話してきたとき、私はちょうど夕食を食べるところだった。

”about”を用いた表現

”about”を用いた表現

“How about”

「~はどうですか」と人に意見、提案や勧誘をするときに使える便利な表現です。

自分の考えを伝えた上で、相手の意見に耳を傾けたいというニュアンスを含みます。

“How about”の後ろには名詞もしくは動名詞がきます。

Aさん
How about joining the soccer team at school?
訳)学校のサッカーチームに入ってみたらどうですか?

Aさん
How about next Monday?
訳)来週の月曜日はどうですか?

Aさん
How about you?
訳)あなたはどうですか?

自分が回答して、相手に聞き返すときに使えるフレーズです。

”What about”

「〜はどうしますか」、「~はどうなりますか」という意味を表します。

まだ解決していない事柄や疑問に対して、確認するときに使う表現です。

“What about”の後ろには名詞しか置くことができないので、注意が必要です。

Aさん
We’ll go shopping with our friends.
訳)友達と買い物に行ってきます。

Aさん
What about your homework? Are you done?
訳)宿題はどうするのですか? 終わっていますか?

“What about”には、少し詰め寄るような強さがあります。

具体的に回答を聞きたい時に使用されます。

“all about”

”all about”には”all”が主役の表現と”about”が主役の表現があります。

“all”が主役の表現

「~に関する全て」という意味を持ちます。

Aさん
I know all about my family.
訳)家族のことならすべてを知っています。

Aさん
I will tell my parents all about it.
訳)両親に全部言いつけます。

“about”が主役の表現

主役の”about”を”all”で強調する表現方法です。

Aさん
What is the DVD all about?
訳)それはいったい何のDVDですか?

Aさん
What was that all about?
訳)あれは一体どういうことだったのですか?

まとめ

“about”の基本的なイメージ、意味や使い方、”about”を用いた英語表現について説明しました。英文や英会話でよく登場する”about”の意味や使い方はわかりましたでしょうか?

“about”の本質的なイメージを理解すると、様々な意味や使い方がイメージしやすくなります。

知っている言葉を用いたよくわからないフレーズや表現に出会ったら、なんとなくわかると放置せずに調べる癖をつけましょう。

知っている単語や表現にも他の意味や使い方、表現方法があることがあります。ひとつの単語や表現から知識を広げていくと記憶しやすく、アウトプットもしやすくなります。