バチェラーと言えば、最近人気のリアリティ番組の題名になっていますね。世で成功した男性のお相手になるべく女性たちがしのぎを削る、という内容で毎シーズン人気を博しています。

さて、今回のお題はその「バチェラー」です。「ところでバチェラーって何語?どんな意味があるの?」と一瞬でも思ったことがある方はぜひ、バチェラーについて調べてみましょう。

「バチェラー」ってどんな意味

バチェラーは英語のbachelorから来ています。日本では最近まであまりなじみのない単語だったかもしれませんね。

簡単に言えば、bachelorは独身男性という意味です。独身と聞くと、英語ではsingleを思い出す方も多いかもしれませんが、bachelorは離婚歴のない男性のみを指す言葉です。singleは離婚歴や性別とは関係なく、現在の独身である状態を表します。

また、学業用語で言うとbachelorは大学を卒業した学士の資格のことも指します。博士、修士、ときてその次の資格ですね。文学部を卒業していた場合はbachelor of artsとなります。

「バチェラー」の女性バージョン

先ほどbachelorは男性のみを表す、とお伝えしましたが、バチェラーには女性バージョンもあるのでしょうか。

あります!

バチェラーの番組に興味をお持ちの方は、女性バージョンのバチェラレットという番組もあったことをご存じかと思います。というわけで、想像が付くと思いますが、bachelorの女性バージョンはbachelorette(読み:バチェラレット)です。

最後にetteがつくことによって、女性を表す単語に変わりました。この単語の最後に付くことによって、意味を少し変えることができる部分のことを接尾辞と言います。etteの接尾辞はフランス語から来ていて、「小さい」もしくは「女性の」という意味をつけることができます。

接尾辞は他にもいろいろあって、覚えるとなんとなく意味を予想できるようになるので、自分の中のストックを増やしておくといいですよ。

リアリティ番組でいう「バチェラー」

ここまでbachelorという言葉が持つ本来の意味を見てきたわけですが、番組のバチェラーにはもう少し番組特有の意味が加わっているようにも見えます。

バチェラーもしくはバチェラレッテとして選ばれる出演者はみなさん、日本や世界で成功している実業家です。また、デートとして選ばれる場所や設定も非日常の特殊な空間ばかりです。

その結果、番組のバチェラーはすでにある程度の成功を収めた、若くて容姿端麗、品行もよく、お金にも困らないという夢のような条件を持つ、結婚願望のある男性のことを指す用語として使われているようです。

もちろん、番組の中での使い方ですから何の問題もありません。でも、この番組内でのバチェラーと本来のbachelorの意味は少しずれていることも覚えておいてくださいね。

例えば、英語を話す友達から、

Aさん
Hey, over there, that is Tom. He is a bachelor.
訳)ほらあっちを見て。彼はトム。バチェラーだよ。

と言われても、トムは必ずしもお金持ちで成功していたり、バチェラーの番組に出た張本人であったりするわけではありません。

そこにはただ「結婚したことのない独身男性」という意味以外は含まれません。結婚がしたいと思っているかどうかも別の話です。付き合ったらスペシャルなデートに連れて行ってもらえるかも、と浮足立つのは控えましょう。

欧米で「バチェラー」といえば

欧米で「バチェラー」といえば

確かに、bachelorという単語はそれほど日常会話の中での登場頻度は高くありません。では、bachelorという単語はどういう場面で使われているのでしょうか?

bachelor’s degree -学士号

先にも少し触れましたが、bachelorには学士の意味があります。

したがって、海外で職に就きたいと思って探していると、募集要項にbachelor’s degree(学士号)が必要である、と書かれていることをよく見ます。

例えば、人事部の募集要項には、

Qualifications
Bachelors’ degree with a Human Resources concentration or in related field

応募資格
学士号(人事部門)または関連分野の学位

と書いてあります。応募する際には証明できるものを見せられるようにしておきましょう。

bachelor party -バチェラーパーティー

他にもアメリカでbachelorが必ず使われる場面の代表格はbachelor partyです。

bachelor partyは結婚式の数か月前に行われる、婚約した結婚予定の男性のためのパーティーです。一連の結婚のためのイベントで新郎だけにスポットライトが当たることはなかなかありませんが、この日だけは新郎が「本日の主役」です。

このパーティーの目的は、独身生活に別れを告げ、結婚のお祝いをすることです。言い換えれば、独身生活最後に自由に羽を伸ばす「独身サヨナラパーティー」です。伝統的には男性だけが参加し、計画をするのは新郎の親友レベルの友達となっていますが、絶対にこうと決まった形があるわけではありません。

何をするかは人それぞれですが、友達と週末にロッジを借りて森で過ごしたり、海岸でお酒とゴルフを楽しむなど、緩やかな時間を過ごすことが多いようです。映画やドラマの中ではよく、ストリッパーを呼んだり、飲みすぎたりして痛い目に遭う、と言う場面が描写されますが、実際にはそれほど羽目を外すことはありません。

ちなみに女性版もあり、bachelorette partyといいます。こちらも親しい友達と結婚前に高級スパに一泊したり、友人の家でパーティーを開いたりします。

アメリカだけでなく、イギリスにもstag party、オーストラリアではbuck’s nightという同じような習慣があるようです。日本にはない習慣なので、もし海外滞在中に誘われたらぜひ参加してみてください。

bachelor pad -バチェラーパッド

スラング用法ですが、bachelor padという表現があり、独身男性の生活空間を表すときに使います。

つまり、女性と住んでいるときや家族持ちの場合と違って、男性が自分の都合の良いように作っている当人の生活に心地よい空間のことです。

ベッドとアルミの棚だけが置いてあるような殺風景であまり片付いていない部屋を指すこともありますが、自分の美的感覚を遺憾なく発揮した機能的な空間だったり、趣味や興味を思いっきり追求した部屋を指すこともあります。

それまで好きなような住んでいた男性が、結婚して奥さんと一緒に住むようになり、

Bさん
My bachelor pad has been destroyed…
訳)僕の空間が壊されていく、、、

と嘆いている男性の横で、その奥さんが

Aさん
It is hard to transform this “bachelor pad” to “home sweet home”.
訳)このバチェラーパッドを家らしくしていくのはなかなか難しいわ。

なんて言っていることも結構見ますよ。

bachelor apartment -バチェラーアパートメント

もう一つ、bachelor apartment という表現があります。寝室がなく、メインルームが寝室、リビングルーム、ダイニングルーム(時にはキッチンも)を兼ねているアパートのことを指し、不動産関係で使われる言葉です。日本で言うところのワンルームですね。

ただ、これに関しては、studioと表現することの方が多いので、あまりお目にかかることはないかもしれません。

まとめ

まとめ

というわけで、バチェラーの新たな世界を知ることができたでしょうか。

新しい言葉はどんどん輸入されて当たり前のように使われ始め、世間になじんでいきます。ふと立ち止まって、「これってどの国から来た言葉でどういう意味なんだろう?」と気にしてみると、新たな発見があるかもしれません。

日常の中でアンテナを張って自分の知識を増やしていきましょう。