夏から秋にかけて日本にやってくる「台風」。

台風の規模によっては洪水や土砂災害、高潮などが発生する危険性がありますね。

そんな日本ではおなじみの台風ですが、英語では何と表現するのでしょうか。
「ハリケーン」「サイクロン」といった言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、どのような違い・使い分けをするのか分からないものですよね。

そこで今回は「台風」の英語表現について解説していきます。
台風が来た時に使える英語も紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

「台風」は英語で?

「台風」は発生する場所によって英語での呼び方が変わる?

台風は熱帯低気圧の一種ですが、熱帯低気圧の中でも以下の条件に該当すると「台風」となります。

・平均最大風速が「17m/s以上」
・北西太平洋または南シナ海にある

南シナ海はグアムやフィリピンあたりのことですね。

つまり、すべての熱帯低気圧が台風になるわけではなく、条件に当てはまることで「台風」と呼ばれるようになるのです。

「台風」は「typhoon」

「台風」は英語で「typhoon」と言います。日本語も英語も発音があまり変わらないので、驚く方も多いでしょう。

というのも、typhoonの語源はアラビア語で「嵐」を意味する「tufan」が、中国語の「颱風(Táifēng)」になり、それがそのまま日本では「台風」、英語では「typhoon」になったという説が有力です。

つまり、「台風」は日本語も英語も、中国語の「颱風(Táifēng)」が語源となっているため、発音が似ていると考えられています。

Aさん
There is a typhoon coming tomorrow.
明日、台風が来ます。
Aさん
The typhoon flooded the river.
台風で川が氾濫しました。
Aさん
I suffered heavy damage from the typhoon.
台風でひどい被害を受けました。

「台風」は発生する場所によって英語での呼び方が変わる?

「台風」は発生する場所によって英語での呼び方が変わる?

「台風は英語でtyphoonか。発音も似ているから簡単に覚えられる」と考えるのはちょっと危険かもしれません。

というのも、熱帯低気圧が成長し、激しい暴風雨をともなう気象は”場所”によって呼び名が異なるのです。ニュースや天気予報などで、「ハリケーンが~」「~でサイクロンが…」というのを聞いたことはありませんか?

呼び名が変わるポイントは「発生する場所」と「風速」ですよ。一つひとつチェックしていきましょう。

hurricane

ニュースや天気予報で「ハリケーン(hurricane)」という言葉を耳にすることがあるでしょう。
hurricaneの条件は以下の二つです。

・発生場所:西経180度より東の北東太平洋、北大西洋、カリブ海、メキシコ湾
・風速:10分間の平均最大風速が約33m/s以上

つまり、アメリカやカナダ、イギリスなどで発生し、なおかつ10分間の平均最大風速が約33m/s以上の熱帯低気圧はhurricaneとなるのです。

ちなみに、日本では台風発生したら順番に「台風1号」「台風2号」と呼びますよね。

hurricaneの場合、A to Z の順に人の名前が付けられます。2020年に発生したhurricaneは、「hurricane Arthur」「hurricane Bertha」「hurricane Cristobal」などの名前が付けられていましたよ。

Aさん
The hurricane will soon pass over.
ハリケーンはもうすぐ通り過ぎます。

cyclone

ときどき「サイクロン(cyclone)」というのも聞くことがあるでしょう。

cycloneの条件は以下の二つです。

・発生場所:北インド洋、南インド洋、太平洋南部
・風速:10分間の平均最大風速が約17m/s以上

つまり、アフリカ各国、インド周辺などで発生し、なおかつ10分間の平均最大風速が約17m/s以上の熱帯低気圧はcycloneとなるのです。

Aさん
The cyclone moved in a northwestward direction.
サイクロンは北西の方向に移動しました。

willy-willy

あまり聞いたことがないかもしれませんが、オーストラリア周辺で発生した熱帯低気圧は「willy-willy」と呼びます。

日本に影響するのは「台風(typhoon)」だけなのでほかの呼び名を気にする必要はないと感じるかもしれません。しかし、海外に行ったり、海外の天気予報をチェックしたりするとよく出てくる言葉なので、言葉の違いを理解しておくと役立ちますよ。

「台風」が来たときに使える英語表現

typhoon

熱帯低気圧が成長し、激しい暴風雨をともなう気象は場所によって呼び名が異なるのがわかりましたよね。

また、日本に来たとき、「大きな台風が来る」「~に台風が上陸した」といった表現をよく使うので、その際に使える英語フレーズを紹介します。

台風が近づいています

天気予報を見ていると、「大型の台風が~に近づいている」と報道されますよね。

Aさん
A powerful typhoon is heading toward Okinawa.
沖縄に大型の台風が近づいています。

「大型の台風」は「powerful typhoon」と言います。「head toward」は「~に向かっている」「~に向かって歩く」という意味のフレーズなので、「typhoon is heading toward」=「台風が~に向かっている(近づいている)」となるのです。

~に台風が上陸した

「上陸した」というのを表現するときはhitを使います。

hitは「打つ」「殴る」という意味のイメージが強いかもしれませんが、「命中する」「当たる」という意味もあります。
hitのコアイメージは「狙った対象を一度だけ打つ」なので、台風が上陸するというニュアンスを表現するのに使われるのです。

Aさん
Typhoons hit Japan every year.
毎年、日本に台風が上陸します。
Aさん
According to the weather forecast, the typhoon hit Okinawa.
天気予報によると、台風は沖縄に上陸しそうです。

台風のせいで遅延している

台風のせいで公共交通機関が遅延することもありますよね。その際は以下の表現を使ってみましょう。

Aさん
My bus is delayed due to the typhoon.
台風のせいでバスが遅延しています。

delayは「~を遅らせる」という意味なので、be delayedで「遅延させられた」となります。何かのせいで遅延させられているニュアンスが伝わります。

また、「due to」は「~が原因で」という意味のフレーズなので、「due to the typhoon=台風のせいで」となります。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「台風」の英語表現について紹介しました。
台風は熱帯低気圧が成長し、激しい暴風雨をともなう気象のことですが、発生する場所や風速によって呼び名が変わります。

日本に直接影響するのは「台風:typhoon」だけですが、hurricaneやcyclone、willy-willyといった表現が使われることも覚えておきましょう。

台風はポジティブなシーンで使う英語ではありませんが、いざというときに必要になる英語でもあります。

ぜひ今回の記事を参考に、実際に台風が来たときに英語を活用してみてくださいね。