2022年2月からロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始し、以降日本でも連日のようにニュースで取り上げられていますよね。
ロシアは日本の隣に位置する国でもありますが、意外にどのような国なのか知らない方も多いでしょう。
そこで今回は、ロシアとはどのような国なのか、さらにロシアの公用語や英語が通じるのかについて解説します。
ロシアってどんな国?
ロシアといえば、どのようなイメージがあるでしょうか。広大な面積と豊富な資源があるというイメージ、また、映画や小説に描かれるような雄大な自然、寒さが厳しいという印象もありますね。
ここでは、ロシアとはどのような国なのかについてポイントごとに解説します。
国土面積・人口
ロシアの人口は約1億5千万人で、首都のモスクワにはおよそ1,263万人が住んでいます。
日本の人口は約1億2千万人で、東京都に約1,379万人が住んでいるので、人口規模は大差ないと言えるでしょう。
ただし、ロシアは日本に比べて約45倍の面積があり、人口密度が全く異なりますよ。
また、ロシアが日本よりも約45倍の面積があるというデータからも想像できますが、ロシアは非常に大きな面積を持っており、世界でもっとも大きな国となっています。
ロシアの面積は17,000万平方メートル以上、世界の陸地面積の8分の1を占めるのです。
ただ、広大であるがゆえに交通手段が全く整っていない場所も少なくありません。その分、手つかずの自然が多く残っているとも言えますね。
歴史
15世紀末にできたモスクワ公国は、18世紀になるとロシア帝国となります。このとき、ロシア帝国が面積を極東まで拡大させます。
その後、20世紀に入ると「ロシア革命」が起き社会主義国家であるソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が成立。これがロシアの全身となるのですが、核開発や宇宙開発などを進め、アメリカと並ぶ超大国となります。
ただ、資本主義のアメリカと社会主義のソ連は対立関係となり1945年に「冷戦」状態となります。その後、1989年に冷戦が終わり、1991年のソ連解体となるのが簡単の歴史の流れです。
公用語
ロシアの公用語は「ロシア語」です。
ロシア語が使われるのはロシア国内だけではなく、東ヨーロッパや北アジアの国々でも話されています。そのため、ロシア語を話せるのは世界に1億7千万人ほどいるとされており、世界で5番目に話す人が多い言語となっています。
ただ、ロシア語は、難解なキリル文字や複雑な発音、文法があるため、完全に習得するのは難易度の高い言語だと言えるでしょう。
日本で使われているロシア語
ロシア語と言われても、挨拶すら思い浮かばない方が大半ではないでしょうか。
日本人には馴染みのなさそうなロシア語ですが、ロシア語が語源となって日本語となっているものもあります。
代表的なものでは「イクラ」が挙げられます。ロシア語では「魚卵の総称」としてイクラと言いますが、おおむね意味が通じるでしょう。
そのほか、「ノルマ」「カンパ」「アジト」などもロシア語が語源となっていますよ。
ロシアで英語は通じる?
ロシアの公用語はロシア語というのは分かりましたが、いざロシアに行くとなったら言葉が通じるのか不安になるのではないでしょうか。
英語が通じないならロシア語を習得したいところですが、難解な言語のため会話できるほど流ちょうに話すのは簡単ではありません。挨拶くらいは覚えておくといいかもしれませんね。
ここでは、ロシアで英語が通じるのか詳しく解説していきます。
歴史的背景
「ロシアでは英語が通じない」というのを聞いたことがある方もいるでしょう。
というのも、ロシアとアメリカは過去に冷戦状態となっていた影響があり、敵国の言語である英語は排除されていたのです。そのため、冷戦中やその前後に教育を受けていたロシア人は、英語に触れることなく教育期間を終えています。
したがって、ロシア人の中でも全く英語を話せない人が一定数おり、「ロシアは英語が通じない」と言われるようになったのです。
ただ、現在ではロシアでも英語教育が積極的に行われており、イメージが変わりつつあります。
ロシア人の英語力
「ロシアでは英語が通じない」というイメージが払拭されつつあると解説しましたが、現状のロシア人の英語レベルが気になるところでしょう。
そこで、「EF EPI」を元にどの程度通じるのか解説します。
英語能力ランキング「EF EPI」とは、グローバル教育機関が実施する「EF試験」を受けた成人の、国ごとの英語能力指数を表すランキングのことです。現在では世界の112の国や地域を対象に実施されます。
2018年に行われた「EF EPI」の参加国は88か国となっています。当時のロシアの結果を見てみると、88か国の中で42位に入っており、「標準的」と評価されています。2017年までは「低い」と評価されていたため、国全体の英語力が向上していると言えるでしょう。
ちなみに2018年の「EF EPI」によると日本は88か国中49位です。つまり、「EF EPI」のベースに考えると、ロシアは日本よりもやや英語が通じやすい環境と言えるのではないでしょうか。
ロシアで英語が通じる場所
ロシアは日本よりもやや英語が通じやすい環境と解説しましたが、広大な土地のロシアは英語が通じる場所と通じない場所の格差が大きいのも事実です。
都市部から離れた場所はとくに英語が通じないと考えておくのが無難でしょう。
一方、都会であるモスクワは、比較的英語が通じやすい場所といえます。
たとえば、モスクワのホテルや空港、観光スポットなどは基本的に英語が通じます。
レストランも英語が使えそうですが、英語メニューがあるだけでスタッフの方は話せないこともあります。さらに、大手チェーンの飲食店でも英語のメニューすらないところがあるため、入店時は気を付けましょう。
電車やバスでは基本的に英語が通じないうえ、案内もロシア語です。ただし、券売機は英語表記なので、切符を買うときは券売機を利用しましょう。
ロシアを英語で表記すると?
ロシアの正式名称は「ロシア連邦」であり、英語で表記すると「Russian Federation」です。
Federationは「連合」「同盟」「連邦政府」などの意味があり、「Russian Federation=ロシア連邦」となります。
ただ、「Russian Federation」よりも省略した形の「Russia」の方が一般的です。2文字で表記する場合は「RU」、3文字で表記する場合は「RUS」となります。
ボルシチは東ヨーロッパやロシアで人気のスープです。
まとめ
いかがでしょうか。
今回はロシアの特徴や英語は通じるのかについて解説しました。
ロシアの公用語はロシア語であり、冷戦をしていた歴史もあって「英語が通じない国」という印象が強いかもしれません。しかし、近年では英語教育に力を入れており、ホテルや観光地などでは英語が通じるケースもあります。
もし、今後ロシアに行くなら、英語だけで会話しようとするのではなく、ロシア語の挨拶や簡単なお礼位は話せるとより観光を楽しめますよ。
ぜひ今回の記事を参考に、ロシアの英語事情についてチェックしてみてください。