「酸っぱいものは体に良い」 といわれています。クエン酸や乳酸、酢酸、リンゴ酸といったさまざまな酸は、代謝を上げたり、疲労を回復させる効果があります。酸っぱい味、というのも、梅干しの酸っぱさもあれば無糖ヨーグルト、柑橘系のものなどさまざまです。

この「酸っぱい」を英語で表現する場合、味わいによって単語を使い分けると、よりイメージが伝わります。今回は「酸っぱい」を表すいくつかの単語やフレーズを紹介します。

 

「酸っぱい」は「sour」一択ではない!

「酸っぱい」を表す単語といえば、すぐに思い浮かぶのがこの「sour」でしょう。
「sour」は、レモンや梅干しを食べて思わず顔をしかめる、そういう「酸っぱすぎ!もう食べたくない!」という時に使われます。ちょっとネガティブな感じですね。
「酸っぱい」の感じ方は人によって違いますから、同じレモンであっても「sour」と感じる人とそうでない人もいる、ということです。では他の単語を見てみましょう。

 

「sour」は感じ悪い?

「sour」には、「酸っぱい」という意味以外に、「意地が悪い」とか「ひねくれた」、また「気難しい」といったネガティブな表現もあります。
これは牛乳などが腐って酸っぱくなると、その酸味が不快感につながることから、物事が上手くいかなくなったり、人が不機嫌になるなどの意味で「sour」が使われるようになったということです。何だか「sour」が気の毒になってしまいますね。

 

「負け惜しみ」って「sour」なの?

自分の負けや過ちを認めず、何かのせいにして強がることを「負け惜しみ」といいますが、英語では「sour grapes」という表現を使います。これは、イソップ物語の「キツネとブドウ」のお話で、キツネが木に成っている美味しそうなブドウを取ろうとしたものの届かず、「どうせ酸っぱいブドウだったんだ」と負け惜しみを言ったことが語源です。「It’s sour grapes!」と言うと「それは負け惜しみだよ」という意味になります。

Aさん
I’m sorry that you didn’t get that job.
訳)その仕事に就けなかったのは残念だったね
Bさん
I don’t care. I didn’t want to do that job anyway.
訳)気にしてないよ。どうせやりたくもない仕事だったし
Aさん
Are you sure? That sounds like sour grapes to me.
訳)本当に?負け惜しみに聞こえるけど

YouTubeで「酸っぱいぶどう」の英語版があるので、興味がある方はチェックしてみてください。

「tangy」が表すのはどんな「酸っぱい」?

「tangy」が表すのはどんな「酸っぱい」?

「sour」以外の「酸っぱい」を表す単語に「tangy」があります。「tangy」は、よくオレンジのような、爽やかな柑橘系の酸っぱさを表現するときに使われます。「sour」よりも強い表現ですが、ネガティブな感情ではありません。美味しい酸味を表す単語ですね。

また、舌にピリッとした刺激を感じる、とか鼻にツンとくる感じの、香辛料の効いたパンチのある味を表現する時にも「tangy」が使われます。

 

「tangy」の発音は?

「tangy」の発音記号は「tǽŋi」で、カタカナにすると「タンギー」という感じでしょうか。発音記号の「ŋ」は「n」と「g」が合わさったもので「ング」と発音します。
「ǽ」はアクセントのある部分で、「エ」と「ア」とが混じったような音になります。

 

酸味を表す英語は他にも!

酸味を表す英語は他にも!

「sour」と「tangy」以外にも、「酸っぱい」という意味の単語があり、状況に応じて使い分けられています。ボキャブラリーが増えることで、英語の表現の幅がぐっと広がりますから、ぜひ色々覚えて場面に応じて使い分けられるようにしたいですね。
中には「sour」と同じように、ネガティブな表現に使われるものもあります。
では、どのような場面で、どんな単語が使われるのか、ひとつずつ確認してみましょう。

 

その他の酸味を表す単語その①|tart

「tart」も酸味を表すときに使われる単語です。発音記号は「tάɚt」で、「タート」と発音します。「tart」は、主に果物の酸味を表す場合に使われます。心地いい、美味しい酸味を表現したいときは、「tart」を使うと良いでしょう。
また、「tart」には「(言葉などが)辛辣な」とか「鋭い」という意味もあること、また「tart」には、お菓子のタルトの意味もあることも、ぜひ覚えておきたいですね。

その他の酸味を表す単語その②|vinegary

「vinegary」も「酸っぱい」を表現する単語になります。この「vinegary」は「酢の酸味が効いている」とか「酢のようなにおいがする」、または「酢が効きすぎている」というときに使う単語です。「vinegar」から派生した単語なので覚えやすいですね。
また、この「vinegary」も「sour」と同様に「不機嫌な」とか「気難しい」、「意地の悪い」という意味で使われることもあります。

 

その他の酸味を表す単語その③|acid / acidity

「acid」は「酸っぱい」という意味で、ワインやコーヒーの酸味を表す場合に使います。また化学的な酸性を表す場合にもこの「acid」が使われます。この「acid」から派生する「acidity」は酸味を表す名詞で、コーヒーやワインなどの「酸味」の要素を表します。
「acid」の発音記号は「ǽsid」で、読み方は「アシド」です。
この「acid」も、「気難しい」とか「辛辣」といった意味を表すのに使えます。

 

「ウマが合わない」って英語では水と油じゃない?

日本では「ウマが合わない」と言いたい時、「水と油」に例えられますが、英語では「油と酢」に例えて「like oil and vinegar」という表現を使います。油と酢は混ざりにくいことからこのような表現が生まれたようです。でもドレッシングは油と酢を混ぜて作ることもあるので、ところ変われば、なのかと思いきや、「水と油」に置き換えてもOKです。
ただ、語順は「like oil and water」と、日本語と反対になることを覚えておきましょう。

Aさん
I can’t stand it any longer. I’m going to quit my job.
訳)もう我慢できないわ。仕事辞める!
Bさん
What happen to you?
訳)何があったのよ?
Aさん
My new boss and I are just like oil and vinegar.
訳)新しいボスとウマが合わないの
Bさん
Well, that’s a problem.

訳)それは困ったわね

甘酸っぱいって英語でなんて言う?

甘酸っぱいって英語でなんて言う?

「甘酸っぱい」という表現は、甘さと酸味が両方感じられる食べ物や飲み物に使います。
英語では「sweet and sour」、または「sweet-sour」を使って表現します。

又、初恋の甘酸っぱい思い出のような、複雑な感情を表す場合は「sweet and sour」ではなく「bittersweet」を使います。「bitter」には「苦い」という意味があり、「甘い」と「苦い」で「ほろ苦い」という意味で使われます。

冒頭でも紹介したように、酸っぱい味のものは健康に良く、成人病の予防にも効果があるとされています。
ご興味のある方はぜひ日本成人病予防協会のホームページをご覧ください。

まとめ

「酸っぱい」という単語が「sour」ですが、酸味を表す単語はいくつもあり、それらを使い分ければ、英語力はぐんとアップしますし、言いたいこともしっかり伝えられるようになります。
日本語にもいえることですが、英語でもボキャブラリーが多い方が様々なレベルの会話ができますし、知的な印象を与えることもできます。この記事で紹介した単語やフレーズも覚えて、どんどん使いましょう。See you next time!