日本語の「暇」という表現は便利なもので、「やることが無くて暇」というマイナスの意味から、「たまには暇が欲しい」というプラスの意味まで一語でカバーできます。
では、これを英語で表すとどうなるでしょう。同じように一語で表すことができるのか、それぞれに別の表現があるのか、気になりますね。
ということで、今回のテーマは「暇」です。
日本語の「暇」が持つ多様な意味を踏まえつつ、それらに対応する英語表現について詳しく解説していきます。
これを読めば、英語でもその場に応じた「暇」を表せるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
日本語の「暇」ってどういう意味?
日本語における「暇(ひま、いとま)」という言葉は、もともと物事に隙間ができることを意味します。そこから、主に時間の隙間を表すことが増え、「暇≒空いた時間」というイメージでさまざまに使われるようになりました。
その結果、日本語の「暇」という表現は、プラスからマイナスまで含め、以下のすべての意味を表すことができます。
- 未来の予定が無い「暇」
例「明日は暇だなー」
- 現在することが無い「暇」
例「なんだか暇だなー」
- 退屈を感じる「暇」
例「ずっと部屋にいて暇だなー」
- お店などが空いている「暇」
例「今日は朝から暇だなー」
- 余暇として楽しむ「暇」
例「旅行に行く暇が欲しいなー」
しかし、これらを「暇」の一言で賄えるのは日本語の世界での話であって、英語では1つひとつがまったく別の表現になります。そのため、日本語の「暇」のニュアンスを英語に置き換えるためには、それぞれの表現をしっかり理解しておかなければなりません。
ということで、次の見出しからは、「暇」の意味を上記の5種類に分けたうえで、それぞれに相当する英語表現について詳しく確認していきましょう!
未来の予定が無い「暇」は英語で何て言う?
未来の予定が無いことを表す「暇」は、英語だと “free”、”wide-open”、”available” を使って表現します。
それぞれに若干ニュアンスが異なるので、1つずつ確認していきましょう。
① free
“free” というと「自由」や「無料」の意味も有名ですが、予定が無い様子も表すことができます。これらに共通するイメージは「何にも縛られていない状態」です。
具体的な使い方としては、”I’m free” で「私は暇だ(予定が無い)」という意味。今現在暇というより、これから先暇だという未来志向なイメージの表現です。そのため、使えなくはないですが “I was free” と過去形で言うことはあまりありません。
I’m free this weekend.
訳)今週末は暇なんだ。
Really? Let’s go on a picnic!
訳)そうなの?じゃあピクニックに行こうよ!
② wide-open
“wide-open” は直訳すると「広く開いている」という意味。
何も予定が無いため、来るもの拒まずに両手を広げているようなイメージです。free とほぼ同じ意味ですが、より大げさに予定が無いことを強調しているようなニュアンスで、少しスラングっぽい響きになります。
What are you up to this Friday?
訳)今週の金曜の予定は?
I’m wide-open!
訳)何も無いさ!
③ available
“available” はもともと、物を主語に取って「利用可能」という意味で使われます。そこから、人を主語にすると比喩的に予定が無い状態を表すことが可能です。
前述の free や wide-open と比べると畏まったニュアンスなので、ビジネスシーンなどでよく使われます。
Are you busy tomorrow?
訳)明日は忙しいですか?
I’m available until about 5.
訳)5時ごろまでなら空いてますよ。
「暇人」in English
日本語には「暇人」という表現がありますが、これは「いつも予定が無い人」という意味です。そのため、暇人のニュアンスを英語に訳す場合は、ここでご紹介した free や available を使って以下のように表すと良いでしょう。
He is free everyday.
訳)彼は暇人だ(毎日予定が無い)。
He is available at any time.
訳)彼は暇人です(いつでもアポが取れます)。
なお、理屈のうえでは wide-open も間違いではありませんが、常に予定を待ち望んでいるかのようなニュアンスを与えるため、あまり一般的ではありません。
I’m always wide-open.
訳)私はいつも予定が舞い込むのを待っているんだ。
That’s so sad…
訳)悲しい…。
現在することが無い「暇」を英語で何て言う?
現在することが無い「暇」は、”have nothing to do” と表現します。直訳すると「するためのことを何も持っていない」という意味。まさに「手持無沙汰」な状態です。
前述の free などが未来を向いた表現だったのに対し、have nothing to do はあくまで目の前にすることが無いことを表します。そのため、had nothing to do と過去形にして使うことも可能です。
I have nothing to do today, and had nothing to do yesterday.
訳)今することが無いし、昨日もすることが無かった。
It’s nice once in a while.
訳)たまにはいいよね。
退屈を感じる「暇」を英語で何て言う?
単に暇なだけでなく、そこに退屈という感情が伴う場合は、”be bored” を使って表します。
bored は「退屈させる」という意味の動詞 bore の過去分詞形。そのため、be bored と受け身の形にすると「退屈させられる⇒退屈している」という意味を表します。
I’m bored.
訳)私は暇です(退屈しています)。
反対に、boring と現在分詞にすると「退屈させるもの⇒つまらないもの」という意味になります。人に使うと結構辛辣な意味になるので、誤用には注意しましょう。
I’m boring.
訳)私はつまらない人間です。※「退屈している」と言ってるつもり
No! Be confident!
訳)そんなことないよ!自信持って!
「死ぬほど暇」を表すスラング
日本語でも「死ぬほど暇」や「暇すぎて死にそう」と大げさに言うことがありますが、英語にも同様の “be bored to death” という表現があります。
直訳すると「死に向かうくらい暇」。ネイティブ同士の会話では頻出の表現ですが、スラング表現なので、気心の知れた間柄でのみ使うようにしましょう。
I’m so bored to death.
訳)暇すぎて死にそうだ。
お店などが空いている「暇」は英語で何て言う?
お店のお客さんが少なかったり、仕事の量がいつもほど多くなかったりする「暇」は、英語だと “slow” か “quiet” を使って表します。
お客さんや仕事が少ないからといって、予定やするべきことが無くなるわけでも、ましてや退屈するわけでもありません。ただ、普段より少し「ゆっくり(slow)」で「静か(quiet)」な時間が流れるだけです。
How was your day?
訳)今日はどんな日だった?
It’s been slow today.
訳)今日は暇な(ゆっくりした)1日だったよ。
余暇として楽しむ「暇」は英語で何て言う?
趣味や娯楽に使うための「余暇」は、英語だと “free time”、”spare time”、”leisure time” を使って表します。
free time は先述の通り「予定の無い時間」という意味。予定が無いからこそ、好きなことをできるイメージです。
I have free time today, so I’ll watch a lot of movies!
訳)今日は暇があるから、映画をいっぱい観ちゃおう!
spare time は念のために取っておいた「予備の時間」というニュアンス。日本語で言うところの「暇を見つけて」に近い表現です。
I write a novel at my spare time.
訳)暇を見つけて小説を書いています。
leisure time は、仕事などから解放されて「楽しむための時間」という意味です。日本でもカタカナ英語でレジャーと言いますが、それとほとんど同じニュアンス。ちなみに、leisure の発音は英語だと「リージャー」の方が近いです。
In my leisure time, I often enjoy listening to music.
訳)暇なときは、よく音楽鑑賞をしています。
まとめ
今回は「暇」を表す英語表現について詳しく確認してきました。
日本語では退屈に感じるマイナスの時間から、趣味や娯楽に使うプラスの時間まで、すべてを「暇」という一語で表すことができますが、英語ではそれぞれに別の表現が相当します。
今回ご紹介したことを参考に、英語でも「暇」のニュアンスを的確に表現できるようにしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!