“go out”を分解すると”go(行く)”と”out(外へ)”ですね。ここから「出かける」という意味があるのは、簡単に推測できるでしょう。また、学校でも「外出する」と習いますが、実は”go out”には複数の意味があるのをご存知でしょうか?

今回は、「出かける」以外の”go out”の実践的な使い方について解説していきます。

“go out”の意味

まずは”go out”の意味をいくつか確認しておきましょう。”go out”だけでも複数の意味があるので、文脈から意味を判断する必要があります。それぞれの意味を理解して、しっかり使い分けられるようにしておきましょう。

出かける

もっとも一般的な意味は、冒頭でも書いた「出かける」です。”leave”や”hang out”など、類義語も多いですが、単にお出かけする場合は”go out”を使うと間違いありません。また「楽しい」というニュアンスを含んでいることも覚えておくとよいでしょう。

Aさん
We are going out shopping.
訳)買い物に出かけます。

“leave”と”go out”の違い

“go out”には、楽しいというニュアンスが含まれていますが、”leave”にそのニュアンスはありません。また、”go out”はまたその場に帰ってくる、というニュアンスがありますが、”leave”にはそのニュアンスはなく、単に「外出する」という行為のみに焦点が当てられます。

“hang out”と”go out”の違い

どちらにも「楽しい」というニュアンスが含まれます。文法やニュアンス的にはほぼ同じ使い方と考えてよいでしょう。しかし、後述するように、”go out”には「デートする」という意味があります。出かける相手が恋人だと勘違いされないために、あえて”hang out”を使うこともあるようです。

デートする、付き合う

「出かける」の意味から派生して、「デートする、付き合う」という意味もあります。”date”と同じ意味で、どちらを使っても良いですが、”go out”では、「お出かけ」なのか「デート」なのかが曖昧になってしまうので、注意が必要です。はっきりさせたい場合は、”go on a date”という表現を使いましょう。”go out with~”で付き合っている相手を表現し、”go out for~”で付き合っている期間を表現することができます。

Aさん
I have been going out with her for a year.
訳)彼女と付き合って1年になります。

(電気や緊張などが)消える

“out”はその場からなくなるというニュアンスです。そこから、”go out”には、電気や火、緊張などもともとあったものが「消える」という意味をもちます。”turn off”は「自分で電気を消す」のに対して”go out”は「自然と電気が消える」というニュアンスの違いがあるので、注意が必要です。

Aさん
The lights in the building went out.
訳)建物内の電気が消えました。

流行が廃れる、時代遅れ

次項で詳しく解説しますが、”go out of fashion”で「流行が廃れる、時代遅れ」という意味です。この表現の省略で、”go out”だけで同様の意味をもちます。

Aさん
This kind of business went out already.
訳)この手のビジネスはすでに時代遅れです。

時代遅れの類義語一覧

  • out-of-date
  • outdated
  • obsolete
  • old-fashioned

これらの類義語は、ニュアンスの違いもなく言い換えることができます。さらに”go out”を除くすべての類義語は名詞を直接修飾する限定的用法もとることが可能です。

Aさん
You are planning out-of-date(outdated, obsolete, old-fashioned) business.
訳)あなたは時代遅れのビジネスプランを立てています。

”go out of”の使い方

“go out of”という表現もよく使われます。意外と汎用性が高い表現なので、覚えておくと役に立つでしょう。

〜から(外へ)出る

ある空間から外出することを表現する時、「〜から」とあるので、”from”を使いたいですよね。しかし、文法的には”go out of~”が正しい表現です。”out of~”で「(ある場所の)外に」という意味があるので、そこから”from”ではなく”of”を使います。

Aさん
Let’s go out of the room.
訳)この部屋から出よう。

〜から外れる、〜されなくなる

使い方にコツが必要ですが、”go out of~”で「〜でなくなる」という意味になります。”go out of business”=「廃業する」や”go out of print”=「絶版になる」という使い方です。上述の”go out of fashion”は「流行から外れる」から「時代遅れ」という意味になります。”go out of control(コントロールを失う)l”や”go out of sight(視界から消える)”など、of以降の単語によって様々な使い方ができるので、非常に使いやすい表現ですね。

Aさん
Many hotels have gone out of business because of the coronavirus pandemic.
訳)コロナ禍のせいで、多くのホテルが廃業しました。

“go out”と”be out”の違い

“go out”と”be out”の違い

“go out”で「出かける」を意味しますが、”be out”でも同様の意味をもちます。動詞が違うこれらの表現ですが、どのような違いがあるのでしょうか?

“go out”:外出する行動を表す

”go out”は「これから外出する」という意味なので、行動そのものを表します。”go out”では具体的な目的地を表現することはできませんが、”go out to~”や”go out for~”で出かける目的を表現することはできるので、覚えておきましょう。

Aさん
We are going out to watch a movie.
訳)私達は映画を観に行きます。

“be out”:外出している状態を表す

“be out”は会社での電話対応でよく使われる表現です。電話の担当者が不在の場合、「〇〇は只今外出しております。」と言いますよね。これにあたる表現が”be out”です。すでに外出していて、建物内にいない状態を表します。

Aさん
He is out now.
訳)彼は今、席を外しています。

まとめ

今回は”go out”について解説していきました。単語だけで見れば非常に簡単な単語ですし、中学生でも「出かける」という意味は分かるかと思います。しかし、これほど簡単な表現でも、詳しく見てみるとかなり汎用性が高い表現であることが分かりますね。これは”go out”に限った話ではなく、他にも同じ表現で異なる意味を持つものが多く存在します。さらに類義語もあり、意味は同じでもニュアンスが微妙に異なる…など、これが日本人の英語苦手意識を生み出していると言っても過言ではないでしょう。

英語のニュアンスの違いをしっかり理解することはもちろん大切です。しかし、それ以上に失敗を恐れずに挑戦すること、これがもっとも重要です。英語は、言語であってコミュニケーションツールの1つ。正解はなく、自分の意見を伝えられればいいのです。難しい表現を覚えるのが、苦手であればまずは”go out”のような簡単な表現から実践的に使ってみましょう。コミュニケーションをとることの楽しさを覚えることも、英語習得への近道です!