私たちの身の回りのものには、さまざまな素材が使われています。その中でも、よくわからない素材の代表格として挙げられるのが「アクリル」でしょう。

カタカナ語ではありますが、英語でも同じように呼んで通じるのか、そもそもアクリルとは何なのか、気になりますね。

ということで、今回のテーマは「アクリル」です。

アクリルを英語で何と言うのかだけでなく、そもそもアクリルがどんな存在なのかについても、詳しく解説をしていきます。

また、「アクリル絵の具」や「アクリルの服」など、アクリルが使われた具体例の英語での呼び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

そもそも「アクリル」って何?

そもそも「アクリル」って何?

「アクリル」とは、簡単に言うとプラスチックの一種です。厳密には「アクリル樹脂」と「アクリル繊維」の2種類があり、それぞれに成分や組成が異なりますが、一般的にはどちらも「アクリル」とだけ呼ばれます。

アクリル樹脂とアクリル繊維の違いを詳しく説明し出すと、英語の話というより化学(science)の世界になってしまうので、詳細は割愛します。

ざっくり概要だけ説明すると、アクリル樹脂とアクリルの繊維のどちらも、大元の素材が「アクリル酸」という物質でできているため、同じ「アクリル」という名前が付いているんです。

ダイヤモンドと鉛筆の芯が同じ素材(炭素)から出来ているというのは有名な話ですが、アクリル樹脂とアクリル繊維も同じようなイメージでしょうね。

アクリル樹脂は、ガラス以上の透明度を誇り、加工や切断がしやすいために、アクリルスタンドやアクリル板など、さまざまな用途で使われています。

また、アクリル繊維は保温性が高くシワになりにくいため、ウールの代用品として、秋冬用の洋服素材によく使われます。

「アクリル」は英語で何て言う?

アクリルは英語で “acrylic” と言います。発音記号は「əkrílɪk」、カタカナだと「アクリリック」です。

acrylic はもともと、”acryl” に “-ic” を付けて形容詞化した単語です。そのため、アクリル樹脂なら “acrylic resin”、アクリル繊維なら “acrylic fiber” と使うのが本来ですが、日常会話では acrylic だけで「アクリル(繊維 or 樹脂)」という意味で使われます。このあたりの事情は、日本語の場合とまったく同じですね。

Aさん
In daily conversations, we use the word “acrylic” as both of “acrylic resin” and “acrylic fiber”.
訳)日常会話では、「アクリル樹脂」と「アクリル繊維」の両方の意味で「アクリル(acrylic)」という単語を使います。

なお、もとになった acryl という単語は「アクリル性」という性質を表し、化学の専門家しか使いません。日本語の「アクリル」の感覚で使うと、その道の専門家に間違われかねないので注意しましょう。

Aさん
I’ll have a taste…. It’s acryl!
訳)ペロッ…。これはアクリル性だ!
Bさん
Why did you lick it?
訳)何で舐めた?

 

身の回りのアクリル製品を英語で言ってみよう!

身の回りのアクリル製品を英語で言ってみよう!

私たちの身の回りには、アクリルを使ったものがたくさんあります。

ここでは、それぞれを英語で何と言うかについて、特徴などを踏まえながら詳しく確認していきましょう。

「アクリルスタンド」in English

アクリルスタンドとは、台座型になったアクリル板のこと。

中にキャラクターのイラストや人物の写真を入れて、卓上インテリアやお店のポップ、ノベルティなどと幅広い用途で活用されています。

そんなアクリルスタンドは、英語だと “acrylic stand” と言います。

英語の stand という単語には「立つ」という動詞の意味に加え、「台座」という名詞の意味もあります。日本での呼び方とほとんど同じなので、比較的覚えやすいですね。

Aさん
On my desk, there’re more than 100 acrylic stands.
訳)私の机の上には、100個以上のアクリルスタンドがあるよ。
Bさん
How do you do things on that?
訳)そんな状態でどうやって机使うの?

 

Aさん
I do nothing on that. It’s just for appreciation.
訳)使わないよ。ただの鑑賞用。
Bさん
I see. The desk is like a large acrylic stand for you.
訳)なるほど。机は君にとって大きいアクリルスタンドみたいなものなんだね。

 

「アクリル板(仕切り板)」in English

アクリル板とは、アクリル樹脂で作られた透明の板のこと。

最近では感染予防用の仕切り板として、お店などに設置されている機会が多いですね。透明なので、仕切り板として使っても閉塞感が無い点が大きなメリットでしょう。

そんなアクリル板は、英語だと “plate” と言います。plate は「板」という意味なので、構造は日本語とまったく同じですね。

また、「仕切り板」という点を強調する場合は “partition” と言うこともあります。partition は part(部分、分ける)をもとにした名詞表現。日本でもよく「パーテーション」と言いますが、英語の発音は「パーティション(pɑɚtíʃən)」の方が近いです。

Aさん
In many restaurants, acrylic plates are used as partition.
訳)多くの飲食店では、アクリル板が仕切り板として使われています。
Bさん
They are also used as large fish tanks in aquariums.
訳)アクリル板は、水族館の大型水槽にも使われています。

 

「アクリル絵の具」in English

「アクリル絵の具」とは、固着剤としてアクリル樹脂が使われている絵の具のことです。

アクリル樹脂には速乾性があるため、アクリル絵の具は描いた後すぐに乾く特徴があります。そのため、油絵と違ってすぐ塗り重ねることができ、初心者でも扱いやすい絵の具として広く使われています。

そんなアクリル絵の具は、”acrylic paint” と言います。paint は「絵の具」という意味なので、割とそのままですね。

ただし、アクリル絵の具が話題に挙がるのは、たいてい絵の話をしているとき。そのため、わざわざ paint を付けずに “acrylics” とだけ言うことも多いです。

Aさん
Acrylic paints are easy to use for beginners.
訳)アクリル絵の具は初心者にも使いやすい絵の具です。

「アクリルの服」in English

洋服に使われるアクリルは、厳密に言うと「アクリル繊維(acrylic fiber)」です。しかし、日本語の場合と同じく、fiber まで添えて言うことは少なく、単に “acrylic” とだけ表現されることが大半です。

そのため、アクリルの服は “acrylic clothes” と言います。clothes は「洋服」という意味で、常に複数形で使われます。

また、洋服の成分を表す際も acrylic が使われ、品質表示に以下のように書かれていることもあります。

Aさん
70% ACRYLIC 30% NYLON
訳)アクリル70% ナイロン30%

まとめ

今回は「アクリル」について、詳しく確認してきました。

アクリルは英語だと “acrylic” と言います。厳密には「アクリル樹脂(acrylic resin)」と「アクリル繊維(acrylic fiber)」の2種類がありますが、日常会話では両方まとめて acrylic と呼ぶのが一般的です。

私たちの身の回りには、意外にたくさんのアクリルが使用されています。今回ご紹介したことを参考にして、ぜひ見つけてみてください。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!