日本人にとって、一年の一大イベントといえば「正月」ではないでしょうか。クリスマスやバレンタインなどのイベントもありますが、正月は特別なものと認識している方も多いでしょう。
そんな「正月」は日本ならではの文化、日本らしさが感じられる時期であり、海外とは過ごし方が異なるため、わざわざ正月に日本へ訪れてみたいと憧れている海外の方も多いのです。
では、日本らしさの詰まった正月を海外の方に説明するなら、何と表現するのでしょうか。
今回は「正月」をテーマに、新年のあいさつや正月にまつわる英語を解説していきます。
日本の「正月」の過ごし方と歴史
1月1日の元日は、年神様と呼ばれる神様が新年の幸福をもたらすために各家庭にやってくるとされています。
大切な神様をお迎えするために、日本特有のさまざまな伝統行事が行われます。また「正月」に “お”をつけて「お正月」と呼ぶのは正月に対して敬意を払っている表現であり、日本にとっていかに大切な時期かがわかるでしょう。
また、正月は1月1日~7日までとされ、1月1日から3日までを「三が日」、1月1日から7日までを「松の内」と言います。
日本の正月は最初の3日間が三が日、1日から7日までは松の内と呼ばれます。
「正月」は英語で?
英語で「What is “Oshogatsu“?(お正月とはなんですか?)」と聞かれたら、回答に困ってしまう方も多いのではないでしょうか。
「正月」は英語で “New Year”と言います。「新年」という意味もありますが、元旦とそれに続く数日という意味合いもありますよ。
“お正月”とは何ですか?
「お正月」とは新年のことです。正月は、新年の神様を家で迎えるためのさまざまなイベントが行われます。
新年のあいさつを英語で伝えてみよう
お正月の過ごし方は国にとって異なりますが、世界中が幸せな雰囲気になりますね。
新年のあいさつをするのは、日本だけでなく海外でも大切にされているので、英語でどのような表現を使うのか確認しておきましょう。
定番の表現
まずは定番の新年のあいさつを解説します。
20xx年、新年おめでとう!
こちらは最も一般的な新年のあいさつです。
あけましておめでとうございます。
こちらはメールや手紙などで定番となっている表現です。”Best wishes”は「幸運を祈る」「ご多幸をお祈りします」といった意味があり、相手の幸せや成功を願っていると伝えられます。
20xx年に乾杯!
cheersは乾杯のあいさつのときに使われる表現なので、直接会っているときの挨拶です。
カジュアルな表現
友人など、親しい間柄の人に対して使える表現を紹介します。
いい一年を過ごしてね。
あなたにとっていい一年になりますように!あけましておめでとう!
最高の彼女へ、あけましておめでとう。
こちらは恋人に対して使う表現です。”The best~ever” =「今までで一番の」という意味のフレーズです。
手紙や年賀状におすすめの表現
新年のあいさつは、手紙やメールで伝えることもありますよね。
20xx年もあなたにとって素晴らしく幸せな年になりますように。
“happy” “great”などを使うと、祝福ムードが伝わります。
あけましておめでとう、実り多き20xx年でありますように!
“prosperous”は「繁栄する」「順調な」という意味があり、”prosperous 20xx” で「実り多き20xx年」というニュアンスを伝えられます。
あなたの新年が喜びと幸せでいっぱいになりますように
ビジネスシーンで使える表現
ビジネスシーンでも新年のあいさつは欠かせません。カジュアルすぎる表現ではなく、フォーマルな印象のある表現を使うとよいでしょう。ビジネスシーンで使える新年のあいさつは、細かく言えば、ビジネス一般向け、顧客向けなどに分類されます。それぞれの対象向けのビジネスシーンで使える新年のあいさつを紹介します。
(ビジネス一般向け)
成功とやりがいに満ちた一年になりますように。
successful「好結果の」「成功して」「上出来の」という意味で、rewardingは「~する価値のある」「~しがいのある」があるので、”successful and rewarding year” は「成功とやりがいに満ちた年」という意味合いになります。
(顧客向け)
繫栄した新年を祈っています。新年がエキサイティングなチャンスと素晴らしい業績で満たされますように。
来る年が、あなたに限りないチャンスと成長、そして繁栄をもたらしますように。良いお年を!
“prosperous”は「繁栄した」という意味で、その名詞形が”prosperity”です。ビジネスでよく使われる表現なので、覚えておきましょう。
「正月」にまつわる英語
日本の正月は、「初詣」「お年玉」など特徴的な文化、風習がたくさんありますね。
ここでは、日本の正月にまつわる英語表現を解説します。
初詣
年が明けたら「初詣」に行くのは定番の過ごし方ですよね。
初詣は平安時代から伝わる「年籠り(としごもり)」がルーツだとされています。年籠りとは、大晦日の夕方から元日の朝にかけて、新年の豊作や安全を祈るものです。
年を経て、年籠りは大晦日にお参りをする「除夜詣」と元旦にお参りをする「元日詣」の2つに分かれ、現在の「初詣」という文化が根付いたと考えられています。
正月に神社や寺に参拝に行くと、運気が上がると言われています。そのため、日本では正月に大勢の人が私生活や仕事で運気が上がるように、神社や寺にお参りをします。
「初詣」は日本独自の文化なので、該当する英単語がなく “hatsumoude”と日本語がそのまま用いられる傾向がありますが、内容を説明する場合は、”one’s first visit to a shrine in the year”などど説明しましょう。
元日に、わたしは着物で初詣に行きました。
初詣とは元日に神社や寺にその年初めて参詣する日本の文化慣習です。
おみくじ
正月に初詣に行ったとき、その年の運勢を占うために、おみくじを引く人は多いのではないでしょうか。
「おみくじを引く」は、英語で “draw a fortune”と言います。例文をチェックしておきましょう。
元日に、わたしは明治神宮に初詣に行って、おみくじを引きました。
訳)とても混んでいたに違いない。その結果はどうでしたか?
その結果は、「吉」でした。
訳)幸先がいいね。
絵馬
正月に神社にお参りすると、特に受験生などは、絵馬に願い事を書いて、奉納することが多いです。
絵馬は、英語で “a wooden plaque with a wish” か “votive tablet”と言います。
私は絵馬と呼ばれる木の板に願いを書いて、神社に奉納しました。
訳)日本では多くの人が絵馬を買って願い事を書くのですか?
はい、特に受験生などが、よくそうします。
「…を神社に奉納する」は、dedicate … to the shrine となります。
お年玉
子どもたちにとって、お正月の楽しみといえば「お年玉」ですよね。
お年玉は、正月に音連れる神様へのお供えものを分配する、神様からの贈り物というのが始まりです。
「お年玉」も直接表現できる英単語がないのですが、”New Year’s money”、”New Year’s gift”、”New Year’s monetary gift”と表現するのが一般的です。また、日本語のまま “otoshidama”と表現されることもあります。
子供の頃、新年のお年玉はどれぐらいもらっていましたか?
訳)私は、子供時代に正月にだいたい50,000円ぐらいもらいました。
年賀状
お正月の楽しみといえば、「年賀状」という方も多いのではないでしょうか。
親戚や友人、会社の方などに新年のお祝いや日頃の感謝の気持ちを伝える意味を込めたカードです。
年賀状には100年以上の歴史がありますが、こちらも英語では日本語のまま “Nenga-jo”する表現や “a New Year’s card”、”a New Year’s greeting card”と表現されることもあります。
元旦に年賀状が届きました。
日本では正月に”年賀状”という(新年のお祝いを伝える)手紙を送る風習があります。
まとめ
今回は「正月」に関する英語を解説しました。いかがでしたでしょうか。
日本の正月は、日本ならではの過ごし方、習慣、文化の詰まった特別なものです。海外の友人に日本の正月について聞かれたら、説明できるといいですよね。
また、正月の過ごし方は国によって異なるものの、新年のあいさつは海外でも大切にされています。誰に対してあいさつするのかによって、適切な表現を使いましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、日本の正月を英語で表現してみてくださいね。