プレゼンテーションは学校や会社など、さまざまなところで行われ、プレゼンテーションは避けては通れません。
昨今はグローバル化が進んでいることから、日本語のプレゼンテーションだけでなく、英語でプレゼンテーションをしなければならない機会も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「英語のプレゼンテーションは日本語と違う?」をテーマに英語でプレゼンテーションするときの気をつけたいポイントを徹底紹介します。
プレゼンテーションとは
そもそもプレゼンテーションとは、自身の考えや伝えたいことを説明するための手段であり、スライドショーや映像、資料などを使って説明する方法です。
学校では授業の課題としてプレゼンテーションを課せているところも多く、学生のうちからプレゼンテーションを行う機会が増えているでしょう。
また、ビジネスシーンにおいては、自社商品やサービスの売り込みはもちろん、社内でも新しい企画などを立ち上げるときにプレゼンテーションを行うことがあります。
つまり、プレゼンテーションは、学生のみならず社会人になっても必要な説明手段であり、しっかりとその技法を身につけておく必要があるのです。
英語のプレゼンテーションは日本語と違う?
プレゼンテーションが必要なことはわかったものの、日本語と英語とでは、そもそも違いがあるのでしょうか。
プレゼン資料の違い
プレゼンテーションでは、スライドショーなどをスクリーンに映して説明することが一般的ですが、視聴者にわかりやすいように手持ち資料を配布することがほとんどです。
プレゼン資料はできるだけ端的にわかりやすく作成することが望ましいでしょう。
これについては、日本語と英語とに大きな差はありません。
いずれの言語の場合でもしっかりとわかりやすく資料が作られているかがポイントになります。
ただし、注意が必要なのは簡潔にまとめられるかどうかです。
というのも、日本語と英語にはそもそも大きな言語的差異があるので、資料を見たときの受け取り方が違います。
たとえば、「魚」と”fish”を比べたときに、日本語の場合は一文字でどういう意味なのかが視覚的にすぐに頭に入ってきます。
一方、英語の場合は26文字のアルファベットをそれぞれピックアップしたものを配列して単語をつくるので、視覚的に意味を伝えにくいのです。
つまり、英語の場合は特に簡潔にまとめなければ、文字の羅列がつづき、とても読みにくい資料になってしまいます。ですので、英語のプレゼン資料は、簡潔になる傾向があります。
プレゼン資料にアニメーションを付けることも可能です。プレゼン資料の一部のテキストを隠しておいて、プレゼンを進める途中で、Enterキーを押したら、隠しておいたテキストが視聴者に見えるようにするというのが流行ったことがありました。
PPTにアニメーションを付けることもできますが、Google Slidesを使った方がアニメーションがつけるのが簡単なので、プレゼンテーションや英語レッスンなどで、アニメーションを付けて発表していました。英米でアニメーションを付けたプレゼンテーションが流行っていたので、日本でもそれを真似てやっている人がいました。
例えば、現状で ○○には、こういった問題があるというのを最初に提示して、その解決策は一体どうすればいいのだろうかと、視聴者に考えさせます。少し考えさせた後、1つずつ小出しにして解決策を見せていくという場合に、プレゼン資料のアニメーションが効果的に使われていました。
日本語プレゼンテーションには挨拶や説明が多い
日本語プレゼンテーションでは、挨拶やスライド切り替え時などに、挨拶を入れることが一般的です。
たとえば、「それでは、これより○○○に関する説明をさせていただきます。」や「それでは、次のスライドに移るので、資料の3ページ目を開いてください。もし印刷ミスなどがある方は挙手をお願いいたします。」
このように、日本語では敬語で挨拶や説明などをプレゼン中に行うことが多いのです。
もちろん、これ自体が悪いわけではなく、日本語の礼儀正しさや丁寧さが非常によく出ているのでしょう。
ただ、英語の場合は、日本語ほど頻繁に挨拶文を入れることはありません。
ストレートに伝えたいことを直球で伝えることで、より視聴者の心に刺さりやすいと考えられています。
英語のプレゼンテーションの流れ
ここでは、英語のプレゼンテーションの一般的な流れをみていきましょう。
Introduction
まずは、冒頭部分から始めていくのですが、英語では視聴者との関係づくりを意識して行うのがいいでしょう。
Good afternoon, everyone.などの簡単な挨拶を入れて、プレゼンを始めます。
そして、プレゼンテーションの目的を簡潔かつ明確に伝えましょう。
(例)Let me introduce our new product today.
本日は新しい商品を紹介させていただきます。
その後、だいたいの所要時間を伝えていると、より英語らしく丁寧なプレゼンテーションになります。
では、冒頭部分の流れをみてみましょう。
Good afternoon, everyone. Today, let me introduce our new product.
By the end of this presentation, you will know the new concept and feel comfortable about the product called “ABC”.
This presentation has 3 parts, and we will take a 10-minute break.
After that, we will have a Q&A session.
(日本語訳)
皆さん、こんにちは。今日は当社の新製品について紹介します。
このプレゼンテーションが終わるまでに、皆様に新製品であるABCの新しいコンセプトを知って、その魅力を感じてもらえると思います。
また、このプレゼンテーションは3つのパートがあり、その後10分の休憩をとります。
その後、質疑応答の時間を取ります。
会社が新製品を発表する場合、our new productをいう表現を使うのが適切で、a new itemなどの表現は使いません。
英語のプレゼンテーションでも、自己紹介を入れますが、自己紹介はかなり簡潔に入れる傾向があります。自己紹介を入れる場合、こんな感じで始めます。
(例)First, allow me to introduce myself briefly.
まず、簡潔に自己紹介をさせてください。
Let me introduce myself briefly. を使ってもいいですが、英語ネイティブの自己紹介は、allow me to introduce myself で始まることが多いです。
Good afternoon, everyone. First, allow me to introduce myself briefly.
I am xxx, CEO of ABC Corporation. This April marks my third year as CEO.
Today, I’m thrilled to introduce our new product.
(日本語訳)
皆さん、こんにちは。まず最初に簡潔に自己紹介させてください。私はABC株式会社 CEOのxxxです。この4月でCEOになってから3年目を迎えます。
本日は、私たちの新製品をご紹介できることを嬉しく思います。
簡潔な自己紹介の後、本日のプレゼンテーションの目的について話し、本題に入っていきましょう。
Main body
Introductionが終わったら、いよいよ本題です。
本題では完結かつテンポよく伝えることがポイントになります。
また、英語では、文章の始まりにきっかけとなる表現を置くことが好ましいでしょう。
よく使う表現として挙げられるのが、以下の通りです。
- Next:次に
- In addition:さらに
- Furthermore:さらに
- In conclusion:結論としては
- Therefore:したがって
- Moreover:加えて
- Just to make sure:念のため
- Don’t forget to~:忘れずに
Main bodyの説明は、いくつかのパートに分かれることになりますが、トピックが変わるごとに、接続詞を効果的に使って、論理的に分かりやすく説明を続けていきましょう。
Conclusion
Main bodyで本題を伝えられたら、Conclusionに入ります。
締めのセクションでは、これまでのプレゼンテーションの内容を振り返り、要点をまとめます。
(例)
最後に、本日のプレゼンテーションの要点をまとめさせてください。… これで私のプレゼンテーションは終了です。ご静聴ありがとうございました。
This is the end of my presentation. とするより、This concludes my presentation.の方が実際の英語のプレゼンでは、よく使われています。This is the end of my presentation.だとあまりに直訳すぎます。その後に、要点のまとめの説明を持ってきてしまうと、「プレゼンテーションは終了です」と言ったのに、終了させてないよ!と英語圏の人は思います。This concludes my presentation.の後は、Thank you for your attention.「ご静聴ありがとうございました」で締めましょう。
今回のプレゼンテーションで、当社の新製品の詳細についてより良くご理解いただけたと思います。さらに、より新製品に興味を持っていただいたのではないでしょうか。
本日はお時間いただき、ありがとうございます。それでは、もし質問があれば、emailでお答えさせていただきます。
英語のプレゼンテーションについて学ぶ方法
英語のプレゼンテーションについて本格的に学びたいと思ったら、ぜひTEDの動画を英語でチェックしてみましょう。
TEDの動画では、会社の商業的なプレゼンテーションはあまり紹介されていないですが、専門的な分野についての英語のプレゼンがたくさん紹介されています。
プレゼン資料にアニメーションが付けられている例も見つかるでしょう。英語のプレゼン資料では、文字数が少なめで、キーワード、キーフレーズ、またはキーセンテンスだけが書いてあり、それを補足するために、言葉を選んでプレゼンテーションをしていることに気付きます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「英語のプレゼンテーションは日本語と違う?」をテーマに英語のプレゼンテーションの流れや、実際に使える英語表現を紹介しました。英語のプレゼンテーションでは、日本語以上に流れや言葉を選ぶ必要があります。Introduction と Conclusionでは、定型文を使う部分もありますが、Main bodyで自分の個性を出せるように内容を盛り込んでいきましょう。
英語では、いかに簡潔に内容をまとめるかがポイントなので、要点をかいつまんでしっかりと相手に伝えましょう。
また、慣れない英語でのプレゼンテーションなので、どうしても緊張してしまうことがあると思います。
ただ、事前にしっかりと資料も作って、スピーチの練習もしておけば、しっかりと相手に伝わるので、事前準備を入念に行うのがポイントでしょう。