障害のあるトップアスリートが出場できるスポーツ「パラリンピック」。パラリンピックの水泳を観戦すると、英語に触れる機会があるので、単語の意味が気になることがあります。水泳観戦を楽しむために、前もって知っておきたいときもあるでしょう。そこで今回は、パラリンピックの水泳を観戦するうえで、知っておきたい英語を紹介します。英語を学習している人は必見です。

パラリンピック水泳とはどんな競技?

パラリンピックの水泳は、障害のある人を対象としているため、障害に配慮したルールが設けられています。まずは、パラリンピック水泳のルールについて、歴史から理解しておきましょう。

歴史

パラリンピックの水泳競技は、1960年のローマパラリンピックから正式競技として行われました。1964年には、東京でもパラリンピックが行われましたが、車いす選手しか参加できず、視覚障害の選手や知的障害の選手は参加ができない状況でした。それから、1976年のトロントパラリンピックでは視覚障害の選手、2000年のシドニーパラリンピックでは知的障害の選手、と次々と参加が認められていき、今ではさまざまな障害の選手が参加できる大会となっています。

ルール

パラリンピック水泳には、障害のある選手が安全に競技を行うためのルールが設けられています。例えば、視覚障害のある選手の場合、ターンやゴールのときに、監督がタッピングバー(Tapping bar)で選手の頭や身体に触れて合図をします。これは、壁にぶつかってケガをしてしまわないようにするためです。聴覚障害のある選手の場合は、スタートの合図音が聞こえないため監督が身ぶりで知らせたりします。このように、障害の程度によって、監督によるスタートの補助などが認められています。また、手が不自由な選手は、スタート位置に体を固定できないため、ベルトを腕にかけたり、タオルをくわえたりして、補助具を使うことも認められています。

パラリンピック水泳の「個人種目」を英語で何と言うのか?

個人種目には、「自由形」「背泳ぎ」「平泳ぎ」「バタフライ」の4種目があります。それぞれの用語を英語でどのように表現するのかを例文とあわせて説明します。

自由形

自由形は、英語で「Free Style」と言います。自由形の中でも一番速い泳ぎ方であるクロール(crawl)は、「Front crawl」と呼ばれますが、一般的には「freestyle」と呼ばれることが多いです。例文を見てみましょう。

Aさん
He won a gold medal by the swimming race 200 meter free-style of the Paralympics.
訳)彼は、パラリンピックの競泳200m自由形で金メダルを獲得した。

50m自由形の場合は「50 meter freestyle」、100m自由形場合は「100 meter freestyle」となります。「meter」の数字を置き換えるだけです。

背泳ぎ

背泳ぎは、英語で「Backstroke」と言います。クロールの場合はstrokeの前に「front(前方へ)」が付くのに対し、背泳ぎの場合はstrokeの前に「Back(後方へ)」が付きます。例文を見てみましょう。

Aさん
She competed in 100 meters of swimming race backstroke of the Paralympics.
訳)彼女は、パラリンピックの競泳背泳ぎ100メートルに出場した。

競技の場合は、「participate」ではなく「compete」を使います。「participate」は、イベントに参加するときに使う単語なので、競技においては使われません。今回は、「出場した」という過去形なので「competed」となります。

平泳ぎ

平泳ぎは、英語で「Breaststroke」と言います。平泳ぎは、カエル泳ぎに似ていることがから「Frog swim」と呼ぶこともあります。例文を見てみましょう。

Aさん
He narrowed a world record by the breast stroke of 200 meters for one second.
訳)彼は、200メートルの平泳ぎで世界記録を1秒縮めた。

今回は、「狭めた(narrowed)」を使っていますが、「良くなった(bettered)」を使って表現しても構いません。1秒の場合は「one second」と表現しますが、小数点が出た場合は、「1.2 seconds」や「1.5 seconds」など、数字を使うのが一般的です。

バタフライ

バタフライは、英語で「Butterflystroke」と言います。バタフライでは、「ドルフィンキック(dolphin kick)」というキック法を使います。ドルフィンキックは、イルカの泳ぐ様子に似ていることから名付けられています。例文を見てみましょう。

Aさん
She was the fifth place with 200 meters of Butterflystroke of the Paralympics.
訳)彼女は、パラリンピックのバタフライ200メートルで5位だった。

「fifth place」は、「5位」という意味です。今回は過去形なので、「is」ではなく「was」になることを注意しましょう。

パラリンピック水泳の「メドレー種目」を英語で何と言うのか?

パラリンピック水泳の「メドレー種目」を英語で何と言うのか?

メドレー種目には、「個人メドレー」「フリーリレー」「メドレーリレー」の3種目があります。それぞれの用語を英語でどのように表現するのかを例文とあわせて説明します。

個人メドレー

個人メドレーは、一人で「バタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→自由形」の順番に泳ぐ競技です。英語で「individual medley」と言います。例文を見てみましょう。

Aさん
He became the first Japanese male swimmer to win a medal in the individual medley at a Paralympics championships.
訳)彼は、パラリンピックの個人メドレーでメダルを取った初の日本人男子水泳選手となった。

「彼は最初になった(He became the first)」から始まります。今回は、「獲得する(win)」を使っていますが、「取る(take)」を使って表現しても構いません。「take」を使って表現する場合は、「win a meda」が「who took the medal」へ置き換わります。最後は、「championship」ではなく「championships」にすることを注意しましょう。

フリーリレー

フリーリレーは、4人のメンバーが自由形で泳ぐ競技です。英語で「freestyle relay」と言います。例文を見てみましょう。

Aさん
Both the men’s and women’s relay teams advanced to the finals of 4×100 meter freestyle relay.
訳)リレーチームは男子、女子と共に400メートル自由形リレーの決勝に進出した。

男子と女子の両方なので、冒頭に「Both the」が使われています。「advanced to the finals」は、「決勝」という意味です。400m自由形リレーの場合は、1人あたり100m泳ぐため「4×100 meter medley relay」となります。

メドレーリレー

メドレーリレーは、4人のメンバーで「平泳ぎ→背泳ぎ→バタフライ→自由形」の順番に泳ぐ競技です。英語で「medley relay」と言います。例文を見てみましょう。

Aさん
Japan won the gold medal in the men’s 4×100 meter medley relay.
訳)日本は男子400メートルメドレーリレーで金メダルを獲得した。

日本が勝利したため、winの過去形である「won」を使います。金メダルは、「gold medal」となります。400mメドレーリレーの場合は、1人あたり100m泳ぐため「4×100 meter medley relay」となります。

パラリンピック水泳の「クラス分け」について

パラリンピック水泳では、障害の「種類」や「程度」によってクラス分けしています。これは、障害の程度が成績に影響しないようにするためです。クラスは、泳法を「アルファベット」、障害の種類や程度を「数字」で表します。泳法を表すアルファベットは、下記のとおりです。

・S(自由形・背泳ぎ・バタフライ)
・SB(平泳ぎ)
・SM(個人メドレー)

障害の種類と程度を数字は、下記のとおりです(障害の程度が大きいほど数字は大きくなります)。

・肢体不自由(1〜10)
・視覚障害(11〜12)
・知的障害(14)
・聴覚障害(15)
・その他(21)

例えば、「100m SB4」という種目があった場合、「SB4」がクラスを表す部分となります。「SB」は平泳ぎ、「4」は肢体不自由です。肢体不自由の場合は、同じ100m平泳ぎの競技でも、「SB5」や「SB9」など障害の程度によってクラスが分かれています。メドレー種目の場合は、「4x100m 34ポイント」というようにポイントで表記されています。「34ポイント」の種目であれば、4人の障害クラスの数字が34ポイントを超えないように構成しなければいけません。例えば、4人の選手のクラスがそれぞれ「S8」、「S8」、「S9」、「S9」である場合、合計が「34ポイント」なので、参加条件をクリアしたことになります。

英語で水泳用語を知ってよりサッカー観戦を楽しもう!

今回は、パラリンピックの水泳競技を観戦するために必要な英単語について紹介してきました。水泳の英単語を覚えれば、水泳選手を応援するときに知識を活かせるので、水泳観戦が楽しくなるはずです。パラリンピックは、ルールやクラス分けなど、オリンピックと違う部分が多いので、観戦する前に理解しておきましょう。英語の学習として、ぜひ本記事を役立ててください。