近年、オンライン英会話の需要が非常に高まっており、日常の中で名前を耳にする機会が増えてきました。これだけ人気があるということは、その市場規模もやはり拡大しているのでしょうか。

ということで、今回のテーマは「オンライン英会話の市場規模」です。オンライン英会話業界の実情がどうなっているのか、具体的なデータを引用しながら詳しく分析し、その原因について考察していきます。

オンライン英会話の市場規模の実態が気になる人は、ぜひ参考にしてください。

オンライン英会話の市場規模の状況は?

オンライン英会話の市場規模の状況は?

結論から言うと、オンライン英会話の市場規模は2023年現在に至るまで、日々拡大を続けています。

各業界の市場調査と分析に定評のある矢野経済研究所の調べによれば、オンライン英会話を含む「オンライン語学学習」の市場規模は、2017年度が110億円だったのに対し、2021年度には245億円と、この4年間で2倍以上の急激な成長を遂げています。また、その間は常に右肩上がりの伸びを見せているので、これから発表される2022年度の調査結果、および今後見えてくる2023年度の市場規模においても、同様かそれ以上の成長が期待されます。

調査年度 オンライン語学学習の市場規模
2017年度 110億円
2018年度 125億円
2019年度 160億円
2020年度 225億円
2021年度 245億円

※2017年度と2018年度に関しては、矢野経済研究所の調査結果に「オンライン語学学習」でなく「e-learning市場」と表記されていますが、実質的には同じものを指しています。そのため、ここでは便宜的にe-learning市場とオンライン語学学習市場を同じものとして、時系列に沿って並べています。

データ出典:

語学ビジネス市場に関する調査を実施(2019年)|矢野経済研究所

語学ビジネス市場に関する調査を実施(2020年)|矢野経済研究所

語学ビジネス市場に関する調査を実施(2021年)|矢野経済研究所

語学ビジネス市場に関する調査を実施(2022年)|矢野経済研究所

英会話業界全体の市場規模

「オンライン英会話の市場規模が拡大しているのであれば、英会話業界全体の市場規模もまた拡大傾向にあるのではないか」、論理的にそう予測した人も多いでしょう。

しかし実際は、英会話業界、厳密にはそれを含む外国語教室全体の市場規模は、2018年度から2021年度までの3年間連続で減少傾向にあります。

調査年度 外国語教室全体の市場規模
2017年度 3,505億円
2018年度 3,530億円
2019年度 3,460億円
2020年度 3,110億円
2021年度 3,020億円

データ出典:語学ビジネス市場に関する調査を実施(2018~2021年)|矢野経済研究所

※各URLは重複するので省略しています。

表を見てわかる通り、2017年度から2018年度にかけては、外国語教室全体の市場規模は25億円も拡大しています。それが翌年以降は縮小傾向に転じていますが、その縮小幅は先述のオンライン英会話の市場規模の拡大幅と見事に鏡映しとなっています。

つまり、英会話業界の勢いは全体的に弱まっている一方で、オンライン英会話だけが成長しているということです。

教育産業(習い事業界)の市場規模

オンライン英会話を含む英会話業界は、より広い視野で見ると「教育産業(習い事業界)」という大きなカテゴリーに属しています。そのため、より正確な分析を行うためには、教育産業の市場規模も確認しておくべきでしょう。

矢野経済研究所の調査を見ると、教育産業の市場規模は2019年度から2020年度にかけて縮小したものの、それ以降(予測含む)は拡大傾向にあることがわかります。

調査年度 教育産業(習い事業界)の市場規模
2018年度 2兆7,655億円
2019年度 2兆7,746億円
2020年度 2兆7,054億円
2021年度 2兆8,399億円
2022年度(予測値) 2兆8,882億円

データ出典:教育産業市場に関する調査を実施(2022年)|矢野経済研究所

直近では回復傾向に転じたものの、2019年度から2020年度で大きく動きがあったという点では、教育産業の市場もまた、前述のオンライン英会話、英会話業界全体と同じ理由で規模に変動が生じていることが推察されます。

なぜオンライン英会話だけが大きく伸びているのか

教育産業と英会話業界全体と対照的にオンライン英会話だけが大きく伸びている背景には、eラーニング市場の拡大の影響が考えられます。

eラーニングとは “electric learning(電子的学習)” の略称で、主にインターネットを利用した電子的な学習方法を表します。オンライン英会話はもちろん、アプリによる学習や、電子教科書などでの学習も含まれます。

矢野経済研究所の調査によれば、eラーニングの市場規模は2017年度から2021年度(見込値)まで右肩上がりに拡大を続けていて、2022年度以降も引き続き成長していくと予測されています。

調査年度 eラーニングの市場規模
2017年度 2,000億円
2018年度 2,185億円
2019年度 2,354億円
2020年度 2,917億円
2021年度(見込値) 3,309億円
2022年度(予測値) 3,645億円

※eラーニングの市場規模は、個人向けサービス(BtoC)と法人向けサービス(BtoC)の数値を合算したものです。

データ出典:

eラーニング市場に関する調査を実施(2021年)|矢野経済研究所

eラーニング市場に関する調査を実施(2022年)|矢野経済研究所

表を見てわかる通り、eラーニング市場の推移の仕方は、オンライン英会話(オンライン語学学習)市場の推移と同様、ここ5年間で常に右肩上がりです。

ここからわかるのは、オンライン英会話の市場拡大の要因として大きいのが「オンライン」であるという事実です。オンライン英会話はその他の習い事と違い、通塾せずにオンラインで受けられる点が、大きく市場規模を拡大させる要因になっていると考えられます。

それでは、なぜオンライン英会話で拡大傾向が見られるのか、なぜオンラインであることが成長要因になるのか、それらの理由について次の見出しで確認していきましょう。

オンライン英会話の市場規模が拡大している理由とは?

オンライン英会話の市場規模が拡大している理由とは?

教育産業全体が伸び悩む中、オンライン英会話の市場規模が拡大を続ける理由には、主に以下の3点が考えられます。

  • コロナウイルスの感染対策
  • リモート授業への慣れの形成
  • GIGAスクール構想による学校教育のICT化

それぞれ詳しく確認していきましょう。

理由①:コロナウイルスの感染対策

オンライン英会話を含むeラーニング市場全体の市場規模拡大には、コロナウイルスの蔓延、およびその感染対策が大きく影響を与えています。

2023年現在、ある程度はコロナウイルスと共存できるようになりましたが、しばらくは緊急事態宣言やまん延防止等重点措置(通称「まん防)」)などが発出されるなど、社会に大きな混乱をもたらしました。

そんなコロナウイルスの流行が始まったのは2019年の12月。その4ヶ月後の2020年4月から2020年度が始まることを踏まえると、オンライン語学学習およびeラーニングの市場規模が大きく拡大したことと時期が完全に一致することがわかります。

また、同時期に外国語教室全体および教育産業の市場規模が大きく縮小していることも、やはりコロナウイルスの影響が主因だといえるでしょう。

理由②:リモート授業への慣れの形成

コロナウイルスによるパニックが収束していく中、オンライン英会話の市場規模が変わらず拡大を続ける背景には、人々の間でリモート授業への慣れが形成されていることが考えられます。

リモート授業は、もともとコロナウイルスへの感染対策として、三密を避けて人と人の接触を最小限にするために導入されました。

最初でこそ画面越しに授業することに戸惑いの声が大きかったですが、回数を重ねるごとに違和感は薄れ、今では対面授業と遜色ない程度まで慣れが形成されてきています。

画面越しのリモート授業は、慣れてしまいさえすれば、好きな場所で受けられるなど、多くのメリットがあります。そのため、コロナウイルスへの感染対策が軟化した現在でも、引き続きオンライン市場の成長が続いているものと推察されます。

理由③:GIGAスクール構想による学校教育のICT化

オンライン英会話の市場規模拡大の背景には、政府主導で進められている教育改革である「GIGAスクール構想」も大きく関係しています。

GIGAスクール構想とは、学校の生徒1人に1台のデジタル学習端末を配布し、学校教育をICT化する施策です。この施策が始まったのは、奇しくもコロナウイルスの流行と同じ2019年12月であり、やはりオンライン英会話市場の急速な拡大に大きな影響を与えています。

GIGAスクール構想が推進された結果、今では全国すべての小中学校で1人1台のデジタル端末が配布され、多くの高校でもICT教育環境が整備されてきています。

その結果、そのデジタル端末を用いてオンライン教育を受けさせようという動きも高まり、オンライン英会話を受講する小中高生の数が増加傾向にあることが推察されます。

2023年度の語学ビジネス市場の予測

矢野経済研究所のレポートによれば、2022年度の語学ビジネス市場規模(主要13分野合計)は事業者売上高ベースで前年度比0.8%減の7,806億円でした。

今後の展望として、2023年度の語学ビジネス市場は(主要13分野合計)は、前年度比4.0%増の8,119億円になり、拡大すると予測されています。

語学ビジネス市場には、語学スクール、学習教材、周辺ビジネスの中の主要13分野が含まれていますが、2023年度は、2,022年度と比べて、313億円も増加することが予測されており、その数字の伸びから語学ビジネス市場の盛況ぶりが推察できます。

オンライン英会話の市場も、前年度より増加することが予想され、ますます拡大して盛況になるでしょう。

2023年度に入り、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類へと移行したこともあり、コロナ禍で巣ごもりを続けていた人々の生活が再びコロナ禍前に戻ってきて、ビジネスでの海外出張や海外観光旅行の需要が再燃し、英会話学習ニーズも復活してくると見込まれます。

また、2023年度にインバウンドで日本を訪れる外国人観光客の数は前年度よりかなり増加していて、外国人向けの観光ビジネスも盛況になってきています。

Kiminiオンライン英会話のおすすめコース

2023年度のそのような変化を考慮に入れて、Kiminiオンライン英会話のおすすめコースを紹介します。

ビジネス英会話コース

新型コロナの影響で、海外へのビジネス出張はかなり減っていましたが、回復してきているため、ビジネス英会話の需要も高まっています。

ビジネス英会話コースは、英文法の基本的なルールをビジネスシーンに特化した形でおさらいしながら、ビジネスシーンにおける頻出英単語やフレーズがたくさん学べるコースです。

このコースでは、単語やフレーズだけでなく、英文法の現在形、過去形、現在完了形や仮定法など基礎を固めながら、実際のビジネスシーンを想定した会話の中で使う練習をします。

ビジネス英会話コース1は全60レッスンで、将来的に英語を使った仕事がしたい方、海外赴任を控えているが英語に自信がない方、仕事で海外と頻繁にやりとりをされている方向けのコースです。

ビジネス英会話コース2は全61レッスンで、ビジネス英会話コース1と同じような方におすすめですが、英語での面接やアドバイスの仕方の練習やロールプレイをするレッスンも含まれています。

日常英会話コース

海外観光旅行の需要も高まってきているため、日常英会話習得の需要も高まってくるでしょう。

日常英会話は教科書で学ぶ英語とは少し違っており、海外に長めで滞在する人は特に、一定レベル以上の日常英会話力が求められます。

英語のリスニング力を高めながら、自分のことや身の回りのことを英語で伝える訓練をしてから、海外観光旅行に行くことで、海外旅行が何倍も楽しめるでしょう。

Kiminiオンライン英会話の日常英会話コースは、日常生活ですぐに使える英語を学ぶことができて、英語を話す際の表現力や瞬発力を身につけられます。

接客英語コース

インバウンドで日本を訪れる外国人観光客が増えており、接客の英語力の必要性も高まっています。

フィリピンなど東南アジアの国々に比べると、日本人の全体的な英語力は低めで、英語が通じづらいことがあるという外国人の声もあります。

Kiminiオンライン英会話の接客英語コースは、レストラン業界で外国人のお客様を接客する際に必要な英語を実際にロールプレイもしながら身につけ、訪日外国人のお客様を笑顔で自信を持っておもてなしできるようになることを目指したコースです。

接客英語に特化したオンライン英会話コースは珍しいですが、需要があるために開設されたコースなので、接客業に携わっておられる方は試されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、オンライン英会話の市場規模について詳しく説明してきました。

オンライン英会話の市場規模は、2023年現在まで拡大傾向にあります。当初こそコロナウイルスの影響が色濃かったものの、今ではデジタル端末での学習が一般化したこともあり、今後も変わらず、またはそれ以上の成長を見せてくれることが期待できます。

英会話スクールの経営形態が、対面式よりオンライン形式の人気の方が、コロナ禍以降ますます高まってきており、今後もその傾向は続くことが予想されます。

市場規模が拡大するということは、その産業の品質もまた向上します。そのため、これから英語学習に取り組むなら、オンライン英会話がおすすめだといえるでしょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!