昔ファッションモールに勤めていたとき、片道2時間近くかけて通勤している先輩が、定期券を失くしてしまいました。半年分のその金額は、なんと10万円オーバー…。無事に見つかったからよかったですが、交通費もバカにならないと実感した経験でした。
さて、そんなわけで今回のテーマは「交通費」です。英語で交通費を何と言うかについて、詳しく解説していきます。
また、記事の後半では「通勤手当」や「交通費精算」など、交通費に関連する重要表現の英語での言い方についても取り上げます。
交通費について、会社などで英語でもやり取りする可能性のある人にとっては、特に必見の内容です。
それでは、早速始めていきましょう!
「交通費」は英語で何て言う?
「交通費」を表す際、英語では “transportation expenses”、”travel costs”、”fare” の3種類がよく使われます。
一括りに交通費といっても、これらは表すニュアンスが少しずつ異なるので、場面に応じて適切なものを使い分けることが大切です。
以下で、それぞれについて詳しく確認していきましょう。
最も一般的な交通費:transportation expenses
“transportation expenses” は、交通費を表す最もフォーマルな言い方です。そのため、会社での交通費に関する手続きでは、こちらを使っておけば間違いありません。読み方は「トランスポーテーション イクスペンシズ」です。
ここで使われている transportation という単語は、もともと「輸送」を表す単語です。そのため、transportation expenses でカバーされる交通費は、乗り物に乗ることによって生じる移動費であることが一般的です。出張に伴って生じる宿泊費などは、transportation expenses という名目だと計上されない可能性があります。
また、expenses は「支出、費用」を表す expense の複数形です。後述する cost と比べると、一定の成果を上げるために必要となる費用がイメージされます。交通費は、会社員が仕事で成果を上げるための必要経費なので、expenses が最も適切な表現だといえるでしょう。
The transportation expenses for this month amounted to approximately 10,000 yen.
訳)今月かかった交通費は合計で約1万円でした。
旅費も含む交通費:travel costs
“travel costs” は、旅費や宿泊費なども含めて、人が移動する際にかかった費用全般を表す表現です。読み方は「トラヴェル コスツ」となります。
travel cost で使われている travel という単語は、もともと「旅行」を表します。そのため、旅行の費用にしか使えないと勘違いしがちですが、小規模移動に伴う費用でも travel costs に含められます。
また、travel costs の場合は移動にかかった費用だけでなく、宿泊費もあわせて計上できるケースが多いです。先述の transportation expenses が「移動に必要だった費用」なのに対し、travel costs は「移動期間中に必要だった費用」というニュアンスの差があります。
とはいえ、経費として申請する際は、もちろん各会社でルールが異なるので、名称だけで判断するのは危険だといえるでしょう。
なお、costs は 先述の expenses と比べて、雑費なども含んだ諸経費という意味合いで使われることが多い表現です。そのため、フォーマル度としては少々落ち、日常会話でもよく使われる表現だといえるでしょう。
It costs quite a bit in travel costs to attend exhibitions in other regions.
訳)地方の展示会に参加するには、結構な額の交通費がかかります。
公共交通機関での移動費がメインの交通費:fare
公共交通機関での移動費を意味する交通費の場合は、”fare(フェア)” という表現が適切です。
fare はもともと、電車やバスなどに乗る際に必要な「運賃、乗車賃」を表す単語です。会社員の場合、会社から支給される交通費はたいていが公共交通機関の運賃とイコールになるため、fare とシンプルに表現する場合も多くあります。
明細に fare と記載がある場合、タクシー代が含まれるかは微妙なところなので、詳細は実際に会社の経理課に確認するとよいでしょう。ちなみに、経理課は英語で “accounting department(アカウンティング デパートメント)” と言います。
The fare between the nearest station and the company’s station is 500 yen per day.
訳)最寄り駅から会社までの交通費は1日で500円です。
「通勤手当」や「交通費精算」など、交通費の関連表現の英語もマスターしよう!
ここからは、交通費に似た表現や、あわせて使われる関連表現についても、英語で何と言うか詳しく確認していきましょう。
「通勤費」in English
英語で「通勤費」は “commuting expenses” と言います。読み方は「コミューティング イクスペンシズ」です。フォーマル度を落として言う際は “commuting costs” でもOKでしょう。
commuting のもとになっているcommute は「通勤する」という意味の動詞です。そこから、commuting expenses で通勤にかかる費用、つまり通勤費という意味で使われるようになりました。
通勤において、引っ越しなどをしない限りは年単位で同じ経路で出勤する人が多いですよね。そのため、commuting expenses は交通費のうち、定期券代を意味するのが一般的です。
「通勤手当」in English
「通勤手当」は英語で “commuting allowance” と言います。読み方は「コミューティング アロワンス」です。
ここで使われる allowance は「許容、容認」を表す名詞で、「許す」を意味する allow(アロウ) を由来としています。つまり commuting allowance とは、会社が通勤のために認めている費用というニュアンスの表現になります。
先ほどの通勤費と通勤手当とは、多くの場合同じ意味で使われがちですが、厳密には通勤費は経費として、通勤手当は給料の一部として支払われる点に違いがあります。
「交通費申請」in English
「交通費申請」は英語で “transportation expenses application” と言います。読み方は「トランスポーテーション イクスペンシズ アプリケーション」です。
ここで使われている application は、「申請する」という意味の動詞 apply(アプライ) の名詞形です。なお、「交通費を申請する」と動詞形で表す際は “apply for transportation expenses” となります。
通勤費や通勤手当に含まれないイレギュラーな交通費は、申請しないと支給されない可能性が高いので、しっかり申請書(form)に書いて提出するようにしましょう。
「交通費精算」in English
「交通費精算」は英語で “transportation expenses reimbursement” と言います。読み方は「トランスポーテーション イクスペンシズ リインバースメント」です。
ここで使われている reimbursement は「再び(re-)支払う(imburse)」を名詞化(-ment)した表現です。日常会話で使うことはないですが、このような経理手続きではしばしば使われる用語です。
まとめ
今回は「交通費」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
交通費は最もフォーマルに言うと “transportation expenses” が適切です。それに加え、宿泊費なども含めると “travel costs”、公共交通機関の運賃だけなら “fare” などと、状況や費用の内訳によって使われる表現が異なります。
また、交通費は会社とやり取りする関係上、手続きに色々と専門的な表現が付いて回ります。だからといって申請せずに損をすることがないよう、今回ご紹介したことを参考に、必要だった交通費はどんどん申請して精算していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!