「大文字と小文字を間違えた」
「大文字と小文字で意味に違いはあるの?」
「大文字と小文字の使い方がわからない」
このようなお悩みを抱えていませんか。
英語を学び始める前に、まずアルファベットから習得したという人も多いでしょう。
アルファベットは大文字と小文字を合わせても52字なので、ひらがなとカタカナを50音ずつ覚える日本語に比べれば難しくないと思うかもしれません。
しかし、簡単そうにみえるアルファベットですが、英語を使った文章では大文字と小文字を正しく使えていない人が少なくありません。
そこで今回は、英語の大文字と小文字を正しく使い分けるために、表記ルールと使い方を例文で紹介します。
大文字と小文字は英語で何と言う?
英語では、大文字の「A」を日本語直訳のまま“Big A”、小文字の「a」を”Small A”と言うことはほとんどありません。
英語の大文字と小文字は、それぞれ下記のような言い方をするのが一般的です。
大文字
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小文字
|
”uppercase”と”lowercase”は、おもにインターネット上で使われており、”capital letters”は手書きの文書に用いられることが多いのが特徴です。
パソコンが普及する前は”capital letter”や”small letter”と言うのが主流でしたが、時代の変化に伴って最近では”uppercase”と”lowercase”が使われるようになりました。
例文で使い方を確認していきましょう。
The first word of a sentence should start with a capital letter.
訳)文の最初の単語は大文字で始めるのよ。
My Caps Lock key was broken so I cannot type uppercase letters.
訳)Caps Lockキーが壊れていて、大文字に変換できなかった。
Should this ”F” be an uppercase or lowercase letter?
訳)この「F」は大文字と小文字、どっちが正しいの?
Passwords require upper and lower case letters and numbers.
訳)パスワードには大文字と小文字、あと数字が必要だ。
友達同士でのよりカジュアルな表現として大文字を”caps”と表現する言い方もあります。ネットスラングのようなもので、SNSやチャットでよく使われています。
Olivia wrote her reply in all caps.
訳)オリビアは大文字だけで返信していたらしいよ。
Anna’s entry was written in all caps for some reason.
訳)なにかしらの理由で、アナの投稿はみんな大文字で書かれていたわ。
大文字と小文字の表記ルール
英語の文章は小文字で書くのが基本ですが、人の名前や地名など、必ず大文字にしなければならないものが決まっています。
間違ってしまうと恥ずかしい思いをしたり、誤解を招いてしまったりする場合もあるため、しっかりと覚えておきましょう。
英語で大文字表記になる場合のルールを解説します。
文章の最初の文字
英語では、文章の最初の文字を大文字で書くのが原則です。
たとえばWordで文書を作っていて文頭が小文字のままだと、エラー表示が出て間違いを教えてくれますよね。
当たり前のようで意外と抜け落ちてしまいがちなルールなので、英語の基本としてしっかり頭に入れておきましょう。
⇒When are you going?
訳)どこ行くの?
⇒Could you tell me how to go to the bank?
訳)銀行までの行き方を教えてくれる?
⇒Please close the window when you leave.
訳)出るときに窓を閉めてね。
固有名詞
英語では、固有名詞の最初の文字は大文字表記になります。
固有名詞とは、他のものと区別するために、特定の人や場所、物など、決まった名前が付いているもののことです。
たくさんある固有名詞のなかから有名でわかりやすいものを表にまとめました。
なお、短い前置詞や冠詞は、正式名称に含まれている場合を除いて必ず小文字になるので注意しましょう。
国名 | Japan(日本) Germany(ドイツ) Switzerland(スイス) the Netherlands(オランダ) |
地名 | Shinjuku(新宿) Rome(ローマ) Beijing(北京) Mount Everest(エベレスト山) the Amazon River(アマゾン川) |
人物名 | Shohei Otani(大谷翔平) Tom Cruise(トム・クルーズ) Taylor Swift(テイラー・スイフト) |
企業名 | Rakuten Group, Inc.(楽天グループ株式会社) Amazon Japan G.K.(アマゾン ジャパン合同会社) Walmart Inc.(ウォルマート) |
ブランド名 | Apple(アップル) NIKE(ナイキ) Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン) |
作品名 | La La Land(ラ・ラ・ランド) Last Samurai(ラストサムライ) Harry Potter(ハリーポッター) |
月・曜日・祝日
月や曜日、国民の祝日なども、英語では大文字で表記するのが原則です。
カテゴリが似ているので混同しやすいですが、季節は小文字表記なので注意しましょう。
月 | January(1月) February(2月) March(3月) |
曜日 | Sunday(日曜日) Monday(月曜日) Tuesday(火曜日) |
祝日 | New Year’s Day(元旦) Christmas Eve(クリスマス・イブ) Halloween(ハロウィン) |
国籍・言語・史実
国名だけでなく、国籍や言語、史実も、英語では最初を大文字で表記します。
ただし、17世紀のような数字は、”seventeenth century”と小文字になるので間違えないようにしましょう。
国籍 | Japanese(日本人) Chinese(中国人) American(アメリカ人) |
言語 | Japanese(日本語) French(フランス語) Korean(韓国語) |
史実 | World War II(第二次世界大戦) Declaration of Independence(独立宣言) |
間違えやすい大文字と小文字の使い分け
大文字表記をなかなか覚えられないという人のために、日本人が間違えやすいものをいくつかピックアップしました。
正しく使い分けて、スムーズな会話を習得しましょう。
家族の呼び方
英語では、会話中に家族へ呼びかけるときや固有名詞として使うときは、大文字表記になるのが基本です。
ただし、単純に続柄を示すだけの場合は、”my aunt”(私の叔母)や”his mother”(彼の母)のように小文字になります。
Sophia is my aunt.
訳)ソフィアは私の叔母です。
I sent a birthday card to Aunt Sophia.
訳)ソフィアおばさんにバースデーカードを送ったよ。
肩書き
英語の大文字表記で次に間違えやすいのが、肩書きです。
肩書きで大文字を使用するときは、名前の前に置く場合に限定されます。
名前の後に小文字で表記すると、肩書きではなくなり、一般的な役割や仕事として捉えられてしまうので注意が必要です。
The words from Prime Minister Rishi Sunak’s speech resonated with me.
訳)リシ・スナク首相の演説は心に響いたわ。
Mr. Sadiq Khan is the mayor of London.
訳)サディク・カーン氏はロンドンの市長だよ。
方角
東西南北を表す方角は使われる状況に寄って表記が変わります。
国土の区画を表す場合は大文字表記、コンパスで示すような方角を表す場合は小文字表記です。
I heard Tom moved to the Southeast last year.
訳)トムは去年、南東部に移住したって聞いたよ。
Emma’s house is 3 km north of the library.
訳)エマの家は、図書館から北へ3kmのところにあるよ。
季節
表記ルールのところでも説明しましたが、季節は小文字で表すのが一般的です。
「春学期」「夏祭り」のように、決まった名詞に含まれる場合のみ大文字になります。
We went to Australia last winter.
訳)去年の冬、オーストラリアに行ったよ。
I hope to go to the Boston Summer Festival next year.
訳)来年はボストン・サマー・フェスティバルに行きたいな。
まとめ
英語の大文字と小文字を正しく使い分けるための表記ルールと使い方を解説しました。
文の最初、固有名詞、月や曜日など、英語では必ず大文字で表記するものがいくつもあります。
表記ルールを覚えておくと、大文字か小文字かわからなくて困った、間違えて恥ずかしい思いをした、という事態も避けられます。
大文字表記でひとつだけ注意しておいて欲しいのが、”with”や”on”といった前置詞や”a”や”the”といった冠詞とセットで使われる場合です。
固有名詞の一部に含まれているときは、小文字表記になるので気をつけましょう。