今回のテーマは「黒」です。黒を英語でかっこよく表現する言い方や、「黒歴史」など黒に関する日本語表現の英訳の仕方について、詳しく解説していきます。

この記事を読めば、日本語の「黒」と英語の “black” の両方について詳しくなれますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「黒」を表すかっこいい英語表現

「黒」を表すかっこいい英語表現

ご存知の通り、「黒」は英語で “black” と言います。しかし、そのような基本的な言い方以外にも、色々な黒を表す英語表現が存在します。

ここでは、その中でも特に響きがかっこいい、4種類の表現をご紹介します。

かっこいい黒①:jet black

“jet black(ジェットブラック)” は、非常に濃い黒色を表す表現です。

ここで使われている jet はもともと「黒曜石」のことです。そこから、jet black は鉱石のように光沢や艶があり、高級感のある黒を表すようになりました。

かっこいい黒②:pitch black

“pitch black(ピッチブラック)” は、完全な真っ黒を表す表現です。日本語だと「漆黒」のイメージが近いでしょう。

pitch black で使われる pitch は、コールタールを精製する際に残った「黒色のカス」を表します。そこから、コールタールのように粘度の高い黒さを表すようになりました。物質の色というよりは、主に空間の暗さの濃さを表現する際に使われます。

かっこいい黒③:coal black

“coal black(コールブラック)” は、炭のように真っ黒な様子を表す表現です。

ここで使われている coal は「石炭」のことで、石炭は自然の物質の中では非常に黒い存在だったことから、黒さの代名詞的な存在として扱われてきました。日本で「炭黒(スミクロ)」と言うとグレーがかった黒を表しますが、coal black は真っ黒なイメージです。

先ほどの pitch black が空間の暗さを表すことが多いのに対し、coal black は物質の黒さを表す際によく使われます。

かっこいい黒④:raven black

“raven black(レイヴンブラック)” は、光沢があり非常に濃い黒色を表す表現です。

raven はもともと「カラス」を表します。そこから、カラスの羽根のように深く光沢のある黒を表す際に raven black が使われるようになりました。

 

 

「黒歴史」や「黒物家電」など、黒に関する日本語表現を英語で言ってみよう!

「黒歴史」や「黒物家電」など、黒に関する日本語表現を英語で言ってみよう!

日本語の「黒」は、「黒歴史」などのネガティブな意味から、「黒字」などのポジティブな意味に至るまで、色々なイメージで使われる便利な色です。それらを英語で表現する際は、同じようにすべて black でよいのでしょうか。

ここでは、「黒」に関連する代表的な5種類の表現について、英語で何と言えばよいか詳しく確認していきましょう。

「黒歴史」in English

日本では、他人に知られたくない過去の出来事を「黒歴史」と言いますね。英語では同様のものを “embarrassing moment(エンバラシングモーメント)” と表現します。

embarrass は「恥ずかしい思いをさせる」という意味の動詞です。つまり、embarrassing moment は直訳すると「(思い出すのも)恥ずかしい瞬間」という意味になります。思い出しただけで恥ずかしさのあまり大声を出したくなる、そんな黒歴史のニュアンスにぴったりの表現ですね。

なお、黒歴史をそのまま直訳したような “dark history” という言い方もありますが、これは「陰鬱な歴史」という意味で、実際の歴史であった痛ましい出来事などを表す際に使われます。個人の経験にも使えますが、場合によっては大げさに思われることもあるので注意しましょう。

Aさん
When I was in elementary school, I used to have conversations with my right hand during recess.
訳)小学生のころ、休み時間は自分の右手とおしゃべりしてたよ。
Bさん
That’s quite an embarrassing moment.
訳)それはなかなかの黒歴史だね。

 

「黒字」in English

「黒字」は英語で “surplus(サープラス)”、あるいは “in the black” と表現します。

surplus はもともと「余剰」を意味する単語で、お金について話す際は利益を表します。また、利益は帳簿に黒字で書き入れたことから、「黒いインクで」というイメージで in the black も同様の意味を表します。これは日本語の「黒字」とまったく同じですね。

ちなみに、赤字の場合は「欠乏」を意味する “deficit(デフィシット)” のほか、”in the red” という表現も使われます。こちらも、損益額は帳簿に赤字で書き入れていたことが由来になっています。

in the black と in the red は、日本語の「黒字」「赤字」と完全に一致するので、ぜひセットで覚えておきましょう。

Aさん
We’re in the black this quarter for the first time in a while.
訳)今期は久々に黒字です。

「黒物家電」in English

そもそも黒物家電とは、テレビやゲーム機などの娯楽要素の強い家電製品を表す言葉です。これらの家電製品は市場に出始めのころ、スタイリッシュさや高級感を演出するために黒いものが多く市販されたため、このように呼ばれるようになりました。

そんな黒物家電を英語で表現するなら、“electronics(イレクトロニクス)” が適切でしょう。electronics はPCなどのオフィス機器をメインに表す言葉で、日本語の黒物家電がカバーするのとほぼ同じ意味を表します。

なお、黒物家電の対義語は「白物家電」で、こちらは炊飯器や洗濯機などの生活に役立つ家電を指します。白物家電を英語で表す場合は、電化製品を意味する “appliance(アプライアンス)” を使うとよいでしょう。

Aさん
I don’t have a refrigerator or a washing machine at my home. But I do have a television and a gaming console.
訳)私の家には冷蔵庫もなければ洗濯機もない。だけどテレビとゲーム機はある。
Bさん
You can’t get by with just electronics, you know.
訳)黒物家電だけじゃ生きていけないよ。

 

まとめ

今回は「黒」をテーマに、かっこいい黒の英語表現や、黒に関する日本語の英訳の仕方などについて、詳しく確認してきました。

黒は英語で black ですが、その色合いの雰囲気に応じて、色々なかっこいい表現の仕方があります。今回ご紹介した色名をぜひ覚えて、英語表現の幅を広げてみてください。

また、同じ黒(black)という色でも、日英でイメージが同じこともあれば、違うこともあります。直訳するだけでは伝わらないケースも多いので、それぞれのイメージをしっかり分けて考えましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!