英語を勉強しているとよく目にするセミコロンやコロン。目にしたことはあるけれど、その意味や使い方をしっかり理解している、という方は少ないのではないでしょうか。
「セミコロンが理解できていなかったから、誤解してしまった」なんてことを防ぐために、セミコロンの意味や使い方をマスターしましょう。

今回は、セミコロンの使い方を中心に、コロンの意味も解説します。
セミコロンやコロンが正しく使えれば、レポートなどのアカデミックなシーンやビジネスシーンだけでなく、日常的なメモやメールのやりとりにも役立つこと、間違いありません。
ぜひ参考にしてください。

セミコロンとは

セミコロンとは

セミコロンとは「;」のこと。英語では”semicolon”と書きます。
コロンとよく似ていますが、よく見ると、下の点がカンマのような形をしていますね。

セミコロンのイメージは「コンマより強く、ピリオドより弱い」。日本語の読点()よりも強い区切りを設け、文と文の関係性を明確にするために使用されます。

セミコロンの3つの役割

セミコロンには大きく3つの役割があります。
それぞれ確認しましょう。

関係のある2つの文をつなぐ

最初にご紹介するのが、2つの文をつなぐ役割です。
これは、どんな文でもつなぐことができるわけではなく、つながれる2つの文は同じことについて述べられていなければなりません。この場合のセミコロンは、”and”とほぼ同じ意味で使われます。

Aさん
She is a talented musician; she plays the piano, violin, and guitar with great skill.
彼女は才能あるミュージシャンで、ピアノ、バイオリン、ギターを見事に弾きこなす。
Aさん
I like sushi; he likes tempura.
わたしは寿司が好きで、彼は天ぷらが好きだ。

セミコロンの前後にある文はそれぞれに「主語+動詞」がしっかりしており、どちらも独立した文として成立します。
そのため、セミコロンをピリオドに置き換えても文法的には問題ありません。ただ、セミコロン使うことで、区切りをつけず読み進めることができるので、2つの文が関連しているということが、読み手に自然と伝わります。

すでにカンマを使った後に区切る

すでにカンマを使ったあと、さらに区切りたいときにも、セミコロンが活躍します。
セミコロンを使うことで、読みやすくなり、情報をしっかり伝えることが可能になります。

Aさん
He is going to open new shops in Sapporo, Hokkaido; Yokohama, Kanagawa; Kobe, Hyogo; Hakata, Fukuoka.
彼は、北海道の札幌、神奈川県の横浜、兵庫県の神戸、福岡県の博多に新しい店をオープンさせる予定だ。
Aさん
He is going to visit us on Monday, July 22; Tuesday, September 9; and Wednesday, October 16.
彼は7月22日の月曜日、9月9日の火曜日、10月16日の水曜日にわたしたちを訪れる予定だ。

接続詞の役割をする

接続副詞を使って2つの文をつなぐときにもセミコロンを使います。
接続副詞とは節と節を接続する役割をもつ副詞のこと。接続詞のような働きをします。

however(だけれども)、beside(その上)、otherwise(さもなければ)、therefore(それゆえ)などが主な接続副詞です。

接続副詞を文頭でない場所で使う場合は、接続副詞の直前にセミコロンを、接続副詞の直後にはカンマをつけます。カンマはつい忘れがちなので、注意してくださいね。

Aさん
I tried my best; however, I wasn’t selected for the national team.
最善を尽くしたが、ナショナルチームには選抜されなかった。
Aさん
I think; therefore, I am.
「我思う、故に我あり」(近代哲学の祖・デカルトの言葉)

コロンとは

コロンとは

セミコロンと似たものにコロン「:」があります。コロンの役割は簡単にいうと「イコール」。日本語にするなら「つまり」や「例を挙げれば」という意味です。

Aさん
He likes to listen to different types of music: rock, jazz, and classic.
彼はいろんなタイプの音楽を聴くのが好きです、音楽の例を挙げれば、ロックとかジャズとかクラシックとか。
Aさん
Please do not forget to bring the following documents with you: application form, resume, cover letter.
次の書類を忘れずにお持ちください、書類とは、つまり申込書、履歴書、カバーレターです。

コロンにはほかにも引用文を挿入するときや、本のタイトルとサブタイトルを明確にするためにも使われます。

セミコロンとコロンの違い

一見同じように見えるコロンとセミコロン。
その違いを確認しましょう。

まず、コロンは「イコール」、セミコロンは「2つの文をつなぐ」とそれぞれの役割が異なることはご説明しましたね。
その他の違いについて、例文を参考にしながら確認しましょう。

Aさん
I have friends from three countries: Korea, the UK, and America.
わたしには3カ国の友人がおり、それら国は韓国、イギリス、アメリカだ。
Aさん
I have friends from three countries; I’m going to visit their home countries.
わたしには3カ国の友人がいるので、彼らの母国をたずねるつもりだ。

セミコロン、コロンどちらとも、前半の文(I have friends from three countries)は「主語と動詞」のある完全な文でないといけませんが、後半の文は違います。

セミコロンは完全な文(I’m going to visit their home countries)でなければなりませんが、コロンの場合は、不完全な文(Korea, the UK, and America)でもOKです。

セミコロンとコロンを使うときの注意点

セミコロンやコロンを使うときの注意したいのは「記号のあとに半角スペースを打つ」こと。
これは、セミコロンやコロンだけでなく、ピリオドやカンマのときにも適応されるルールです。
ついつい記号の前にもスペースがある方が読みやすいのでは、と思いがちですが、原則として半角スペースは記号の後にのみ
英語をタイプするときは気をつけてくださいね。

まとめ

今回はセミコロンの使い方を中心に、コロンの意味やセミコロンとコロンの違いなどをご説明しました。
セミコロンには「2つの文をつなぐ役割」があり、コロンは前の文をより詳しく説明します。
セミコロンやコロン、今まではあまり気に留めず、読み進めていたという方も多いのでは?
実は、セミコロンとコロンの使い分けは、ネイティブスピーカーでも間違うことがあるくらいむずかしいのだそう。
これから、英文を読むときは、セミコロンとコロンの使い方にも少し意識をしてみてください。それぞれの使い方がきっと見えてくるはずです。

この機会にぜひマスターして使い分けられるようになりましょう。