先日、古着屋さんで購入したシャツを着ようとしたら、大きな穴が空いていてショックを受けました。しかし、そのまま捨てるのは忍びなかったので、お直し屋さんに持って行ったところ、おしゃれに穴をふさいでもらえ、今ではお気に入りの一着になっています。

さて、そんなわけで今回のテーマは「穴」です。穴には基本的な1語のほか、複数の言い換え表現がありますが、1つずつニュアンスが異なります。この記事では、それぞれの違いについて、詳しく解説していきます。

また、記事の後半では「穴だらけの案」や「虎穴に入らずんば虎子を得ず」などの表現を英語で何と言うかについても扱っています。これらの言い方が気になっていた人は、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「穴」は英語で何て言う?

「穴」は英語で何て言う?

「穴」は英語で “hole” と言います。発音記号は【hoʊl】、カタカナだと「ホール」です。

hole は、古英語で「穴」や「凹んだ場所」を表していた hol が由来になっています。現代英語で「中空」などを表す “hollow(ホロー)” も、語源的な繋がりがあるといわれています。

英語では、「地面に空いている穴」から「洋服に空いている穴」に至るまで、あらゆる穴を hole の一語で表すことが可能です。ニュアンスを変えたい場合は、後述する言い換え表現も便利ですが、その大半は hole で代用できるので、まずはこの1語を覚えることから始めましょう。

「○○に穴が空いている」は英語で何?

「○○に穴が空いている」は英語で “there is a hole in ○○” と言います。

たとえば「地面に穴が空いている」であれば “there is a hole in the ground” となります。また、「洋服に穴が空いている」の場合は “there is a hole in the clothes” で OKです。洋服の穴の場合は、「洋服が穴を持っている」と考えて “the clothes has a hole” と表現することもあります。

Aさん
Hey, there’s a hole in your clothes.
訳)ねえ、君の洋服に穴が空いてるよ。
Bさん
Well, you also have a hole in the back of your clothes.
訳)そういう君も、背中の部分に穴が空いてるよ。

 

Aさん
This is just the fashion, you know!
訳)これはそういうファッション!

なお、日本語の感覚だと、「地面の上に」「洋服の上に」と考えて、in ではなく on を使いたくなる人も多いでしょう。しかし、穴はあくまで地面や洋服の「中」を通って空いているものなので、in を使うのが自然です。”there is a hole on ○○” と言うと、地面の上の空間に異次元の穴が空いているかのような、だいぶ不自然なイメージを持たれるので注意しましょう。

Aさん
There’s a hole on the ground.
訳)地面の上に穴が空いてる。
Bさん
It must be a hole leading to another dimension.
訳)それはきっと異次元空間に通じる穴だね。

 

「穴を開ける」は英語で何?

「穴を開ける」は英語で “make a hole” と言います。穴のサイズや開ける場所を問わず使える表現です。

より開ける行為を正確に表したい場合は、”punch”、”drill”、”dig” を使ってもよいでしょう。

punch a hole は、紙や板などに工具を使って穴を開ける行為を表します。穴の空いたデザインを「パンチング(punching)」と言いますが、その由来はここにあります。

drill a hole は、文字通りドリルで穴を開ける行為を表します。工具という点では punch と似ていますが、「壁に穴を開ける」など、drill の方が大がかりな工事のイメージです。

dig a hole は、地面に穴を開ける行為を表します。dig はもともと「掘る」という意味なので、イメージが掴みやすいでしょう。

Aさん
Please punch a hole in this card.
訳)このカードに穴を開けてください。
Aさん
It’s hard to drill a hole in the wall.
訳)壁に穴を開けるのは大変です。
Aさん
Digging a hole in the ground is dangerous, so let’s not do it.
訳)地面に穴を開けるのは危険なのでやめましょう。

「穴を埋める」は英語で何?

「穴を埋める」は英語で “fill a hole”、または “plug a hole” と言います。

fill a hole は、穴に何かを詰め込むイメージで、より幅広く使われます。たとえば、地面に空いた穴に土をかけて埋める場合は fill が適切でしょう。

Aさん
The dog is filling the hole it dug with dirt.
訳)犬が掘った穴に土をかけて埋めています。

一方の plug a hole は、穴に栓をするイメージで、漏れなどを防止するために穴をふさぐ意味になります。たとえば、空気漏れを防ぐためにタイヤの穴をふさぐのであれば、plug を使うのが適切です。

Aさん
After I plugged the hole in the bicycle tire with tape, it became rideable again.
訳)自転車のタイヤに空いた穴をテープでふさいだら、何とか走れるようになりました。

hole 以外にもある? 穴の言い換え表現

hole 以外にもある? 穴の言い換え表現

以上見てきたように、たいていの穴は hole の一語で表現できますが、英語にはそれ以外にも穴を表す言葉があります。

より穴のニュアンスを正確に伝えたい人は、これらの表現もぜひ覚えておきましょう。

opening

“opening(オープニング)” は、主に壁などに意図的に開けられた穴を表します。

たとえば、明かり取りのために開けられた opening なら「窓」に、移動のために開けられた opening なら「通り穴」になります。

Aさん
The opening in that wall has become a good design accent.
訳)その壁にある穴は、良いデザインアクセントになっています。

pit

“pit(ピット)” は、主に地面に意図的に開けられた穴を表します。ただ空いている穴なら hole ですが、何か目的があって開けられた場合は pit というイメージです。

たとえば「落とし穴」は、誰かを落とすために意図的に開けているので、英語では pit、あるいは pitfall と言います。

Aさん
In Japanese TV, for some reason, pitfalls have been popular for a long time.
訳)日本のテレビでは、どういうわけか昔から落とし穴が人気です。

eye

針にあるような小さな穴の場合は “eye(アイ)” で表現する場合もあります。

ご存知の通り、eye はもともと「目」を表す単語ですが、小さな穴がまるで目に見えることから、このように言われ始めました。日本語でも「ハトメ(鳩目)」などと言うので、イメージしやすいのではないでしょうか。

Aさん
As I’ve gotten older, it has become harder to thread the needle’s eye.
訳)歳を取るにつれて、針の穴に糸を通すのが辛くなってきました。

burrow

“burrow(バロウ)” は、動物が住むために地面に掘った巣穴を表します。そこから発展し、避難用に作った地中空間や、落ち着く地下空間などを示すこともあります。

日常生活で使うケースは稀ですが、表現に幅を持たせたい方は、ぜひ覚えておきましょう。

Aさん
That animal usually lives in a burrow.
訳)その動物は、普段巣穴で生活しています。

den

“den(デン)” は、動物が巣として掘った地上の穴を表します。先ほどのburrow との違いは「地中」か「地上」かという点です。

den は、実際に掘られた穴だけでなく、比喩的に人が籠る空間を表す際にも使われます。たとえば、家の間取り図で “DEN” の表記があれば、それは家主が籠る場所である「書斎」を意味します。

Aさん
My house has a small den.
訳)私の家には小さな書斎があります。

穴の関連表現を英語で言ってみよう!

穴の関連表現を英語で言ってみよう!

最後に、「穴だらけの案」など、穴に関連する表現を英語で何と言うかについても、詳しく確認していきます。

どれも hole を使わないものばかりなので、どのように言うのか考えながら読んでみてください。

「穴だらけの案」in English

「穴だらけの案」を英語で表現する場合は “a flawed plan” とするのがよいでしょう。

ここで使われている flaw は「傷をつける」を表す動詞で、flawed と過去分詞にすることで「傷が付いている、欠陥がある」の意味になります。

穴だらけの案とはつまり、欠陥だらけの案ということ。直訳して “a plan full of holes” としても、意図することが通じない可能性があるので注意しましょう。

「売り上げに穴を開ける」in English

「売り上げに穴を開ける」を英語で表現するなら “cause a drop in sales” や “cut into sales”などとするのが適切です。

cause a drop in sales は直訳すると「売り上げ減少の原因になる」、cut into sales は「売上を減らす」という意味になります。

日本では損失のことを「穴」と表現しますが、英語の hole にはあまりそのニュアンスがありません。そのため、”make a hole in sales” と直訳しても意味が通じない可能性が高いです。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」in English

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という格言は、英語にすると “Nothing ventured, nothing gained” と言います。

この格言は、「ある程度の危険を冒さなければ、成功は収められない」という意味です。「虎穴」は中国発祥の言葉で「危険な場所」を表しますが、そのまま “tiger hole” などと言っても意味が通じないので注意しましょう。

まとめ

今回は「穴」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

穴は英語で “hole” と言います。ニュアンスに応じて他にも言い方がありますが、たいていの穴は hole の一語でカバーできるので、まずはこの単語を使いこなすことから始めましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!