皆さんは「機械」が好きですか?

私は物心つく前から機械類が好きだったようで、1歳前後の頃、親の見ていない隙をついてビデオデッキに手を突っ込み、感電したことがあります。

1歳なんて普通は記憶が残らない年齢ですが、ビデオデッキの中に手を入れた感触と、感電の痛みは、今でもありありと思い出せます。「好奇心は猫をも殺す」と言いますが、皆さんはくれぐれもお気を付けください。

さて、そんなわけで今回のテーマは「機械」です。英語で機械を表す表現は複数ありますが、それぞれにニュアンスが異なります。この記事では、それらの違いについて詳しく解説していきます。

それでは、早速始めていきましょう!

「機械」は英語で何て言う?

「機械」は英語で何て言う?

英語で機械を表す際は、”machine”、”machinery”、”mechanism”、”engine” の4種類が主に使われます。

それぞれにニュアンスが異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。

機械①:machine

英語で「機械」を表す際、最も一般的に使われるのが “machine” です。発音記号は【məˈʃiːn】、カタカナだと「マシン」あるいは「マシーン」と聞こえます。

machine は、私たちが普段家庭で見る家電などの機械から、工場あどで稼働する本格的な機械に至るまで、ほぼ全ての機械を表せる万能語です。そのため、機械を英語で表現したい場合、まず machine を覚えておけば間違いないでしょう。

Aさん
My mother is not good with machines.
訳)うちの母は機械が苦手です。

機械②:machinery

“machinery” は個々の機械ではなく、機械の集合体を表す際に使われます。発音記号は【məˈʃiːnəri】、カタカナだと「マシナリー」です。

たとえば目の前に機械が1つあったら a machine、2つなら two machines と数えて把握できます。しかし、見渡す限り無数の機械があった場合、空間全体が機械のように見えるでしょう。これが machinery のイメージです。

machinery は複数の機械が集まった姿を表すので、複数形にはしません。table や chair などの家具を総称して furniture と呼ぶ関係と似ています。

また、machinery は機械がたくさんある現場で使われることから、工業設備や産業機械を表す際、頻繁に使われます。

Aさん
The machinery in this factory is outdated overall.
訳)この工場の機械は、全体的に時代遅れです。

機械③:mechanism

機械のうち、その仕組みや機構に着目する場合は “mechanism” が使われます。発音記号は【ˈmɛkəˌnɪzəm】、カタカナだと「メカニズム」です。

mechanism は machine と同じ語源を持つ単語ですが、特に機械の内部を示す際に使われます。歯車などが動いている仕組みが、頭の中に想像されているイメージです。

以上ご紹介した machine、machinery、mechanism の関係をまとめると、以下のようになります。上から順にだんだん焦点が狭まっている感覚を掴んでください。

  • machinery:機械の集合体
  • machine:個々の機械
  • mechanism:個々の機械の仕組みや機構
Aさん
The inside of the human body is often compared to a mechanism.
訳)人間の身体の中は、よく機械にたとえられます。

機械④:engine

“engine” は、動力を生み出す機械を表す際に使われます。発音記号は【ˈɛndʒɪn】、カタカナだと「エンジン」です。

engine は日本語でもカタカナ英語として定着していますが、本来は自動車などの動力部を指す言葉です。そこから、特に動力源として使われる機械を指す際、machine などの代わりに engine が使われるケースが多くあります。

Aさん
This waterwheel is powered by an engine, so it doesn’t stop even when there’s no water flow.
訳)この水車は機械で動いているので、水の流れが無くても止まりません。

「機械」の関連表現を英語で言ってみよう!

「機械」の関連表現を英語で言ってみよう!

ここでは、「機械加工」や「機械仕掛け」など、機械の関連表現を英語で何と言うか、詳しく解説していきます。

前述の4種類の表現が使われるものもあれば、それ以外の言い方が適切なものもあるので、違いを意識しながら覚えていきましょう。

「機械加工」in English

機械を使って材料などを加工する「機械加工」は、英語だと “machining(マシニング)” と言います。

machine は名詞だと「機械」ですが、動詞だと「機械で作る、仕上げる」という意味になります。そのため、machining と動名詞にすることで「機械で仕上げること⇒機械加工」を表すようになりました。

Aさん
My brother is skilled at machining.
訳)私の兄は、機械加工が得意です。

「精密機械」in English

繊細な部品で構成されている「精密機械」は、英語で “precision machinery(プレシジョン マシナリー)” と言います。

ここで使われている precision は「正確さ、精密さ」を表す名詞です。普通なら形容詞が使われるところ、名詞と名詞を連続させることで「精密さそのもののような機械」というニュアンスを表しています。

なお、精密機械全般について語る際は machinery を使うのが一般的ですが、個々の機械を指す際は machine を使うケースもあります。

Aさん
Precision machinery can be costly to repair if it breaks.
訳)精密機械は、壊れると修理に多大な費用がかかります。

「機械設計」in English

新しく機械を設計する「機械設計」は、英語で “mechanical design”、または “mechanical engineering” と言います。ここで使われている mechanical は、前述の mechanism の形容詞形であり「機械の」という意味を表しています。

機械を設計する過程を表現する場合は mechanical design が、工学的な作業を指す際は mechanical engineering が好まれますが、それほど大きな違いはありません。また、機械設計を仕事とする「機械設計士」の場合は “mechanical designer”“mechanical engineer” と呼ばれます。

Aさん
I want to pursue a career in mechanical design in the future.
訳)将来は、機械設計をする職業に就きたいです。

「機械仕掛け」in English

「機械仕掛けの○○」と表現したい場合は、”mechanical ○○” と言います。

機械仕掛けを厳密に表現すると “mechanical contraption(メカニカル コントラプション)” となりますが、これは専門用語的で、あまり一般には使われません。

そのため、「機械仕掛けのおもちゃ」などと日常的に表現する場合は、単に mechanical を添えるだけで十分です。

Aさん
I enjoy collecting mechanical toys.
訳)機械仕掛けのおもちゃを集めるのが好きです。

「農業機械」in English

畑などで使う「農業機械」は、英語で “agricultural machinery(アグリカルチュラル マシナリー)” と言います。

農業機械と言う場合、具体的な機械がイメージされているわけではないので、machinery と集合体で表現するのが一般的です。反対に、個々の具体的な農業機械を表す際は、それらの名称を使います。

代表的な農業機械の名称は、以下の通りです。

  • 耕うん機:Plow
  • トラクター:Tractor
  • 田植機:Rice Transplanter
  • コンバイン:Combine Harvester
Aさん
Work without agricultural machinery is no longer imaginable.
訳)農業機械なしの作業はもう考えられません。

まとめ

今回は「機械」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

機械を表す最も一般的な英語は “machine” です。そのため、まずはこれを覚えておけば間違いありません。

また、集合体の機械なら “machinery”、内部の仕組みなら “mechanism”、動力としての機械なら “engine” と、類語も存在します。機械を表す際、表現に幅を持たせたい場合は、これらもぜひ覚えておきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!