今回のテーマは「転送」です。転送することを表す英単語には大きく4つの種類がありますが、それぞれに転送するものやニュアンスが異なります。
また、転送というと電話やメールの転送などと、ビジネスシーンで特によく使われます。この記事では、ビジネスシーン向けの例文も多く用意しているので、ビジネス英会話を学ぶ方にとっても、非常に有益な内容となっています。
それでは、早速始めていきましょう!
「転送する」は英語で何て言う?
「転送する」の意味で使える英語表現は ”transfer”、”forward”、”transmit”、”teleport” の4種類です。
しかし、一括りに「転送」といっても、電話の転送からメールの転送、はたまたSF的な人体の転送に至るまで、表現によってニュアンスが異なります。
それぞれの違いについて、以下で詳しく確認していきましょう。
物や情報を別の場所に転送する:transfer
「転送する」の意味で最も幅広く使われるのが “transfer” です。発音記号は【ˈtrænsfər】で、カタカナだと「トランスファー」と読みます。
transfer を分解すると「trans-(超えて)-fer(運ぶ)」となっていて、距離や障壁などを超えて、物や情報を運ぶことを意味しています。
そこから、たとえば電話を転送したり、データファイルを転送したりと、主にビジネスシーンで多く使用されます。
Hello. May I speak to Mr. Tanaka, please?
訳)こんにちは。田中さんはいらっしゃいますか?
One moment, please. I will transfer you to him.
訳)少々お待ちください。ただいま転送いたします。
メールや郵便物を他の人に転送する:forward
“forward” は、情報やメッセージを転送することを意味します。発音記号は【ˈfɔːrwərd】で、カタカナだと「フォワード」です。
forward を分解すると「for-(前に)-ward(向かって)」となります。「前方」を意味する副詞や形容詞としての使われ方が有名ですが、動詞として使うと「転送する」の意味になります。
forward が転送するのは、主に他の人宛てに書かれたメッセージです。そこから、郵便物を旧住所から新住所に転送したり、メールを関係者に転送したりといったシーンで使用されます。
When moving, you should request to forward mail from your old address to your new address.
訳)引越しをする際は、旧住所宛ての郵便物を新住所へ転送するよう届け出をするべきです。
This email is important, so I will forward it to all employees.
訳)このメールは重要なので、全社員宛てに転送させていただきます。
電波や信号を転送する:transmit
電波や信号を転送する際は “transmit” が使われます。発音記号は【trænzˈmɪt】で、カタカナだと「トランズミット」となります。「ス」ではなく「ズ」と濁る点に注意です。
transmit を分解すると「trans-(超えて)-mit(伝える)」となっています。構造的には前述の transfer と似ていますが、こちらは主に目に見えない電波や信号を転送する意味で使われます。
そのため、私たちが日常生活で transmit を使うシーンは非常に稀です。たとえば、電子メールを転送する際、理論的には電気信号を転送(transmit)する必要がありますが、実際は目に見えるメールの文面を転送(forward)していると考えます。
そのため、transmit は専門職の方くらいしか使わない、少々マニアックな表現だといえるでしょう。
An artificial satellite periodically transmits signals to the ground.
訳)人工衛星は、定期的に地上へ信号を転送しています。
SFの世界で人を転送する:teleport
SF映画や小説の世界で、人を他の場所に転送する際は “teleport” が使われます。発音記号は【ˈtɛlɪpɔːrt】で、カタカナだと「テレポート」です。
teleport を分解すると「tele-(遠くに)-port(運ぶ)」となっています。この tele- は television(テレビ)や telephone(電話)などと同じものです。
teleport は、日常生活で使うことはほぼ皆無で、フィクションの世界における瞬間移動を主に表します。これは推測ですが、おそらくもともと存在しない単語で、SF作家の方などが作った単語なのでしょう。
そのため、他の表現に比べると重要度は落ちますが、知っておくとどこかで役立つと思うので、余裕がある方はぜひ覚えておきましょう。
If we could teleport our bodies like in a sci-fi movie, commuting would be so much easier.
訳)SF映画のように自分の身体を転送できたら、通勤が楽になるのになあ。
ビジネスで使いやすいのは transfer と forward の2つ!
以上4種類の「転送する」をご紹介しましたが、これらのうち、ビジネスシーンで特によく使うのは “transfer” と “forward” の2種類です。そのため、ビジネス英語を学びたい方は、これら2つを優先的に覚えておくとよいでしょう。
なお、ビジネスの場合、転送電話の場合は transfer が、メールやファイルの転送の場合は forward がよく使われます。状況に応じて使い分けられるようにしておきましょう。
ビジネスでの transfer の「転送する」以外の意味とは?
ビジネス英語において、transfer には「転送する」以外に「転勤する」「(電車を)乗り換える」「(お金を)振り込む」などの意味もあります。
同じ transfer という単語でも、使用シーンによって意味が変わってくるので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
【転勤する】
Next month, I will transfer to the U.S. branch.
訳)来月、アメリカ支社に転勤することになりました。
【(電車を)乗り換える】
From my home to the office, I need to transfer three trains.
訳)私の家から会社までは、3本電車を乗り換える必要があります。
【(お金を)振り込む】
Although it’s payday, for some reason, my salary hasn’t been transferred.
訳)給料日なのに、なぜか給料が振り込まれていません。
「転送禁止」は英語で何て言う?
機密情報などが書かれたメールや、本人にだけ見せたい郵便物などに「転送禁止」と記載したい場合は、”Do not forward” や “Must not be forwarded” などと表現します。
書き方のバリエーションはいくつかありますが、not と forward という2点が入っていることが重要です。
Title: Regarding Next Month’s Meeting (Do Not Forward)
訳)タイトル:来月のミーティングについて(転送禁止)
まとめ
今回は「転送する」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
「転送する」を表す英単語は ”transfer”、”forward”、”transmit”、”teleport” の4種類です。このうち、ビジネスシーンで特によく使われるのは、電話の転送を表す transfer と、メールの転送を表す forward です。
今回ご紹介したことを参考に、色々な転送を英語で表現してみてください。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!