今回のテーマは「負担」です。

英語で負担を表す際は複数の言い方がありますが、物理的な負担や精神的負担、費用負担など、それぞれにニュアンスが異なります。この記事では、各表現のニュアンスの違いについて、詳しく解説します。

また、「負担する」や「負担がかかる」、「自己負担」など、負担に関する表現についても幅広くご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「負担」は英語で何て言う?

「負担」は英語で何て言う?

「負担」の意味で使われる英語は、主に “burden”、”load”、”responsibility”、”strain”、”liability” の5種類です。

それぞれに表す負担のニュアンスが異なるので、1つずつ詳しく確認していきましょう。

負担①:burden

物理的な負担から精神的な負担まで、負担の意味で最も幅広く使われるのが “burden” です。発音記号は【ˈbɜːrdn】、カタカナだと「バーデン」となります。

burden はもともと、荷物などを運ぶ際の重さを表していましたが、そこから転じて、比喩として精神的な負担も表すようになりました。

Aさん
The increase in taxes has added to the burden of the general public.
訳)増税により、一般庶民の負担が増えました。

負担②:load

主に物理的な負担を表す際に使われるのが “load” です。発音記号は【loʊd】、カタカナだと「ロード」になります。

load はもともと古英語で、馬車に積んでいる荷物を表していました。そこから時代が下るにつれて、人間が感じる荷物の重さ(負担)も表すようになりました。

Aさん
After putting too many books, the shelf couldn’t bear the load and ended up breaking.
訳)たくさん本を載せたら、負担に耐えられずに棚が壊れてしまいました。

負担③:responsibility

仕事や業務の責任から生じる負担を表すのが “responsibility” です。発音記号は【rɪˌspɒnsəˈbɪləti】で、カタカナだと「レスポンシビリティ」となります。

responsibility を分解すると「反応(respose)できること(bility)」となり、もともとは反応や返答ができる状態を表していました。そこから転じて、「反応できるならしなければならない」という責任を表すようになり、近年では主にビジネス上の義務や負担の意味で使われています。

Aさん
With a higher position comes an increase in salary, but at the same time, the level of responsibility also grows.
訳)役職が付くと給料が増えますが、それと同時に負担も増えます。

負担④:strain

圧力としての負担を意味する場合は “strain” が使われます。発音記号は【streɪn】で、カタカナだと「ストレイン」となります。

strain はもともと「きつく縛る、締め付ける」という意味を表していて、そこから転じて、身体や精神が締め付けられるような負担を表すようになりました。

Aさん
Sometimes, getting invited for drinks by seniors can feel like a strain.
訳)先輩から飲みに誘われることは、負担に感じられることもあります。

負担⑤:liability

フォーマルな文脈で、損害や負債に繋がる負担を表すのが “liability” です。発音記号は【ˌlaɪəˈbɪləti】、カタカナだと「ライアビリティ」となります。

liability はフランス語由来の言葉で、もともとは「法によって縛られている」という意味を表していました。そこから、主にフォーマルな法律用語として使われてますが、ビジネスシーンでも負担の意味でよく使われます。

Aさん
Venturing into the IT business has become a liability for the entire company.
訳)IT事業へ手を広げたことが、会社全体の負担になっています。

「負担する」は英語で何て言う?

「負担する」は英語で何て言う?

「負担する」を英語で表す際は、主に “bear”、“cover”、“take on”、“incur” などが使われます。

こちらも負担のときと同様、それぞれにニュアンスが異なるので、以下で詳細を確認していきましょう。

負担する①:bear

「負担する」の意味で最も幅広く使えるのが “bear” です。発音記号は【bɛər】で、カタカナだと「ベアー」となります。

bear は、「負担」の意味でご紹介した burden と語源が同じで、もともと物理的な荷物を運ぶことを意味していました。そこから転じて、現代英語では物理的なものから精神的なものまで、幅広いものを負担する意味で使われます。

負担する②:cover

金銭的な費用を負担する意味で使われるのが “cover” です。発音記号は【ˈkʌvər】で、カタカナだと「カヴァー」と読みます。

cover はもともと「覆う、隠す」という意味ですが、そこから転じて「負債などを覆い隠す⇒負担する」という意味で使われるようになりました。

単に費用を支払う意味でも使えますが、基本的には補償や補填など、せざるを得ない支出のニュアンスで使われることが多いです。

負担する③:take on

役割や仕事の負担を引き受けることを表現する際によく使われるのが “take on(テイク オン)” です。

take は「取る」という意味の基本単語ですが、take on の形になると、「自分に引きつけて取る」というイメージになり、役割や仕事を引き受ける意味になります。そこから転じて、その役割・仕事に付随する負担も引き継ぐ意味で使われるようになりました。

負担する④:incur

損害や損失など、ネガティブな費用を負担することを意味するのが “incur” です。発音記号は【ɪnˈkɜr】、カタカナだと「インカー」と聞こえます。

incur の in は「中へ」、cur は「来る(≒come)」を意味し、何か悪いことがもたらされることを表します。そこから転じて、損害や損失を補填する意味で使われるようになりました。

金銭的な費用を負担する意味では cover と似ていますが、cover が幅広い費用負担を表せる一方で、incur はネガティブな費用負担に限定して使われる点に違いがあります。

「負担がかかる」「自己負担」など、負担の関連表現を英語で言ってみよう!

最後に、「負担がかかる」や「自己負担」など、負担に関連する表現を英語で何と言うか、詳しく確認していきましょう。

「負担がかかる」in English

「負担がかかる」を英語で表す際は、“impose a burden” や “put a strain” などが適切です。

impose a burden は「負担を課す」というニュアンスで、何かを強いる際によく使われます。また、put a strain は「重荷を与える」というニュアンスで、プレッシャーなどを与えるイメージで使われます。

どちらの場合も、「○○に負担がかかる」と相手を示す場合は、後ろに “on ○○” を添えればOKです。

「負担になる」in English

「負担になる」を英語で表す際は “be a burden” と言えばよいでしょう。「主語=負担」になるイメージです。

また、「○○にとって負担になる」という意味の場合は後ろに “on ○○” や “to ○○” を添えます。

「負担が大きい」in English

「負担が大きい」は、英語で “the burden is heavy” などと表現します。

日本語では負担を「大きい」と考える一方、英語では「重い」と捉えます。そのため、日本語に引きずられて large や big で表現しないように注意しましょう。

「自己負担」in English

「自己負担」は英語で “one’s own expense” と表現します。expense は「費用」を表すので、own expense を直訳すると「自身で支払うべき費用」という意味になります。

one’s の部分は my や your など、状況に応じて適切なものに変えて使用しましょう。

まとめ

今回は「負担」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

負担を表す英語表現は “burden”、”load”、”responsibility”、”strain”、”liability” の5種類です。どれを使えばよいか迷ったら、最も一般的な burden を選んでおくと間違いないでしょう。

今回ご紹介したことを参考に、色々な負担を英語で表現してみてください。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!