「ラグーン」という言葉を聞いたことはありますか?
ディズニーシーにある人気アトラクション「マーメイドラグーン」や美しい青いサンゴ礁の「ブルーラグーン」など、「ラグーン」が海に関連した言葉であることは、なんとなくおわかりいただけるかと思います。
「ラグーン」は、英語の”lagoon”をカタカナで読んだ言葉ですが、どのような意味かよく知らないという人も多いでしょう。
今回は、知っているようで知らないカタカナ言葉「ラグーン」について、英語”lagoon”の意味と語源、正しい使い方、類義語などを解説していきます。
「ラグーン」の意味
「ラグーン」は、海や湖の一部が砂州(さす)や沿岸州、サンゴ礁などによって隔てられた、比較的浅い水域を指します。
「ラグーン」の水域は、塩分濃度の違う海水と淡水が混ざり合う変化がみられるのが特徴です。
浅い湖沼(こしょう)となっている「ラグーン」は、他に「潟(かた)」や「潟湖(かたこ/せきこ)」とも呼ばれます。
「ラグーン」のような形状をした場所は日本にも世界にもたくさんあり、特に太平洋に浮かぶ島々には、サンゴ礁によって形成された美しい「ラグーン」が数多く存在します。
日本の「ラグーン」
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世界の「ラグーン」
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「ラグーン」が使われている言葉
浅い水域を意味する「ラグーン」は、いろいろな用語、言葉に使われています。
「ブルーラグーン」
「ブルーラグーン」は、「青い湖」や「青いサンゴ礁」などと訳される言葉です。
アイスランドにある観光名所で、地熱発電所の熱水を利用した世界最大級の温泉施設の名称として知られています。また、1991年公開のアメリカ映画のタイトルにもなっています。
映画「ブルーラグーン」は、若かりし頃のミラ・ジョヴォヴィッチがヒロインを演じ、少年少女の初々しいラブロマンスが見所です。
「ブラックラグーン」
「ブラックラグーン」は、広江礼威による日本の漫画を原作としたアニメ作品です。
東南アジアを舞台に、一人の商社マンが「ラグーン商会」を名乗る海賊に襲われることから物語が始まります。
ブラックラグーンは直訳で「黒い沼」、裏社会や闇が描かれている作品としてふさわしいタイトルではないでしょうか。
「マーメイドラグーン」
「マーメイドラグーン」は、東京ディズニーシーに行ったことのある人なら誰もが知っている人気アトラクションのひとつです。
ディズニーの名作「リトルマーメイド」をモチーフに、アリエルや海の仲間たちが棲む海底王国の世界観を堪能できます。
”lagoon”の意味
「ラグーン」のもとになっている英語”lagoon”は、海や大きな湖に囲まれた狭くて浅い水域を指しています。
透明度の高い青い海水や美しいサンゴ礁が見られる場所が多いのが特徴です。
”lagoon”は、観光地やリゾート地としても人気で、漁業やマリンスポーツのスポットとしても利用されています。
”lagoon”は、辞書では以下のように定義されています。
- 潟(かた) 湾口などが砂州でふさがれてできた浅い水面
- 川・湖水などに通じる沼や池 ※米国英語
- 礁湖 (環礁)に囲まれた海面
参考:
Weblio英和辞書
- an area of sea water separated from the sea by a sandbar (= raised area of sand) or reef (= a line of rocks and sand)
砂州(盛り上がった砂の領域)または岩礁(岩と砂の列)によって海から隔てられた海水域- American English
a small lake which is not very deep, near a larger lake or river
大きな湖や川の近くにある、あまり深くない小さな湖参考:
Cambridge Dictionary
Longman Dictionary of Contemporary English
”lagoon”は可算名詞で、複数形は、”lagoons”となります。
発音記号は /ləˈguːn/ で、カタカナにすると、わたしたち日本人が普段耳にしている「ラグーン」とほとんど同じ読み方です。
”lagoon”の語源
”lagoon”は、ラテン語の”lacuna”(池や欠落、くぼみ、地面に開いた穴)が語源といわれています。
”lacuna”から派生したイタリア語の”laguna”とフランス語の”lagune”を経て、現在の”lagoon”に変化してきました。
もともとはイタリアのヴェネツィア地域に言及した表現でしたが、1769年に環礁に囲まれた湖のような海水域(大西洋沖のサウスシー諸島)に対しても使われるようになりました。
身近なカタカナ語も、語源をさかのぼってみると意味やスペルの成り立ちを深く理解できますね。
”lagoon”の類語
砂浜やサンゴ礁によって海から隔てられた浅い水域を表す”lagoon”は、「海岸」や「河口」「湾」といった訳でいろいろな英語に言い換えられます。
”lagoon”と似たような意味を持つ類義語を3つ紹介します。
bay
”bay”は、海や湖、川の河口付近にある広い湾を意味する名詞です。
内陸部なので、波も静かで比較的安全な領域とされています。
訳)ここの湾は、ボートでいっぱいになっています。
訳)その湾は、泳ぎに人気のスポットです。
cove
”cove”は、海岸にある丸い形をした小さな湾を指した英語です。
周囲を高い岩や丘に囲まれており、風や波からも離れているのでとても静かな水域として知られています。
美しい景色や豊かな自然を求めた多くの人々を魅了する、人気の観光スポットにもなっています。
訳)そのビーチには、小さな隠れた入り江があります。
訳)少年たちは、小さなボートを借りて、海岸沿いの入り江を探検しました。
inlet
”inlet”は、海につながる小さな水路や河口付近の浅い水域を指した英語です。
地形の特性から、船舶や漁船が安全に入り込める港や沿岸地域の一部として使われることもあります。
訳)船は狭い港を航行しました。
訳)彼の家は美しい湾に近い場所にあります。
”lagoon”の使用例
最後に、”lagoon”を使った例文を紹介します。
観光スポットやリゾート地の話題になったときは、ぜひ”lagoon”を正しく用いて会話を盛り上げていきましょう。
訳)世界一美しいラグーンに行ったことはありますか?
訳)その島は美しいトロピカルラグーンに囲まれています。
訳)あんな風にラグーンのそばでカクテルを飲むのが夢でした。
訳)このラグーンは、その真っ青な海が観光客に大人気です。
訳)彼女は休暇中、サンゴ礁を見るために美しいラグーンを訪れました。
訳)ラグーンはサンゴ礁で形成され、さまざまな海洋生物の生息地となっています。
まとめ
カタカナ言葉「ラグーン」について、英語”lagoon”の意味と語源、類義語、例文を参考にした正しい使い方を紹介しました。
「ラグーン」は、英語”lagoon”をカタカナで読んだ言葉です。
海や大きな湖に囲まれた狭くて浅い水域を指しており、日本語では「沼」や「湾」、「潟(かた)」、「潟湖(かたこ/せきこ)」とさまざまな呼び方があります。
”lagoon”の類義語には、”bay”や”cove”、”inlet”などがあり、どれも海や湖に直接つながっている水域を指した表現なので合わせて覚えておくのがおすすめです。
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