「スクランブルエッグ」や「スクランブル交差点」と日本語でも時折、耳にする「スクランブル」。「聞いたことはあるけど、具体的にはどんな意味か分からない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、スクランブルの英語表現や、「スクランブルエッグ」や「スクランブル交差点」などの日本語を英語ではどのように言うかをご紹介します。
スクランブルって英語では何て言う?
まず、英語で「スクランブル」を何て言うか確認しましょう。もはや日本語として日常的に使われている「スクランブル」ですが、これは英語の“scramble”からきたもの。
この“scramble”には、動詞と名詞があります。それぞれの意味を確認しましょう。
動詞の“scramble”
動詞“scramble”の意味は次のとおりです。
- よじ登る、這うように進む
- 急いで〜する
- 奪い合う
- (戦闘機などが)緊急発進する
- 〜をごちゃ混ぜにする、かき集める
- (卵などを)かき混ぜながら焼く
- (電波などを)暗号化する
一つの動詞にこれだけたくさんの意味があることにびっくりですね。
それぞれ、例文と一緒に確認しましょう。
【よじ登る、這うように進む】
トムは岩をよじ登ろうとした。
【急いで〜する】
学生たちは制限時間内にテストを終えようと必死に頑張りました。
【奪う合う】
企業は新しい契約の獲得を奪い合いました。
【緊急発進する】
パイロットたちは敵機を迎撃するために戦闘機を緊急発進させました。
【〜をごちゃ混ぜにする、かき集める】
子どもたちはパズルのピースをごちゃ混ぜにしました。
【かき混ぜながら焼く】
彼女はフライパンで卵をかき混ぜながら焼きました。
【暗号化する】
ハッカーたちはデータを暗号化して読み取れないようにしました。
名詞の“scramble”
名詞の“scramble”には次のような意味があります。
- よじ登ること
- 奪い合い
- 緊急発進
実は、”scramble”のイメージは「混乱してバタバタ動く」。「奪い合い」や「緊急発進」などは「急いでパニックになりながら慌てて動く」ようなニュアンスがあり、”scramble”の持つイメージに非常に近いと言えるのではないでしょうか。
【よじ登ること】
泥棒が壁を乗り越えようとする様子が防犯カメラに映っていた。
【奪い合い】
コンサートの席をめぐって争奪戦がありました。
【緊急発進】
軍は緊急発進の可能性に備えて警戒を強めています。
スクランブル交差点は英語で何て言う?
スクランブル交差点は英語では ”scramble intersection”や”scramble crossing“といいます。
この場合の”scramble”は「ごちゃ混ぜにする」で、歩行者がさまざまな方向へ進む様子を表したものです。ちなみに “intersection”も” crossing”も「交差点」という意味です。
渋谷のスクランブル交差点は旅行者からの人気が高い観光地だ。
スクランブル交差点の表現は一般的には”scramble intersection”や”scramble crossing“ですが、
「通行人」という意味の”pedestrian”を使い、”pedestrian scramble”ということもあります。
アメリカでは”diagonal crossing”、カナダでは”scramble intersection”など、国によっても違いがあるようです。”diagonal”は「対角線」という意味です。
スクランブルエッグは英語で何て言う?
朝食の定番「スクランブルエッグ」。この場合の”scramble”は「(卵などを)かき混ぜながら焼く」という意味ですね。
ただ、英語では”scrambled egg”といいます。” scrambled”になることに気をつけてください。
子どもたちはわたしが作ったスクランブルエッグを夢中で食べました。
“devour”は「むさぼり食う、ガツガツ食べる」という意味の動詞です。
スクランブル発進は英語で何て言う?
スクランブル発進とは、他の国の軍用機が「防空識別圏」に侵入してきたときに、防衛のため、戦闘機を緊急に発進させること。軍に関するニュースなどで耳にしたことがある単語ですね。
スクランブル発進は英語では”scramble”や”scrambling”と表現されます。”scramble”自身に「(戦闘機などが)緊急発進する」という意味があるので、「スクランブル発進」は「発進」の意味が重複することになるのですが、便宜上、「スクランブル発進」と表現するそうです。
戦闘機は、未確認の航空機を迎撃するためにスクランブル発進しました。
スクランブル放送は英語で何て言う?
スクランブル放送とは、放送電波を暗号化し、読解する装置がないと、番組が見られないようにする仕組みのこと。有料番組などが導入していいます。
スクランブル放送は英語では、”scrambled broadcast”といいます。
政府は国内のすべてのスクランブル放送を検閲しています。
“censor”は「(新聞・出版物・映画などを)検閲する」という意味の動詞です。
まとめ
今回は”scramble”について紹介しました。「スクランブル交差点」や「スクランブルエッグ」などと日本語でもおなじみのフレーズですが、もともとのイメージは「混乱してバタバタ動く」というものです。「スクランブル交差点」は慌ただしく人が動いており、「スクランブルエッグ」はフライパンの上でグルグルと卵を回して焼いたもの。
それを知ると、一見全く関係のない「交差点」と「卵料理」につながりが見えてきますね。
「緊急発信」や「スクランブル放送」など、軍事用語やテレビ放送に関するときにも使われる”scramble”。知らないととなかなか思いつかない意味もあるので、しっかりチェックしておきましょう!