「緊張で胸がドキドキ」「走って心臓がドキドキ」など、鼓動が激しく動悸するときに、「ドキドキ」を使って表現することは多いでしょう。
「ドキドキ」のように音をまねて表す言葉を擬音語といいますが、日本語はこの擬音語がとてもよく使われる言語です。
わたしたちが日常的に使っている「ドキドキ」は、英語ではどのように表現するのでしょうか?

今回は、いろいろな意味を持つ擬音語「ドキドキ」について、正しい英語表現を例文と一緒に紹介していきます。

「ドキドキ」を表す英語

ドキドキ

「ドキドキ」は、興奮や驚き、喜び、不安、恐怖などにより、動悸が速くなるさまを意味する擬音語です。
「ドキドキ」を意味する英語はとてもたくさんありますが、ニュアンスはそれぞれ微妙に違います。
よく使われる代表的な7つの表現を例文とともに確認してみましょう。

pound

“pound”は、「ドンドンと強く打つ」という意味を持つ動詞です。

pound
to hit or beat repeatedly with a lot of force, or to crush something by hitting it repeatedly
繰り返して大きな力でたたいたり、繰り返して何かを押しつぶしたりすること

参考:Cambridge Dictionary

“heart”(心臓)と組み合わせることで、鼓動が高鳴る「ドキドキ」を表現します。
嬉しいことや驚いたこと、怖いことなど、胸の鼓動がドンドンと強く速く打っている状態を指しています。

Aさん
Her heart was pounding before the concert. I hope she doesn’t mess up.
訳)コンサート前、彼女の心臓はドキドキしていました。失敗しないことを祈ります。
Aさん
My heart was pounding throughout while he was staring at me.
訳)彼がわたしを見つめている間、ずっとドキドキしていました。

beat

“beat”は、「続けざまに打つ」や「連続してたたく」などを意味する動詞です。

beat
to hit repeatedly
繰り返し打つ

参考:Cambridge Dictionary

“heart”(心臓)を主語にして、「心臓が連続して打つ」=「ドキドキする」を表現します。
“quickly”や”fast”などを付け足すと、より「ドキドキ」を強調できます。

Aさん
The entrance exam just ended yesterday, so my heart is beating fast.
訳)入試は昨日終わったばかりで、まだドキドキしています。
Aさん
When I think of tomorrow’s date, my heart beats fast.
訳)明日のデートのことを考えると、心臓がドキドキします。

race

“race”には、「競争する」以外に、「空回りする」「空転する」などの意味があり、心臓の鼓動が一気に加速して「ドキドキ」と高鳴る様子を表します。

race
to move or go fast
速く動く

参考:Cambridge Dictionary

「競争する」という意味で知られる”race”ですが、”heart”(心臓)と一緒に使うことで「ドキドキ」を表現できます。

Aさん
My heart is racing as we wait for the final results!
訳)決勝の結果が出るまでドキドキです!
Aさん
My heart is racing now because I’m going to introduce my boyfriend to my parents today.
訳)今日、親に彼氏を紹介するので、ドキドキしています。

thump

“thump”は、「ゴツンと打つ」「ドンとぶつかる」という意味を持つ動詞です。

thump
to hit something and cause a noise
何かにぶつかって音が出る

参考:Cambridge Dictionary

心臓や脈拍が「ドキドキ」と音を立てて、激しく高鳴るさまを表現できます。

Aさん
My heart was thumping when I was talking to that cute boy yesterday.
訳)昨日、あのかっこいい子と話していたとき、心臓がドキドキしていました。
Aさん
Her heart is thumping because she’s going to her favorite band’s concert next week.
訳)彼女は来週、大好きなバンドのライブに行くのでドキドキしています。

throb

“throb”は、「鼓動する」「激しく動悸がする」という意味を表す動詞です。

throb
to produce a strong, regular beat
強く、規則的に鼓動する

参考:Cambridge Dictionary

心臓が「ドキドキ」と脈打っている様子を表現するほか、脈拍とともに傷口が「ズキズキと痛む」のように使われる場合もあります。
なお、“heartthrob”は、「憧れの人」や「胸をときめかせる人」という意味もあるので覚えておくと便利ですよ。

Aさん
The scene in the movie was so throbbing that it left the audience breathless.
訳)映画の中のそのシーンは、観客が息をのむほどドキドキするものでした。
Aさん
Jacob is so cute. He is my heartthrob.
訳)ジェイコブはすごくかっこいい。彼はわたしの憧れの人なんです。

have butterflies in one’s stomach

“have butterflies in one’s stomach”は、「緊張してドキドキする」という意味の慣用表現です。

have butterflies in one’s stomach
to feel very nervous, usually about something you are going to do
何かをすることに対して、非常に緊張する

参考:Cambridge Dictionary

直訳は「おなかの中に蝶々がいる」ですが、おなかの中で蝶々が飛び回っているような、落ち着きがなくそわそわしている様子を表します。
初めての経験や失敗できない重要な場面にぴったりの表現で、とても緊張して不安や恐怖までも感じてしまうようなときによく使われます。

Aさん
I already have butterflies in my stomach even before the start of the interview!
訳)面接が始まる前から、もうドキドキしています!
Aさん
When I saw him for the first time, I had butterflies in my stomach.
訳)彼を初めて見たとき、胸がドキドキしました。

nervous

“nervous”は、「神経質な」という意味を持ち、緊張や不安で心拍が速くなっている様子を表す英語です。

nervous
worried and anxious
心配して不安になる

参考:Cambridge Dictionary

大事なプレゼンテーションや試験、発表などにおいて、「ドキドキしてあがる」ような緊張感が高まるときによく使われます。

Aさん
I always feel nervous before a presentation.
訳)プレゼンテーションの前は、いつもドキドキしてしまいます。
Aさん
I was really nervous beforehand, but the piano recital went well.
訳)最初はすごくドキドキしましたが、ピアノの発表会はうまくいきました。

まとめ

まとめ

鼓動の高鳴りを表す擬音語の「ドキドキ」について、正しい英語表現を例文と一緒に紹介しました。

​​心臓の鼓動を表現する日本語はたくさんあります。
日本語では嬉しいときも緊張したときも、不安なときもすべて「ドキドキ」ですが、英語では、細かいニュアンスの違いによって使われる単語が異なります。

今回紹介した7表現を使い分け、「ドキドキ」の気持ちを的確に言い表せるようになっておきましょう。

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