「壁紙」と聞くと、あなたは何を思い浮かべますか?部屋のインテリアとしての壁紙よりも、パソコンやスマホ画面の「壁紙」のほうが先に出てくる人も多いかもしれませんね。今回は、「壁紙」に関する言葉を解説します。
「背景」は英語で”background”

「壁紙」の前に、「背景」の意味の英語を確認しておきましょう。「写真の背景」「静物画の背景」などと言うときの「背景」は、英語で”background“と言います。
Can I use this photo for my passport application?
この写真、パスポートの申請に使えるかな?
Um, I don’t think so.
This photo is so nice, but the background of the passport photo must be a plain white wall.
うーん、だめじゃないかな。
この写真すごくいいけど、パスポート写真の背景は無地の白い壁じゃないと。
“background“は、「物事の背後にある事情」の意味でも使われます。
To find out what caused the perpetrator to cause the accident, it is important to know the background of it.
犯人が事件を引き起こした要因を探るには、事件の背景を知ることが大事だ。
“perpetrator“は「犯人」です。
ビジネスで使う「~を背景に」は”against the background of…”
ビジネスシーンで、物事の状況やそこに至った理由などを説明するとき、「~を背景に」「~を背景として」の表現を使いますね。英語でも、「背景」”background“を使った、“against the background of…“のフレーズで表現できます。
Against the background of the recent depreciation of the yen, our company has been increasing export volume.
昨今の円安を背景に、わが社は輸出量を伸ばしてきました。
“against the background of…“の後に“ the recent depreciation of the yen”「昨今の円安」をつなげて、輸出量が伸びた要因を説明しています。
Against the background of the worldwide popularity of K-POP, more and more people are starting to learn the Korean language.
世界的なK-POP人気を背景に、韓国語を習い始める人が増えている。
PCやスマホの「待ち受け画面」は”wallpaper”
「壁紙」と言えば、PCやスマホの待ち受け画面を想像する人も多いでしょう。英語でも「待ち受け画面」は”wallpaper“と言います。日本語と全く同じですね。”wall“と”paper“の間にスペースは入れず、”wallpaper“と一語で書いてくださいね。
英英辞書でも、”wallpaper“は以下のように説明されています。
wallpaper
a design or image that you can choose to have as a background (= behind the main information) on a screen of your computer or mobile phone
パソコンや携帯電話の画面の背景(=主情報の後ろに)として選択できるデザインや画像
Look at this. I changed my wallpaper to a picture of my dog.
She really heals me.
見て。待ち受けをうちの犬の写真に変えたんだ。ほんと癒されるよ。
「待ち受け画面」は”standby screen“と言ってもOKです。”standby“は、「待機中の」の意味の形容詞です。
I want to set this picture as a standby screen.
Can you show me how?
この写真を待ち受け画面に設定したいんだけど、やり方を教えてくれる?
Sure. Let me see it.
もちろん。ちょっと見「壁紙」せて。
「壁紙」と「クロス」 はどちらも”wallpaper”

次に、パソコンや携帯電話の画面ではなく、部屋の内装の「壁紙」について見ていきます。英英辞典で”wallpaper“の意味を確認してみましょう。
wallpaper
a thick, often decorative, paper used for covering the walls and sometimes ceilings of a room
厚手の装飾用の紙で、部屋の壁や天井に使われることもある。
日本語では「壁紙を貼る」ことを「クロスを貼る」と表現することがありますね。「壁紙」は壁を覆う素材全般を指しており、一方の「クロス」は、一般的に布やビニールなどの素材で作られた、壁を覆う装飾用の素材のことで、壁紙の一部を指している考えられます。
英語の”cloth“は「布」の意味で、“talle cloth“「テーブルクロス」のように使いますが、壁に貼る素材の意味はありません。日本語の「クロス」は、一種の和製英語と考えましょう。英語では、「壁紙」も「クロス」も、違いを意識せず、”wallpaper“でOKです。
After we had the wallpaper in the dining room replaced, the atmosphere of the room changed dramatically and it felt as if we had moved.
ダイニングルームのクロスを張り替えたら、部屋の雰囲気がガラッと変わって、引っ越ししたような気分です。
“have the wallpaper replaced“の部分は、「(業者など人に頼んで)壁紙を貼り替えてもらう」の意味です。”I had my hair cut yesterday.“「昨日髪を切りました(美容院で人に髪を切ってもらいました)。」と同じ構造ですね。
「部屋に壁紙を貼る」は”put up wallpaper”
「壁紙を貼る」は”put up wallpaper“です。
I am planning to put up some wallpaper with animal patterns in my kids’ room.
子供部屋に動物柄の壁紙を貼ろうと思ってるの。
That sounds great. They would love that.
いいねえ。子どもたちもよろこぶね。
“animal patterns“は「動物柄の」の意味です。”pattern“には繰り返される形や柄の意味があります。「花柄の壁紙」なら”flower-patterned wallpaper“、「ストライプの壁紙」なら”striped wallpaper“です。
「壁紙を貼る」は”hang wallpaper“とも言います。動詞”hang“は「吊るす」「ぶら下げる」の意味ですが、壁紙を貼る行為にも使うのですね。
We need some wallpaper paste to hang wallpaper.
壁紙を貼るのに、壁紙用ののりが必要だね。
And a big brush.
それと、大きい刷毛もね。
まとめ
今回は「壁紙」について解説しました。パソコンや携帯電話の待ち受け画面を「壁紙」と呼ぶことがありますが、英語でも、「待ち受け画面」は”wallpaper“と言います。面白いですね。教科書には出てこないけど日常会話ではよく使う言葉ってたくさんありますよね。これからも一緒に学んでいきましょう。
