「何級を受けさせたらいいかわからない」
「子どものレベルがどのくらいかわからない」
子どもの英検受験で、このようなお悩みを抱えている保護者の方は多いでしょう。

保護者の方もお子様も初めての受験であれば、知らないことだらけで不安になってしまうのは仕方ありません。
過去に英検を受験したことがあっても、制度や仕組みが大きく変わっていて、ついていけていないという方も中にはいるかもしれません。

今回は、そんな悩める保護者の方に向けて、英検の級やレベル、合格までの指標を示すバンド、TOEICとのスコア換算について解説していきます。

英検の各級のレベル

英検には、5級〜1級までの8つの級があります。
級ごとに学年の目安が設定されており、中学校から高校、大学まで、個々のレベルに合わせた受験が可能です。
高校入試は3級、大学入試は2級〜準1級を目安とされています。

推奨目安 語彙数 レベル 受験目安
5級 中学初級程度 約600語 中学1年生で習う文法、単語の理解 小学校中学年〜中学生
4級 中学中級程度 約1,200語 中学2年生で習う文法、単語の理解が中心 小学校高学年〜中学生
3級 中学卒業程度 1,250~2,100語 中学3年生までに習う文法、単語の理解 中学生
準2級 高校中級程度 2,600~3,600語 高校1〜2年生までに習う文法、単語の理解 中学生〜高校生
準2級プラス 高校上級程度 2,600~3,600語以上 高校2年生終了までに習う文法、単語の理解 中学生〜高校生
2級 高校卒業程度 3,800~5,100語 高校英語の基礎をひと通り理解できている 中学生〜高校生
準1級 大学中級程度 7,500〜9,000語 実用的な英語力として高く評価され、留学でも困らない 高校生〜社会人
1級 大学上級程度 10,000〜15,000語 大学入試や留学での優遇、単位認定、就職対策として英語力の高さを評価される 大学生〜社会人

参考:各級の目安 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検は、級が上がるにつれて資格としての強みが増し、評価も高くなっていきます。
英語をどの程度理解し、使いこなせるのか、という習熟度の判断材料になるので、学校、入試、会社などさまざまな場面で役に立つ生涯有効な資格です。

英語を学び始めたばかりのお子さんは、まず5級の受験にチャレンジすることをおすすめします。
英語を習得するには基礎の積み重ねが何よりも大切になりますので、5級から着実に力をつけて上の級を目指していきましょう。

英検のCSEスコアとは

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英検の個人成績表には、5級から1級までのすべての級で、合否に加えて、CSEスコアが記載されます。
CSEスコアとは、英検の各級におけるユニバーサルなスコア尺度CSE(Common Scale for English) を表した数値です。
リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能をそれぞれ1000点満点で評価した場合のスコアを示し、CSEスコアが合格基準を超えることで「合格」と判定されます。

英語力を客観的に評価した数値なので、現時点での総合的な英語力と技能別の英語力、伸長度がひと目でわかり、目標設定や学習計画がより明確になります。

国際標準規格のCEFR にも対応しているので、日本だけでなく世界でも通用するスコアが出せるというのも英検の強みといえるでしょう。

CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)とは、「ヨーロッパ言語共通参照枠」と呼ばれる外国語の熟達度を示す世界指標です。
下からA1、A2、B1、B2、C1、C2までの6段階に分かれており、「言語を使って具体的に何ができるか」を表しています。

参考:英検CSEスコアとは | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検合格までの指標「バンド」

個人成績表には、合否のほか、CSEスコアと合格基準までの距離を示す「バンド」が記載されています。
英検の「バンド」とは、2016年度から導入された合格基準までの距離を示す指標のことです。

合格だった場合に、合格基準点からどのくらい上回っていたのか、不合格だった場合には、合格まであと何点くらいだったのか、合格には近かったのかあるいはほど遠い結果だったのかを示します。
各級のCSEスコアの合格基準を起点として、25点単位で区切られた数値で、合格基準を上回った場合はプラス、下回る場合はマイナスの数字で表示されます。

級の表記

5級 4級 3級 準2級 準2級
プラス
2級 準1級 1級
G5 G4 G3 GP2 GP2Plus G2 GP1 G1

バンド表記例

+3 合格基準より51~75点上回った
+2 合格基準より26~50点上回った
+1 合格基準より1~25点上回った
合否ライン
-1 合格基準より1〜25点足りなかった
-2 合格基準より26~50点足りなかった
-3 合格基準より51~75点足りなかった

級は「G」、バンドは「+」または「−」で判定され、合格基準と次の級からの距離が数値で表記されます。

たとえば、成績が「G2+3」だった場合、英検2級合格基準から「+3」のバンドに位置していることから、比較的余裕を持って合格したとわかります。

「g3+8」だった場合は、英検3級の合格基準から「+8」のバンドに位置しており、次の準2級にすぐにでもチャレンジして良いと判断できる結果です。

不合格の「G2-1」だった場合、英検2級の合格基準スコアより1バンド分(1〜25点)だけ足りなかったということなので、あともう少しで合格できた、次回は合格の可能性があると見込めます。
前回「G2-4」で、今回「G2-1」であれば、不合格ではあるものの、前回よりもバンドが2つ上がっているので、英語力がアップしていると捉えられるでしょう。

成績表にバンドが明記されたことで、自分の英語力を客観的に把握しやすくなりました。
自分の英語力が合格ラインにどれくらい近づいているのか、上の級に受かるためにはどのくらいの努力が必要なのか、といった次回受験の目標設定にも非常に役立ちますよ。

英検をTOEICスコアに換算

自分の英語レベルをチェックする方法

英検と同時に大学生から社会人の受験者が多いTOEICが気になっている方もいますよね。
英検の級とTOEICのスコアの対比はどのようになっているのでしょうか。

英検とTOEICのスコアの換算表をまとめました。

英検級 TOEICスコア
5級 120〜
4級
3級
準2級 225〜
準2級プラス
2級 550〜
準1級 785〜
1級 945〜990

参考:各資格・検定試験とCEFRとの対照表|文部科学省

英検とTOEICは、どちらも英語能力を測る試験ですが、目的には大きな違いがあるため、試験結果をどのように活用したいかによって、受験するべきものが異なります。

英検が総合的な英語力を8段階の級で合否判定する試験であるのに対し、TOEICは合否判定ではなく、990点までのスコアによってコミュニケーション能力を測る試験です。

英検は、日本国内でのみ実施されている試験ではありますが、子どもの英語学習の成長や指標には最適な試験といえます。
級が上がるにつれて出題内容や難易度が変化していくので、受験級ごとの試験対策を行うことで進学や就職に求められる英語力を段階的に習得していけるからです。

一般的に社会で必要な英語力を持っているとされる2級まで取得したら、実際のビジネスシーンで通用する英語を身につける意味でも、TOEICの受験を併用することをおすすめします。

まとめ

子どもの英検受験を前に悩める保護者の方へ向けて、英検の級やレベル、合格指標を示すバンド、TOEICとのスコア換算について解説しました。

英検は5級〜1級までの8つの級に分かれており、級ごとに目安となるレベルが設定されています。
英検の成績は、CSEスコアによる合否判定とともに、「バンド」と呼ばれる合格ラインからの距離を示す指標で表されます。
CSEスコアは世界基準のCFERにも対応しているので、自身の英語力がより客観的に把握できるようになりました。

明確なスコアとバンドがあることによって、合格は合格でもどの程度で合格したのか、次の級までの道のりはどのくらいなのか、また不合格でも、あとどのくらい努力が必要なのかといった具体的な目標設定や学習計画に役立てられます。

英検は、試験を受けて合否結果が出たらおしまいではありません。
成績表から子どもの強みと弱みを把握し、次回へのステップアップとしていかしていきましょう。