「英検は受けたほうが良い」
「英検を持っていると有利」
子どもに英語を学ばせたい、英語を苦手になってほしくないというのは、親であれば誰もが願うことですよね。

英語教育や早期教育に関心のある場合は特に、できるだけ早く英検を取らせたい、と考えている方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、将来的に役に立つとわかっていても、なかなか受験への一歩が踏み出せずにいませんか?

初めてのこと、新しいことは誰でも躊躇してしまうものです。
今回は、そんな英検を受けようか迷っている保護者の方へ向けて、子どもが英検を受けるメリットをご紹介していきます。

英検のメリット

英検のメリット

英検のメリットは、なんといっても生涯有効の英語資格を持てることです。
英検は、日本では最も歴史のある英語の資格試験で、正式名称は「実用英語技能検定」といいます。

5級から1級まで、習熟度に応じた8つの級が設けられており、一度取得した級は生涯有効です。
5級と4級はリーディングとリスニング、3級以上はさらにライティングとスピーキングが加わり、読む、聞く、書く、話すの4技能をバランスよく測定できます。

英検は、高校・大学入試や就職活動にも有利になることから、学生から社会人まで幅広い年代で受けられています。
2023年度(2023年4月1日〜2024年3月31日)の受験者数は450万3,698人で、その数は年々増加傾向にあります。
子どもに何か英語の資格を取らせたい、と思ったら、まず英検に挑戦するのがおすすめです。

参考:受験の状況 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

学生が英検を受けるメリット

小学生から大学生までの学生が英検を受けるのは、入試に有利になるというのが最も大きな理由であり、メリットといえるでしょう。

英検の合格証は、入試で加点されたり、学校によっては優遇措置を受けられたりすることがあります。
個人成績表には得点のほか解答の正否、間違ったところの学習アドバイスなども細かく記載されているので、得意分野のスキルアップや苦手克服といった今後の学習にも役立ちます。
子どもの英語力を適正に測れる英検を受け続けることで成長が可視化されるため、保護者としても安心して学習を見守れますよ。

社会人が英検を受けるメリット

英検は、学生だけのものではありません。
大人が英検を受けていいの?と思っている方もいるかもしれませんが、英検に受験資格はなく、何歳であっても自分にあった級を受けられます。

英検は文部科学省後援で、日本では最も信頼性が高い英語資格なので、転職や職場での評価においても大変強みになります。
高校卒業程度に相当する2級取得を目標に学び直すことで、総合的な英語力が身につき、仕事にもいかせるでしょう。

英検には、将来の選択肢を広げてくれるメリットがたくさんあります。
小学生から大学生まで、それぞれ解説していきます。

英検で英語の基礎を習得(小学生)

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小学生で英検にチャレンジすることで、英語の基礎を習得できます。
2020年から英語の授業(外国語活動)が必修化になりましたが、文法中心の本格的な学習が始まるのは中学校です。

中学校では、「小学校で習ってきた」という前提で授業が進んでいきます。
入学して1カ月もすれば、初めての中間テストがあり、小学校の単元テストとは全く異なる広範囲かつ難しい問題に直面します。

そんな中学校の英語の授業に備え、小学生のうちに基礎を身につけられるという点で英検はとても有利です。
英検を通して少しずつ英語に慣れておくことで、中学校以降の英語の授業への抵抗感や苦手意識も和らげることができるでしょう。

英検で受験のモチベーションアップ(中学生)

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中学生で英検を受けることは、高校受験における子どもの学習意欲を高め、合格するための動機づけとして役立ちます。

小学校から大きくテストスタイルが変わる中学校では、「テスト」というものに強い抵抗感や嫌悪感を抱く子も少なくありません。
日常的に勉強してきていない子ほど、小学校との差が激しい英語のテストでは挫折を味わいやすく、スタートから意欲が削がれてしまいます。

最初の英語のテストで心が折れないためにも、英検は非常に有効です。
基本的な英単語と現在時制を中心に出題される5級は、英語の基礎の内容ですので、合格できれば大きな自信につながります。
英検対策の学習がそのまま学校の授業でもいかせるため、復習感覚で勉強できるというのも魅力ですね。

英検の取得級によっては、入試に優遇措置を設けている学校もあります。
内申点に加点されたり英語試験の得点が保証されたりするなど、進学で有利になるのも英検の強みといえるでしょう。

なお、優遇の対象となる級は、学校によって異なりますが、一般的には3級以上といわれています。
準2級以上を取得している場合は、さらに選択肢が広がり、さまざまな優遇措置を受けられますよ。

英検は大学入試にも有利(高校生)

高校生が英検を受けるメリットは、大学入試で有利にはたらくことです。
大学受験における「英語外部検定利用入試」を利用した場合に、取得級やスコアによって出願資格を得られたり、試験の点数に加算されたりするなどの優遇措置が受けられます。

「英語外部検定利用入試」とは、英検をはじめとした民間の英語資格を大学入試に利用できる制度です。
「英語外部検定利用入試」を導入する大学の数は年々増加しており、2024年度入試では、全国公立大学・私立大学のうち60.6%にあたる462大学で実施されました。

「英語外部検定利用入試」に利用できる外部検定には以下のようなものがあります。

  • 英検
  • TEAP
  • TOEFL IBT
  • TOEIC
  • IELTS

「英語外部検定利用入試」の背景には、大学入学共通テストに英検を利用する「大学入試英語成績提供システム」の導入の見送りがあります。
受験者の経済状況や居住地域により格差が生じ、公平性にかけると指摘されたことから実現はされませんでしたが、英語力を重視している大学では個々に入試優遇措置を設けています。

2025年現在、「英語外部検定利用入試」を導入している大学は、国公立・私立を含め全国で507校です。

「英語外部検定利用入試」を導入している大学(順不同)

千葉大学、筑波大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学

早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学、東京理科大学、国際基督教大学

学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学

日本大学、東洋大学、駒沢大学、専修大学

近畿大学、京都産業大学、甲南大学、龍谷大学

関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学など

参考:英検活用校|英検|公益社団法人 日本英語検定協会

グローバル化が急速に進む昨今、英語の4技能を重視する流れはますます高まっています。
「英語外部検定利用入試」は、今後さらに増えていくことは想像に難くないでしょう。

英検の取得級やCSEスコアの利用条件は大学ごとに異なるため、志望校が「英語外部検定利用入試」を実施しているのか、どのような条件なのか、最新の情報をしっかり調べておくことが大切です。

英検2級以上は履歴書に書ける(大学生以降)

英文履歴書ってどう書くの?書き方や気をつけることをご紹介!

英検は、卒業後ももちろん有効な一生ものの英語資格です。
特に高校卒業程度の英語力を証明する英検2級からそれ以上は、履歴書にも記載できる資格なので、取得しておくと大きなアピールポイントにもなります。

履歴書には、正式名称である「実用英語技能検定〇級」と書き、合格した級と取得年月も記載します。
「英検」はあくまで略称ですので、正式名称で書くことに注意しましょう。
取得から何年も経っている場合は、現在も英語学習に励んでいる内容を追記しておくのもおすすめですよ。

まとめ

保護者の方へ向けて、子どもが英検を受けるメリットをご紹介しました。

生涯有効な英検は、子どもの将来の選択肢を広げてくれる重要な英語資格です。
英検の受験に早すぎるということは全くなく、英語学習のスタートとしてまず5級へ挑戦することは、大きな意味があります。

英検のような家でも学校でもない場所で受ける外部試験は、緊張感のある会場で、自分一人で問題を解く、時間管理をするといった自立心を養う良い経験にもなります。

本番までの過程を通じて、子どもの成長を促す効果も期待できるのが英検です。
これから避けては通れない数々の「試験」というステージで、落ち着いて実力を発揮できるよう、英検を活用してみてはいかがでしょうか。