英検4級は中学で学ぶ英語の内容を理解できているのかを測るのにピッタリの試験です。
2020年度から英語教育の開始が小学校5年生からに引き下がり、英語を学び始めた生徒さんだけでなく、その親御さんからも関心が高い試験でもあります。
この記事では、英検4級について、どれくらいのレベルの試験なのか、合格するにはどれくらい問題に正解すれば良いのかについてお伝えしていきます。
英検4級のレベル
英検を主催している日本英語検定協会によると、英検4級は以下のレベルとされています。
推奨目安:中学中級程度
出題目安:出題形式や内容が、より実用的に。身近なトピックを題材とした読解問題が加わります。基礎力をぐんぐん伸ばしていきましょう。
日本英語検定協会公式ホームページより抜粋
このように、英検の最初級である英検5級に比べて「英語学習を始めてからしばらくが経ち、より実用的な英語と読解ができるようになるのが目標」になることがわかります。
ただし「中学中級程度」と言われると少し抽象的で、以下のように思う方もいらっしゃるかと思います。
もう少し具体的に、英検4級のレベルについて深掘りしましょう。
英検4級の単語レベル
英検4級の英単語レベルはおおよそ1300語〜1400語レベルだといえます。
これは小学校で習う英単語数に加えて、英検4級合格を目指す英単語帳が約700語の英単語を収録していることから算出できます。
なお小学校で習う英単語数は、文部科学省の中学校学習指導要領解説から「600語〜700語」だとわかります。(参照↓)
実際のコミュニケーションにおいて必要な語彙を中心に、小学校で600〜700語程度(中略)を指導することとして整理している。
小学校で習う英単語が600語〜700語、英検4級合格の英単語帳で新しく700語が加わることで、「英検4級の単語レベルは約1300語〜1400語程度」だといえるわけですね。
それでは、もっと具体的に「1300語〜1400語レベル」がどんな英単語かを見てみましょう。
日本英語検定協会は、実際に出題された英検各級の過去問を公式ホームページで見ることができます。
その中から、英検4級で実際に出題された過去問をいくつか見てみましょう。
A : How much time do we have before the next ( ) train?
B : About five minutes.1, lost 2, clear 3, next 4, heavy
A : Oh no! I wrote the wrong date. Can I use your ( )?
B : Sure. Here you go.1, belt 2, eraser 3, coat 4, map
2022年度 第一回実用英語技能検定4級より抜粋
これは主に英単語力を図る大問1の抜粋です。シンプルに単語の意味を知ってるかどうかを問われる問題がほとんどですね。
英単語力がどのように出題されるかを見たところで、他にも英検4級で出題されている英単語をリスト化するので、「英検4級で出題される英単語はこういうレベルだ!」という感覚を得るのに役立ててください。
- Since
- Through
- address
- temperature
- send
- bore
- weak
- careful
- trouble
- moment
2022年度 第一回実用英語技能検定4級より抜粋
英検4級の文法レベル
英検4級で問われる英文法レベルは、中学1年生〜2年生程度のレベルです。
中学校で学ぶ英文法項目の詳細は文部科学省 中学校学習指導要領解説 外国語編(平成29年 7月)の付録7にて確認できます。(137ページ)
実際に英検4級の過去問を3回分確認してみると、以下の文法問題を確認できました。
- 助動詞Shallの用法
- 動名詞
- be going toの用法
- 許可を求めるCan I ~?を丁寧にするCould I〜?の表現
- 時制の一致問題(過去形)
- 比較級 more and moreの表現
- Stop + ~ingの表現
- 人称代名詞目的格
さらに、英検4級では大問3で語句整序問題(単語やフレーズを並び替えて正しい英文にする問題)が出題されるので「英語の語順」という側面でも英文法知識が必要です。
ただし試験全体の出題数で言えば、純粋な英文法力を問われる問題は英検の性質上少ないといえます。(具体的には大問1の20問のうち3問程度が文法問題)
なので、英検4級の文法対策は、問題数の多い語句整序問題の対策がメインになるでしょう。
英検4級のライティング対策
英検4級のライティング対策は、英検5級と同じく大問3の語句整序問題がメインになるでしょう。
理由については英検5級と共通なので、以下を参考にしてみてください。
英検5級のライティング対策は、大問3の語句整序問題の対策がメインになります。
なぜなら、英検中上位級(3級〜1級)までは筆記での英作文問題が出題されないからです。
なので、英作文の要素を含んだ語句整序問題が実質のライティング科目だといえます。
語句整序問題では、英語の語順やかんたんな構文を理解しているかを問われます。
ここにリンク→英検5級のレベルは?どんな問題が出る?わかりやすく解説します
要約すると、「筆記の作文問題は5級と4級では出題されないので、英作文に似た語句整序問題(英単語を並び替えて正しい英文にする問題)の対策が実質英検4級のライティング対策になる」ということです。
語句整序問題の対策は、ドリル形式の参考書や解説付きの過去問で対策するのがおすすめです。
英検4級の合格点
英検4級の合格点は毎回の試験ごとに異なります。なので「何点取れば合格!」とは断言できません。
ただし、「各技能(リーディングやリスニングなどのこと)で、6割程度の正解率で合格できる可能性が高い」といえます。
なぜなら「英検CSEスコア」と「英検協会ホームページの言葉」から読み取れるからです。
「英検CSEスコア」とは以下の特徴を持つ採点方式を指します。
2016年度の試験から、英検は採点方式を「英検CSEスコア」という独自の方式に移行しました。
英検が英検CSEスコアを採用した背景として、「各技能(リーディングやライティングなどのこと)で点数に偏りがある受験者よりも、各技能でまんべんなく点数を取れる受験者が合格しやすい仕組み」を取ったことが挙げられます。
また、英検を主催している日本英語検定協会の公式ホームページからは以下の言葉が記載されています。↓
正答数の目安を提示することはできませんが、2016年度第1回一次試験では、1級、準1級は各技能での正答率が7割程度、2級以下は各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格されています。
以上の「英検CSEスコアの性質」と「英検協会からの言葉」から、「各技能(リーディングやリスニングなどのこと)で、6割程度の正解率で合格できる確率が高い」と言えるわけです。
学研のKimini英会話主催 英検合格コース
英検を運営している日本英語検定協会は、日本の教育を司る国の機関である文部科学省が後援しています。
なので、英検は学校の科目としての英語教育との相性がとても良いです。
学研は学習塾や教育サービスを古くから手掛けてきた老舗の会社です。
そんな学研の主催する英検合格コースは、学校の英語教育と相性が良い英検に非常に高い効果を期待できます。
英検4級のコースでは、どうしても筆記とリスニングに偏りがちな学校英語に比べて、しっかり「話せる英語」にも焦点があたった勉強が期待できるコースなのでぜひ参考にしてみてください。↓
まとめ
この記事では、中学で学ぶ英語の内容が理解できているかを測る英検4級についてお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、英検4級に向けてまず何に取り組めば良いか、どんなレベルの問題が出るのか、どれくらい問題に正解すれば良いかについての知識を十分に持っているでしょう。
この記事でお伝えしたことが、英語学習をより豊かにできれば幸いです。