今、英語教育の現場で静かに注目を集めているのが「英検準2級プラス」。
英検準2級プラスは、従来の英検準2級と2級の間を埋める新しい試験で、中高生を中心に受験する人や、教育機関が導入を進めています。
英検準2級プラスは英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)をバランスよく養えるので、学校を始めとした教育機関・学習塾・英会話スクールなどでの活用され始めています。
この記事では、そんな「英検準2級プラス」について詳しく解説していきます。
「英検準2級プラス」って「英検準2級」と何が違うの?
英検準2級プラスは、英検準2級と英検2級の中間のレベルの試験です。2025年度から新しく導入されました。
英検を主催する「日本英語検定協会」が「英検準2級プラスの特設ページ」を設けていることからも、その力の入れ具合がわかりますね。
目安になる英語力を挙げてみましょう。
CEFRという「ヨーロッパ言語共通参照枠」で言えば、準2級がA2(高校生レベル)、2級がB1(高卒レベル)とされる中で、準2級プラスはA2+〜B1の範囲をカバーしているので、「2級はまだ難しいけど、準2級では物足りない」という学習者にぴったりのレベルだと言えます。
英検準2級プラスと、英検準2級との違いは?
英検準2級プラスと聞くと、「英検準2級を少しアレンジした試験」みたいにイメージが浮かぶかもしれませんね。
しかし、英検準2級プラスは「英検準2級の強化版」ではありません。試験内容や出題傾向にも以下のような違いがあります。
- 単語力・文法力レベルがやや高い
- スピーキング、ライティングのレベルもやや高い
- 実生活を想定した英語の応用力が求められる
順番に見ていきましょう。
単語力・文法力レベルがやや高い
英検準2級プラスは、英検準2級に比べて求められる単語力や文法力のレベルがやや高くなります。
英検ホームページにある「各級の目安」では、以下のような記載があります。
”日常的な話題について、概要を捉えたり、情報や自身の考えを基本的な語句を用いながら伝えることができる。”(英検準2級)
”身近な社会的な話題について、概要や要点、詳細を理解したり、情報や自身の考えを多様な語句を用いながら詳細に伝えることができる。”(英検準2級プラス)
この違いが、例えば「家族」について出題された時、英検準2級では「家族についての説明」の問題が出るとするなら、英検準2級プラスでは「家族と過ごす時間の重要性について」といったように、客観的で具体的、そして詳しい内容のある英語を扱うことに繋がります。
スピーキング・ライティングのレベルもやや高い
英検準2級プラスは、英検準2級に比べて求められるスピーキング力・ライティング力のレベルも、やや高くなります。
例えばスピーキングでは、英検準2級で質問に対して短い返答でOKなのに対して、英検準2級プラスでは、「ある選択肢を選んで理由を説明する」という、具体的な内容も話す力も問われます。
またライティングでも、英検準2級プラスでは要約問題が導入され、「短い文章を読んで、自分の言葉で要約する」力が求められます。
実生活を想定した英語の応用力が問われる
上述した「スピーキング・ライティングのレベル」と少し重なる部分ですが、英検準2級プラスでは、実生活を想定した英語の応用力が問われます。
例えば、「友人が部活動を辞めたがっている。あなたはどうアドバイスしますか?」といった感じの、中高生が直面しやすい実践的な場面を想定した問題が出題されます。
総じて、英検準2級プラスでは、丸暗記の一問一答だけでは通用せず、「自分の考えをしっかりと英語にして伝える力」がカギになるのがわかりますね。
以上の事から、英検準2級プラスは単なるレベルアップではなく、英検2級で求められる“使える英語”に向けた橋渡しとして設計されているのがわかります。
なんで今?「英検準2級プラス」が選ばれる理由
上述した通り、英検準2級プラスは、英検を主催する「日本英語検定協会」が「英検準2級プラスの特設ページ」を設けていることからも、その力の入れ具合がわかります。
英検準2級プラスが今、注目される理由は、教育改革との相性の良さにあると言えるでしょう。
- 大学入試改革で問われる「英語4技能」の重要性
- 高校・大学の推薦入試での活用
- 英語教育”進行中”にある今こそ、導入すべきタイミング
教育現場では、「英語教育改革」に力を入れています。
特に「学校では英語が得意だったけど、英会話になるとまるで出来ない」とか「TOEICのハイスコアを持っているのに、英会話がまるで出来ない」といった声が多いこともあり、英語を「読む・書く」に偏らず、「話す・聞く」力もバランス良く養うことが教育現場で求められています。
こうした学校を始めとした「教育現場」において、4技能を測ることができる「英検準2級プラス」は、相性が良いと言えるわけですね。
英語の4技能を重視する教育現場なので、例えばこれから、高校の推薦入試で「4技能の証明として英検準2級プラスが評価された」というケースも増えていくでしょう。英検は日本の学校教育を司(つかさど)る文部科学省後援の資格ですからね。
また、学校現場や生徒さんからも、”英検準2級までは届いたけど、英検2級までの壁が高すぎる”という声が多く、その声に対応したのが「英検準2級プラス」だと言えるでしょう。
英検準2級プラスに合格するにはどんな対策方法が効果的?3か月の集中スケジュール例も紹介
英検準2級プラスに合格するには、どんな勉強や対策が効果的なのでしょうか?
英検準2級プラス対策では、以下の3点がポイントになります。
1.単語と文法の理解を改めて深める
英検準2級プラスに合格するには、英検準2級レベルや高校初級レベルの単語力&文法力をさらに磨きをかけると良いでしょう。
例えば、「現在完了進行形」や「仮定法」のような高校英文法を見て、読んで理解する力が必要になります。
2.ライティングの構成練習
英検準2級プラスでは、ライティングの構成を意識した練習が必要になるでしょう。
英検準2級のライティングでは「Eメールへの返信」と「質問への回答」が出題されますが、英検準2級プラスでは「要約問題」と「質問への回答」が出題されます。
ですから、「読んだ文章を指定の語数(25語~35語程度)で要約する文章構成」の練習と、「賛成か反対かを明確にした上で、理由付けをしていく文章構成」を練習するのが効果的。
予想問題集を反復して、「どんな風に文章を作っていくか」の思考回路を養うのが得点アップに直結します。
3.スピーキング練習の積み重ね
英検準2級プラスで一次試験を通過できたら、2次試験の「スピーキング練習」も集中して対策しましょう。
英検公式ホームページに掲載されている「サンプル問題」(特設サイトに掲載されています)や、英検準2級プラスの2次試験に特化した問題集を使って対策をするのが効果的です。
例えば、英検準2級プラスへ合格するために、3か月間集中して対策するなら、以下のようなプランを組み立てることができます。
1ヶ月目:語彙強化とリスニング強化
単語帳を用いた暗記+英検準2級プラスの予想問題集を使った聞き取り練習。(予想問題集を使うことで、英検準2級プラスの出題傾向も把握できる)
2ヶ月目:ライティング添削+会話練習
学校の英語の先生や、塾の英語の先生から添削を受けて、「伝わる構成」を身につける+学校の先生や塾の先生に申し出て、ペアワークで意見交換を実践する。
3ヶ月目:模試・復習・弱点強化
予想問題集を使って本番形式の模試を行い、結果を分析して弱点克服に集中
まとめ
この記事では、英検準2級プラスについて、以下の点からお伝えしてきました。
- 英検準2級プラスは、準2級と2級の間に位置する中間レベルの資格
- 試験では語彙・文法の難易度が上がり、スピーキング・ライティングの配点も高め
- 教育改革や入試制度との親和性も高く、「今」注目されているのが英検準2級プラス
- 合格のためには、英検準2級や高校の授業で養った単語力・英文法力を磨くのに加えて、自分の考えを英語で「伝える」力、英語の「構成力」を身に着けるのが効果的
この記事でお伝えした内容が、あなたの英検準2級プラス合格の一助となれば幸いです。