2024年度に英検の出題形式はリニューアルになり、大問1の単語熟語の問題数は25問から22問になって3問減りましたが、それでも熟語問題は4問出題されています。英検1級の出題される範囲の単語は約10,000〜15,000語とも言われており、膨大な範囲ですが、実際に1級の単語熟語の書籍などで学ぶのは4,500~5000語ぐらいだと考えられます。熟語パートはそんなに多くないので、ほぼ完璧に覚えて熟語の4問で確実に点数を取るというのもいいですね。熟語は大問1で出題される他、ライティングでも活用することができます。
この記事では、英検1級の熟語対策というテーマで、熟語の覚え方や学習方法について解説します。英検1級を目指している方やお子さんに英検1級を目指してほしい方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
熟語まとめ記事
1級の熟語まとめとして、2024年度に出題された熟語問題をチェックしてみましょう。1級熟語問題の出題傾向が見えてくることを期待して、2024年度に出題された熟語を見ていきますよ。
1
The excitement of the crowd began to ( ) as the lengthy awards ceremony went on and on. After four hours, almost no one was paying attention to what was happening on stage.1 crack up 2 dash off 3 fall through 4 peter out
2
A: I wish that Phillipe would stop ( ) when we’re trying to have private conversation.B: Me too. It drives me crazy when he interrupts us.
1 butting in 2 clamming up 3 facing off 4 knuckling down
3
Due to a family emergency, Maria had to ask one of her coworkers to ( ) and give an important presentation for her.1 act up 2 stand in 3 level off 4 pan out
4
Nanako has decided to ( ) a transfer to her company’s Tokyo office. If her application is successful, she will be moving there in March.1 lash out at 2 make off with 3 put in for 4 gang up on
2024年度 1級 第1回問題より抜粋
このような空所補充問題では、空所の前後や次の文をよく見ることが大事です。
1の問題で、空所の後の文で「4時間後、ほとんど誰もステージで起きていることに注意を払っていなかった」と言っているので、「その興奮は次第に弱まっていった」と考えて、4 ”peter out”を選びましょう。
2の問題で、空所の後の文で、「彼が私たちに割り込んでくる時、私はイライラする」と言っているので、「割り込む」を意味する1 “butting in”を選びます。interruptは会話などに「割り込む」という意味でよく使われます。英語圏で、話している人達の会話に割り込む時、”Sorry to interrupt, but …”と言うのはお決まりの表現です。
3の問題は、「家族の緊急事態のため、マリアは同僚の一人に( )、彼女のために重要なプレゼンをするように頼まなければならなかった」となり、空所に入るのは「代役になる」という意味を持つ”stand in”です。
4の問題も次の文を読むと、「もし彼女の応募が成功したら、彼女は3月にそこへ引っ越しているだろう」と言っているので、空所に入るのは「応募する」という意味を持つ3 “put in for”です。apply for も「応募する」という意味ですが、forには「~のために」という意味だけでなく、「~を求めて」というニュアンスもあります。bound for ~の場合は、forは「~行きの」という意味になります。
熟語の覚え方
英検1級合格のために覚えるべき熟語は、単語に比べると少ないと言いましたが、それでもかなりの量の熟語を覚えなくてはなりませんし、自分が熱心に勉強した熟語が必ずしも試験に出るわけではありません。
まず、熟語は動詞と前置詞が一緒になって作られているので、前置詞の意味を意識して覚えましょう。上記の「熟語まとめ記事」のところでも説明しましたが、“for”には「~を求めて」というニュアンスがあります。”up”と”down”、”in”と”out”、”on”と”off”が動詞と一緒になって熟語を作り、それぞれ意味を持っているので、「前置詞」の意味も意識して熟語を覚えるといいです。
動詞の部分に、皆さんがよく知っている名詞が動詞として使われて、熟語を作っているものもあります。例えば、”thumb through …”は「…をパラパラめくる」という意味ですが、“thumb”は「親指」ですよね。「親指で…を通してパラパラめくる」からこの熟語ができたのでしょう。他の例も挙げると、”nail down …”は「…を確定する」「…の地位を得る」という意味で使われますが、”nail”は「釘」という意味があるので、「釘を下に打ち込む」から発展してその意味になったと考えられます。これらはほんの一部の例ですが、熟語を覚える際に、前置詞や動詞の意味を意識して、その熟語の成り立ちを考えて覚えると、覚えやすいし忘れにくいですよ。
熟語の学習方法
熟語の学習方法は、英検1級向けの単語・熟語テキストで、地道に学習していくことをおすすめします。おすすめの書籍をいくつか紹介しますので、地道に熟語を覚えていってください。
その際に、やみくもに熟語を暗記するのではなく、先ほど紹介したような覚え方で、意味づけをして覚えていくといいです。英検1級で出題される熟語が網羅されている書籍を購入しても、それをよく読んで覚えていかなければ、本番で成果を出すのは厳しくなります。
出る順で最短合格!英検1級単熟語EX 第2版
ジャパンタイムズ出版から2023年4月5日に発売されているこの書籍に掲載されている単語熟語は、英検1級で出題される確率が高いと、定評があります。書籍の音声ダウンロードも可能です。以前は、見出し語の後にその語を使った英文が読まれていたのですが、見出し語の後に日本語の意味の音声が追加されました。書籍で見出し語のスペルをチェックし、音声で日本語の意味や英語例文を確認すると、単語や熟語が覚えやすいです。
英検1級 でる順パス単 5訂版
2021年 6月29日に5訂版が発売されました。でる順パス単は、英検合格のため単語熟語を覚えるべく長年活用されていましたが、年数を重ねるにつれて出題傾向が変わってきているので、最新版を使うことをおすすめします。
英検1級 文で覚える単熟語 4訂版
2022年 7月 8日発売。この本は、英検1級レベルの長文の中で、文脈を通じて単熟語を覚えられるという宣伝文句で売られています。単語学習と同時に、読解力も身につけることができるとされていますが、短期間に単語熟語だけを集中的に覚えたい方にはあまりおすすめできません。
まとめ
英検1級の熟語対策として、熟語の覚え方や学習方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。英検1級の熟語を覚えるのに役立つ書籍の紹介もしました。
2024年度から英検1級の問題形式がリニューアルされ、合格がますます難しくなったとも言われていますが、合格するためには地道に努力していくしかありません。この記事が、英検1級合格を目指している方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。