2024年度から英検1級一次試験の形式に変更がありましたが、ライティングに要約問題が追加され、リーディングの問題が減っただけで、リスニングには特に変更はないとされています。
この記事では、英検1級のリスニングテストがどんなものか、攻略のコツとその対策について解説していきます。
英検1級のリスニングテスト
英検1級のリスニングテストには、一次試験の配点の3分の1、850点が割り当てられています。問題数は全部で27問で、第1部は10問、第2部は10問、第3部は5問、第4部は2問という内訳になっています。
第1部は、男女の対話を聞いて、それに関する質問に4つの選択肢から選んで答える問題です。
第2部は、(A)から(E)までの5つのパッセージを聞いて、各パッセージにつき2問ずつの質問に、4つの選択肢から選んで答える問題です。
第3部は、(F)から(J)までの5つのパッセージを聞き、問題文に書かれたシチュエーションを読んで、質問の答えを4つの選択肢から選んで答える問題です。シチュエーションを読む時間として10秒与えられます。
第4部は、インタビュアーとインタビュー回答者の長めの対話を聞いて、2問の質問に答える問題です。
1級リスニングテストのコツ
本番の試験で、リーディングテストの余った時間にリスニングテストの選択肢やシチュエーションを先読みしておくのがおすすめです。
まず、1級リスニングテストの過去問を使って、実際にどれぐらい点数が取れるか、チェックしてみましょう。自分がどのパートが苦手か把握できると思います。練習でも、本番と同様に、リスニングテストの選択肢やシチュエーションを先読みしてから、問題を解いてみましょう。
第1部の男女の対話はそれぞれの文が短めなので、比較的解きやすいです。第1部の最後の問題(10)は男女の対話が長めで、3人の会話になっているので少し大変に感じるかもしれませんが、何について話しているのかと質問を聞き取れば、正解が選べるでしょう。
第2部の5つのパッセージは各パッセージが長めで、ずっと集中して聞き取っていないと、正解の答えを選ぶのは厳しいですが、途中でbut や howeverなどが出てきて、場面転換があります。パッセージの場面転換を意識して聞き取り、質問に答えましょう。
第3部のシチュエーションは、リーディング問題を解いている時間に、5分ぐらい時間を取って先に目を通しておくといいです。リスニングテスト中に10秒間シチュエーションを読む時間が与えられますが、パッセージを聞きながら、シチュエーションを読むのは厳しいので、シチュエーションなどに先に目を通しておきましょう。
第4部のインタビュー問題は、日頃から英語インタビューについてリスニングをしていると解きやすいと思います。
リスニングテストの質問でよく使われる英語表現
リスニングテストの題材やスクリプトは毎回違ってきますが、質問文では下記のようにある程度お決まりの表現が使われています。
- What does S say about ….?(Sは…について何を言っているか?)
- What is one thing S says to ….?(Sが…に言っていることの一つは何か?)
- What does S imply about ….?(Sは…について何を暗示しているか?)
- What do these people agree on regarding ….?(これらの人々が…について同意していることは何か?
1級、準1級ともに、質問文でimply(暗示する)という動詞が時々使われています。直接的には言っていないけど、暗示していると考えられるものを選ぶことになります。また、複数の人々の会話なので、質問文でSの部分をしっかり聞き取ることも重要になってきます。
4つのパートの中では、第1部が点が取りやすいでしょうから、集中して聞いてこの部分で点数を上げるのがいいと思います。男女の会話でメモを取る場合、男性の発言にはM、女性の発言にはWを書いて、メモを取っていくのもいいです。
リスニングテスト攻略におすすめのテキスト
リスニングテスト攻略におすすめのテキストを2冊紹介します。
最短合格! 英検®1級 リスニング問題完全制覇
英検1級のリスニングテスト対策としては、過去問以外に、ジャパンタイムズ出版から2018年6月5日に発売されたこのテキストがおすすめです。公式サイトから試し聞きや音声のダウンロードもできます。
英検1級を受験する方は、英語で何を言っているかはだいたい聞こえているので、スピード感に慣れて、次々と問題を解いていく練習をしていくべきです。
英検分野別ターゲット英検1級リスニング問題 改訂版
この本は英検1級のリスニング問題に特化した対策書です。過去問分析とそれに基づいた攻略ポイントが掲載されています。
英検公式サイトの3回分の過去問だけでは足りないという方におすすめです。
リスニングテストの学習に役立つYouTube動画の紹介
英検1級のリスニングテスト向けのYouTube動画もあるので紹介します。
子供に大人向けの英検1級対策の動画を見せても、理解がなかなか厳しいでしょうが、このYouTubeチャンネルでは、子供でも理解しやすいように工夫してあります。
「試験本番は1回しか放送されませんが、練習なので3回放送します」と述べて、進めています。1回目は音声だけが流れますが、2回目には英文スクリプトとその日本語訳も出ます。3回目に再び音声だけが流れ、英文スクリプトと日本語訳で学んだことを確認できます。
1級のリスニングテストについて子供に教える場合、これぐらい丁寧に教えないと理解できないのかもしれません。この動画コンテンツは、英検の過去問の音声やテキストは使っておらず、オリジナル問題とのことです。イギリス英語、アメリカ英語など様々な英語の発音音声、英文スクリプトと日本語訳の準備は、手間がかかって大変だったのではと推察します。
第4部のインタビュー問題の練習になるYouTube 動画です。インタビュー問題では、特徴的な英語アクセントのインタビュー回答者が登場する傾向があります。そういった回答者の英語を紹介した後、オリジナル問題を紹介しています。
大人向けの英検1級リスニングテスト対策のYouTube動画もありますが、コツについての説明動画が多かったので、上記2つのYouTube動画を紹介しました。
まとめ
英検1級のリスニングテストがどんなものか、攻略のコツとその対策について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
1級のリスニングテストは、第1部から第4部まで27問あり、男女の対話形式は第1部と第4部で、第2部と第3部はアカデミックな内容のパッセージを聴いて、質問に答える形式です。
対話や長いパッセージを聴いて、質問の答えを4つの選択肢から選ばなくてはならなくて、難しいリスニングテストですが、この記事で紹介した書籍やYouTube動画も参考にして、英検1級合格を目指してください。