2024年度から英検1級の問題形式がリニューアルされました。ライティングに要約問題が追加され、テスト対策でやるべきことが増えましたが、やるべきことが多すぎて、試験直前に何をすべきか悩んでいる方もおられるかもしれません。

この記事では、英検1級の直前対策として何をすべきかと時間配分について解説します。時間配分を見落とす方もいるかもしれませんが、問題形式が変わって問題量が増えているので、時間配分にもぜひ気を配っていきたいですね。

英検1級の直前対策

英検の直前といっても、直前の定義が人によって違いますが、2週間ぐらい前を直前と定義して、英検1級の直前対策を解説していきます。

単語・熟語

英検1級は大学上級程度のレベルで、出題される範囲の単語は約10,000〜15,000語と言われています。 10,000〜15,000語はとても量が多く、さまざまな分野からいろんな単語・熟語問題が出題されるので、本当に準備がしづらくて大変な試験だと思いますが、単語・熟語に関しては直前でそんな膨大な量の単語をすべて見直せるはずがありません。

単語・熟語問題は、準1級に合格した後、時間をかけてじっくり取り組んでいくべきだと思います。英検1級の単語・熟語対策に取り組んでいる中で、なかなか覚えられなかった重要単語・熟語にチェックを入れておき、その単語・熟語を直前にしっかり見直すというやり方もあります。

筆者は1級の受験対策として「英検®1級 出る順パス単」を「英語の友」というアプリで音声も活用しながら、2、3回通しでやって、「出る順で最短合格! 英検®1級単熟語EX」も音声も活用しながら2回ぐらい通しでやりました。直前にそれらを全部見直すのは厳しいでしょうから、よく出る単語・熟語や、あまり覚えていない単語・熟語だけ見直すというやり方をおすすめします

「英検®1級でた単」というアプリも、1級の受験前に有料(1,200円)でダウンロードして、やったことがありました。改めて「英検®1級でた単」を開いて確認してみましたが、「出る順パス単」などをやった後、直前にこのアプリを使って、どれだけ覚えているかテストするのは効果的です。復習になりますし、できなかった単語にチェックを入れ、その単語だけ繰り返し何度かテストして、完璧に覚えましょう。

ライティング問題

2024年度から問題形式が変更になったので、単語だけたくさんやっても合格は厳しくなりました。ライティング問題については、今までやったものをすべて見直し、時間に余裕があれば、追加でライティング問題の練習をしましょうライティングに使える接続詞などを見直したり、パラフレージングのやり方を見直します

リーディング(読解)問題

リーディング問題も過去問を3回~6回分は解いておき、正答率が高くなかった問題を直前に見直すといいでしょう。リーディング対策用の書籍を用意して勉強していれば、その書籍を見直しましょう。

リーディング問題は、本番でどんな問題が出るかによって正答率が変わってきます。大問1やライティングがどれだけスムーズにできるかによって、あてられる時間が変わってきますが、速読の練習をしておくと、本番で実力は発揮できると思います。

リスニングテスト

リスニングテストについても、過去問を全くやらずに、本番でリスニングテストを受けるのは、かなり厳しいです。リスニングはパート1~パート4まであり、27問出題されます。過去問を少なくとも3回分ぐらいは解いてどんな形式の問題が出るのかチェックし、苦手な形式のパートがあれば、そのパートの対策をしましょう

英検1級の時間配分

英検1級の時間配分

英検1級の単語を覚えたり、過去問を解いたりして、1級の試験対策に取り組む方は多いですが、本番で問題を解く時間配分をあまり考えていない方が多いのではないでしょうか。

「本番ではすべての問題をできるだけ速く解くつもりだから、時間配分は特に決めていない」という方もおられるでしょうが、戦略がないと合格が厳しい試験なので、大まかな時間配分を決めておくことをおすすめします。

英検1級の筆記試験は100分です。リスニング問題のスクリプトに5分ぐらいかけて事前に目を通しておきたいですね。残った時間(95分)で、大問1~大問5までの時間配分を振り分けていきましょう。

大問1:22問。10分
大問2:400語程度の長文2題の空所補充問題。20分
大問3:500-800語程度の長文2題の空所補充問題。20分
大問4:300語程度の長文の要約問題 (90~110語)。20分
大問5:理由3つの意見陳述のライティング問題 (200~240語)。25分

大問1から問題を解いていきますが、大問1を解いた後、時間を計りながら大問4と大問5を解いてライティングを確実にこなし、残った時間で大問2と大問3のリーディングをこなすというやり方もあります。筆者は本番で、大問1の後、ライティング問題を先にやって、残った時間でリーディング問題をこなすというやり方で一次試験を受けて合格しました。時間配分はそれで問題なかったので、そのやり方をおすすめしたいです。

なぜその順番で問題を解くことをおすすめするかというと、大問4と大問5はライティングで850点の配点があり、それが一次試験の3分の1を占めているからです。大問1~大問3まではリーディングで850点の配点、リスニングテストで850点の配点で、一次試験は合計で、2550点満点です。一次試験の合格点とされている約7割の取得を目指したいですね。

タイムマネジメント(時間管理)は仕事で案件を進める上でもとても大事なことです。英検1級の試験でも、タイムマネジメントを実践してみましょう。小中学生で1級に合格される人がたまにいますが、タイムマネジメントもできているから合格できるのでしょう。

1級は問題が難しいだけでなく、量がとても多いので、問題を解く時間配分にも気を配りたいですね。試験会場で試験を受ける場合、会場に時計はあるでしょうから、その時計で時間を確認しながら解いていってもいいですが、手元で時々時間をチェックした方が確実なので、腕時計を身に付けていくといいですね。二次試験で2分スピーチがありますが、その時にも腕時計を活用したい方は、秒針付きのアナログ時計ではなく、デジタルの時計をご準備されるといいと思います。

また、リスニングテストは約37分ですが、1級問題冊子の表紙に「リスニングテストの準備時間、およびリスニングテスト中に教室外に出た場合は、その後教室に戻りテストを受けることはできません。」という記載があります。試験中にトイレに行く余裕はないので、試験が始まる前にトイレに行っておくことをおすすめします。

本番に向けて体調を整える

本番に向けて体調を整える

この記事を書いていて、改めて英検1級は難しくて大変な試験だなと感じます。試験中にトイレに行く余裕はないので、試験当日にお腹の調子が悪かったりすると、どんなに一生懸命勉強して準備していても、合格するのが厳しくなってしまいます。また、試験直前にあまり水分をとらないようにした方がいいでしょう。

大人なら、こういった試験があると、自分で体調管理をするでしょうが、小中学生の場合は、自分で体調管理があまりできないかもしれないため、親御さんの方でも体調管理に協力してあげてほしいです。

まとめ

英検1級の直前対策と時間配分について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。英検1級の受験者はみんな必死になって直前対策をやりますが、直前までにどれぐらい準備ができているかによって、直前対策の内容は変わってきます。

英検1級は、一次試験、二次試験とも1回で合格するのは困難な試験です。海外に数年住んだ経験がある帰国子女でさえ、事前対策をほとんどせずに受験したら、合格するのが厳しいでしょう。

ライティング問題が2種類になり、問題の量が増えたので、時間配分にも注意を払っていただきたいです。困難な試験ですが、英検1級に合格できたら自信もついて、他の資格試験などにも挑戦したくなるでしょう。