お子さんが英検準1級に挑戦すること。これは非常に意欲的で素晴らしいことです。
英語に対して高い目標を持ち、英検準1級に挑戦されるのは、その時点で努力を重ねてきた証拠だと言えるでしょう。
しかし、英検準1級のリスニングは高校生・大学生でも難しいと感じるレベルで、単語の難しさやスピード、話される内容の論理的な部分に苦戦するお子さんも少なくありません。
保護者として、どのようにサポートしてあげられるのか、悩まれる方も多いでしょう。
この記事では、英検準1級の、特に”リスニング”に焦点を当て、お子さんが準1級に合格するために、家庭でできる対策や、役立つYouTube動画の活用法を紹介します。
ぜひ親子で取り組み、英検準1級合格への道のりを一緒に歩んでいきましょう。
英検準1級のリスニングはどんな内容?
英検準1級のリスニングセクションは大きく以下の3つのパートに分かれています。
- Part1:会話文(短めのやり取りに対する内容理解)
- Part2:ナレーション文(やや長めの説明や話を聞いて質問に答える)
- Part3:インタビューや講義風の長文(複数の設問に答える)
英検準1級のリスニングパートで話される英語は、ネイティブスピーカーが話す自然なスピードで、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなど、様々な英語圏の発音が使われます。
つまり、「一つの発音・スピードに慣れているだけでは対応できない」というのが特徴です。
また、選択肢が細かいため、全体の状況把握が必要になり、単純な”聞き取り”だけでは対応しきれません。
リスニング力だけでなく、文脈の理解力も求められる試験です。
英検準1級のリスニングが難しいと言われる理由とは?
英検準1級のリスニングが難しいと言われる主な理由は、主に以下の3点です。
- 語彙のレベルが高い
→日常会話より一段階上の単語(例えば”sustainable,” “negotiate,” “regulation”など)が頻出。 - 聞き取りの難易度が高い
→話すスピードが速く、話し手のアクセントもさまざまで、音がつながる※リエゾンや省略も多用される。 - 論理的な展開を追う必要がある
→特にPart3では、複数の情報を聞きながら要点を整理して、どの情報が大切かを見抜く力が問われる。
つまり、ただ英語を「聞く」のではなく、「理解して選択肢から正解を選ぶ」プロセスが求められるわけですね。
※リエゾン:音の連結のこと。例→I’m a を「アイム ア」ではなく「アイマ」と発音するイメージ
ご家庭でできる!英検準1級リスニング対策のサポート方法
英語に詳しくない保護者でも、お子さんの学習環境を整え、やる気を引き出すことは十分可能です。
特に効果的な3つのサポート方法を紹介していきましょう。
1.学習環境を整える
まずは、リスニングに集中できる空間を作ってあげると良いでしょう。
テレビやスマホなど、気が散るものが目に入らない環境を用意すると、無意識に勉強に身が入りやすくなります。
音響にこだわったスピーカーなどを用意する必要はありませんが、リスニング音声に集中できたり、お子さんご自身がリスニング音声を音読しやすいプライベートな環境を提供するのも大切です。
加えて、可能な限り決まった時間に学習する習慣を整えましょう。
決まった時間に勉強をすることで、「時間が来たから勉強しなくちゃ」という気持ちが自然に入り、勉強への移行がスムーズになります。
また、少し補足的な内容になりますが、勉強のパフォーマンスには「姿勢」も大きく関わります。
姿勢が集中力に大きな影響を与えるからです。
なので、「勉強する時は、背筋を伸ばして聞こうね」とお子さんと約束するのが良いでしょう。
2. 日常に英語を取り入れる
勉強以外の時間でも英語に触れさせることで、リスニング力は自然と育ちます。
頭が日本語モードから英語モードに切り替わるからですね。
例えば、通学や食事の時間に英語の音声を流すだけでも効果を期待できるでしょう。
英語音声+英語字幕でアニメや映画を視聴すると、楽しみながら英語耳と英語脳を鍛えることもできます。
親子で同じ音声を聞いて感想を話し合うと、学習がイベントのようになり、楽しみながら学んだ内容を定着させることもできますよ。
3.内容の要約練習をする
リスニングの後に要点を簡単にまとめる練習は、理解力と記憶力の強化に役立ちます。
子どもに「今の話はどんな内容だった?」と問いかけたり、内容を簡単に要約してもらったりすることで、聞き流しにならず、内容をきちんと整理できるようになります。
短い会話でも登場人物や主張を整理する習慣を身に着けることで、英検準1級のリスニングに求められる「論理的な聞き取り」も自然と身につきます。
リスニング対策に役立つYouTube動画3選
子どもが一人で勉強するときに頼りになるのが、YouTubeの無料学習チャンネルです。
以下の5つのチャンネルは、英検準1級レベルのリスニング力を高めるのに特におすすめです。
Eiken Foundation of Japan
Eiken Foundation of Japanチャンネルは、英検を主催する団体が提供する公式チャンネルです。
リスニングの過去問などは表示されませんが、英検準1級の出題形式の変更など、傾向対策に役立つ情報をキャッチできます。
英検準1級の傾向の解説を聞くことで、自分がこれから受験する試験への心構えを作ることもできますね。
受験するお子さん本人以上に、サポートする保護者におすすめのYouTubeチャンネルだと言えるでしょう。
BBC Learning English
BBC Learning Englishはイギリス英語の聞き取り練習に最適なチャンネルで、イギリス英語らしいハッキリとした発音と落ち着いたスピードが特徴です。
時事問題や社会テーマに関する教材も豊富で、トピック、英語レベル、読み上げのスピードともに、英検準1級のリスニング内容に近い点が魅力ですね。
5分から8分程度で学べる動画が数多くあるので、毎日の学習に取り入れやすいのも魅力です。
TED-Ed
TED-Edは教育的なテーマを短く分かりやすくアニメーションで紹介するシリーズ。
TED-Edの”Ed”は”education”(教育)のことですね。
TED-Edでは科学や社会、心理学など幅広い分野を扱うので、英検準1級で扱われるような英語を、聞いて理解する力を伸ばせます。
英検準1級のリスニングより少し難しいですが、英語字幕付きで視聴できるので「英語を聞いて理解する力」を底上げするのに役立つでしょう。
試験直前のチェックポイント&声かけの工夫
リスニングは「慌てず、落ち着いて臨む」ことが大きくスコアに影響します。
とはいえ受験するお子さんご本人は、試験直前や試験本番中でどうしても緊張してしまうものですよね。
緊張しがちな試験直前・当日に向けて、保護者の立場から以下のようなサポートができます。
- 前日は「聞き流し」程度にして、意識してしっかり休息を取らせる
- 当日は「〇〇してきたから大丈夫だよ」と、これまでの努力を認めてあげる
- 「音が速くても、聞こえたところから考えれば大丈夫」など、具体的な安心感を伝える
- 試験会場への移動も含め、焦らず余裕を持って行動できるようサポート
受験するお子さんご自身は勉強に集中していたり、来る試験本番に向けて緊張しているかもしれませんから
勉強の周りのことを積極的にサポートしてあげることが、お子さんにとって大きな助けとなるでしょう。
まとめ
この記事では、お子さんの英検準1級受験で、特にリスニングパートでできる保護者のサポートについて以下の点からお伝えしました。
- 英検準1級のリスニングでは、多様なアクセント・速さ・論理的展開が求められる。
- 家庭での対策は、「学習環境の整備」「日常的な英語の取り入れ」「要約練習」の3本柱が効果的。
- 保護者がリスニング音声を一緒に聞いたり、感想を共有したりすることで、学習はより前向きなものになる。
- YouTubeの活用では、BBC Learning EnglishやTED-Edなどの信頼できるコンテンツを選ぶのがポイント。
- 試験直前には、努力をねぎらい、リラックスできる声かけを意識する。
英検準1級のリスニングは確かに難易度が高いですが、お子さん一人に任せきりにするのではなく、保護者が環境を整え、前向きな声かけをすることが大きな力になります。
今回お伝えしたように、YouTubeの活用や日常生活での工夫、そして親子での「振り返り」などを通じて、楽しみながらスコアを伸ばしていくことが可能です。
この記事でお伝えした内容が、あなたのお子さんのさらなる英語力の躍進にお役立ていただければ幸いです。