英検2級は高校3年間で学ぶ英語をどれだけ理解しているのかを測る英語の試験です。
特に英検2級は大学入学共通テストや大学の入学試験と共通点が多く、また大学受験で英語力を提示出来る外部試験として利用する受験生も多いです。
この記事では、英検2級がどれくらいのレベルなのかと、英作文の対策方法、2次試験の対策方法についても詳しくお伝えします。
英検2級のレベルは?
英検準2級のレベルは、英検の主催者である「日本英語検定協会」は以下のように記載しています。
推奨目安:高校卒業程度
出題目安:医療やテクノロジーなど社会性のある英文読解も出題されます。海外留学、国内での入試優遇・単位認定など、コミュニケーション力が高く評価されます。ビジネスシーンでも採用試験の履歴書などで英語力をアピールできます。ライティングが加わります。
引用:日本英語検定協会
この英検協会からの言葉を見ると「高校卒業程度」が目安であることがわかります。
またひとつ下の級である英検準2級の目安に以下の記載があります。
高校卒業段階の英語力の達成目標:準2級~2級(文部科学省)
引用:日本英語検定協会
こちらを見ると、英検準2級から英検2級の間に高校卒業段階の英語力達成目標のラインがあることが伺えます。
以上のことから、英検2級に合格できれば「高校レベルの英語をしっかり使えるレベル」だと胸を張って言うことができるといえます。
英検2級の英単語レベル
英検2級の英単語レベルは4000語〜5000語程度だと言えます。
英検協会が英検2級の目安としている「高校卒業程度」ですが、文部科学省が公表している学習指導要領解説によると、高校卒業程度の英単語レベルは4000語〜5000語程度としています。
「指導する語数については,これまでの実績や諸 外国における外国語教育の状況などを参考に,実際のコミュニケーションにおい て必要な語彙を中心に,小学校で 600 ~ 700 語程度,中学校で 1,600 ~ 1,800 語 程度,高等学校で 1,800 ~ 2,500 語程度」を指導することとして整理している。
上に書いてある小学生、中学生、高校生の単語量を合計すると4000語〜5000語程度になるわけです。
また英検準2級の英単語レベルが3500語〜4000語レベル、英検2級の英単語帳が1500〜1800語程度の英単語数を取り扱っていること、そして英検2級の英単語帳の中でも何割かは英検準2級の英単語と重なる部分があることから、4000語〜5000語程度の英単語レベルに落ち着くといえます。
英検2級のライティング対策
英検2級には英作文(ライティング)問題があります。
準2級までの英作文(ライティング)問題から大きく変わっているのでぜひチェックしておきたいところです。
英検2級のライティング問題
英検2級の英作文(ライティング)問題は、与えられた話題(トピック)に対してあなたの意見を、理由を2つそえて80語〜100語を目安に英作文していきます。
またトピックに関する3つのキーワードが示されるので、キーワードをヒントに英作文を構成することもできます。
これを執筆している2022年9月現在、英検協会が公開している過去3回分の英作文のトピックは以下のとおりです。
- Some people say that it is necessary for people to go to important historical sites in order to understand history better. Do you agree with this opinion?
歴史をよりよく理解するために歴史的に重要な場所を訪れることが大切だと言う人もいますが、あなたはその意見に賛成ですか?(筆者意訳) - Today in Japan, many buildings and public areas have a lot of lights for decoration, such as the lights during Christmas. Do you think this is a good idea?
今日(こんにち)の日本では、たくさんの建物や公共エリアがまるでクリスマス期間のように光で装飾されます。あなたはこれが良いアイデアだと思いますか?(筆者意訳) - It is sometimes said that all people should be able to enter museums for free. Do you agree with this opinion?
美術館にはすべての人が無料で入れるべきだと時々言われます。あなたはその意見に賛成ですか?(筆者意訳)
事前にどんな質問が来るのかを把握していると対策がしやすいですよ。
英検2級の英作文対策
英検2級の英作文(ライティング)対策はTopic(議題)と模範解答(モデルエッセイ)のパターンを覚えるのが効果的です。
英検2級から英作文がショートエッセイ(小論文)風になり大きく変わりますが、やるべき対策は変わりません。
Question(質問)と模範解答(モデルエッセイ)のパターンを覚えることで、どんな質問に対してどんな回答をすれば理想的な作文になるのかがわかるので理想的な回答ができるようになります。
英検協会の公式ホームページで見られる英検3級の過去問と模範解答、もしくは6回分の過去問を演習と勉強できる全問題集で取り組むのが良いでしょう。
英検2級の過去問も、英検協会の公式ホームページで見ることができますよ。
英検2級の合格点は?何点取れば合格?
英検2級の合格点は毎回の試験ごとに異なります。なので「何点取れば合格!」とは断言できません。
ただし、英検協会の発表と英検独自の採点方式である「英検CSEスコア」に基づくと、「各技能(リーディングやリスニングなどのこと)で、6割程度の正解率で合格できる可能性が高い」といえます。
「英検CSEスコア」とは以下の特徴を持つ採点方式を指します。
2016年度の試験から、英検は採点方式を「英検CSEスコア」という独自の方式に移行しました。
英検が英検CSEスコアを採用した背景として、「各技能(リーディングやライティングなどのこと)で点数に偏りがある受験者よりも、各技能でまんべんなく点数を取れる受験者が合格しやすい仕組み」を取ったことが挙げられます。
また、英検を主催している日本英語検定協会の公式ホームページからは以下の言葉が記載されています。
正答数の目安を提示することはできませんが、2016年度第1回一次試験では、1級、準1級は各技能での正答率が7割程度、2級以下は各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格されています。
以上の「英検CSEスコアの性質」と「英検協会からの言葉」から、英検2級では「各技能(リーディングやリスニングなどのこと)で、6割程度の正解率で合格できる確率が高い」と言えるわけです。
英検2級の面接・2次試験対策
英検2級では、1次試験である筆記試験に合格すると、スピーキング力を測る面接試験が2次試験で行われます。
英検協会の公式ホームページで「バーチャル二次面接」を受験できるので、大まかな流れを把握しておくと良いですよ。
面接試験では、以下の流れで試験が行われます。
面接試験では3文程度の英文と、英文の内容に沿ったイラストが書かれたカードを渡され
- カードの黙読(20秒)
- カードの音読
- カードの内容に沿った質問に回答
- イラストに描かれた状況を自分の英語で説明する
- カードを伏せ、カードとは関係ない自分の意見を求められる質問を2問
といった流れで行われます。
バーチャル二次試験 英検2級を参考に作成
また英検2級の2次試験対策は、1次試験の英作文対策と非常に近く…
- どんな問題が出るの?
- イラストはどんな風に説明したら良いの?
- どんな質問がされるの?
- 質問には、どんな回答の仕方が好まれるの?
この4点をあらかじめパターンを掴んでおくのがスムーズです。
面接試験は、英検協会に1次試験のような過去問の公開がないので、市販の過去問題集や英検2次面接対策の参考書で対策するのがおすすめです。
また、どうしても2次試験を落としたくない場合や、自分ひとりで面接対策をするのが不安な人のために、学研のKimini英会話では英検の2次試験対策コースが用意されています。
実際の2次試験と同じ流れで、英語と教育に精通したプロの講師から丁寧に教えてもらえるのでぜひ参考にしてみてください。
学研のKimini英会話 英検2級合格コース
英検を運営している日本英語検定協会は、日本の教育を司る国の機関である文部科学省が後援しています。
なので、英検は学校の科目としての英語教育との相性がとても良いです。
学研は学習塾や教育サービスを古くから手掛けてきた老舗の会社です。
そんな学研の主催する英検合格コースは、学校の英語教育と相性が良い英検に非常に高い効果を期待できます。
ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、高校を卒業するまでに学ぶ英語をどれだけ理解しているのかを測る英検2級についてお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、英検2級合格に向けてまず何に取り組めば良いか、どんなレベルの問題が出るのか、どれくらい問題に正解すれば良いか、二次試験の面接にどう対策にすれば良いかなど、知識を十分に持っているでしょう。
この記事でお伝えしたことが、あなたの英語学習をより豊かにできれば幸いです。