英検準1級は大学中級程度のレベルに相当し、特にライティングでは「社会的なテーマに対して、自分の意見を120~150語の英語で論理的に表現する力」が求められます。
英検準1級の英作文では単語力や長文読解などの純粋な英語力に加え、考える力や構成力、そして自分の言葉で意見を述べる表現力が必要です。
お子さんにとっては難易度が高いと感じられるかもしれませんが、英語教育が進む中で、中学生や高校生でも英検準1級を目指すケースは増えてきています。
特に英語がずば抜けて得意なお子さんをお持ちで、「英語の得意分野を伸ばしたい」「将来的に留学を考えている」と考える家庭では、早い段階での準1級挑戦が視野に入ることもあるでしょう。
そんなご家庭では、お子さんが安心して準1級に挑戦できるよう、保護者が学習環境や気持ちの面で大きく手助けするのが大切です。
この記事では、英検準1級の中でも特にライティングに焦点を当て、親子で実践できる英作文サポートの方法をわかりやすくご紹介していきます。
英検準1級のライティングってどんな感じ?
英検準1級のライティングでは、与えられた社会的テーマに対し、賛成か反対かの立場をとり、自分の意見を120~150語で述べることが求められます。
例えば、以下のような出題があります:
- In urban areas, should the government encouraged vacant land to be used for farming?
- Should a high salary be the most important thing when searching for a job?
- Should people be banned from keeping dangerous animals as pets?
(英検公式ホームページ英検準1級過去問より(2024年度第1回英検準1級試験)引用)
それぞれ、訳すと
- 都市部では政府が空き地を農地として使うよう促すべきでしょうか?
- 職を探す時に高い所得が最も大事であるべきでしょうか?
- 猛獣をペットとして飼うのは禁止されるべき?
といった感じでしょうか。(筆者訳)
こうした英作文のトピックに対して、(※)イエスかノーか、明確な立場を示し、その理由を論理的に展開する必要があります。
※It depends,(状況による)という立場の表明でもOKです。
採点基準は以下の4点:
- 内容(Content):設問に対する答えとして適切か
- 構成(Organization):論理的な流れになっているか
- 語彙(Vocabulary):適切で多様な語彙が使われているか
- 文法(Grammar):正確な文法が使われているか
英検準1級の英作文で合格点を目指すには、この4つをバランス良く意識したエッセイを書けるようになることが重要です。
子どもの英作文力を伸ばす!家庭でできる5つのサポート術
英検準1級のライティング対策では、塾や教材だけに頼らず、家庭でのちょっとした関わりが子どもの力を大きく引き上げることがあります。
ここでは、保護者が無理なく取り組めるサポート方法を5つご紹介します。
1.PREP法を使った型トレーニング
英検準1級で合格しやすい英作文には型があります。
「PREP法」と呼ばれる作文の型が代表的でしょう。
PREP法とは、以下の4つの構成要素で意見を組み立てる方法です。
- Point(意見):自分の考え・主張をはっきり述べる
- Reason(理由):その意見の根拠を伝える
- Example(具体例):理由を裏付ける実例を挙げる
- Point(まとめ):もう一度自分の主張を簡潔に伝える
この順番で書くことで、エッセイが論理的で読みやすくなり、採点者にも意図が伝わりやすくなり、「文章構成」の点で高得点が取りやすくなりますよ。
2.模範解答の「言い回し」や「考え方」を真似る練習
英検公式サイトなどで公開されている模範解答(モデルエッセイ)や、英検準1級の英作文に特化した教材には、すぐに役立つ構成や表現が詰まっています。
模範解答(モデルエッセイ)にある役立つ表現を丸暗記するだけではなく、「どういう順番で意見を組み立てているか」「どんな表現が使われているか」を観察し、真似して練習すると、高得点を狙える作文が書けるようになりますよ。
3.簡単なテンプレ表現を覚えて使う
上述の「模範解答を真似る」と重なりますが、“I think that…”“One reason is that…”など、よく使われる表現をあらかじめいくつか覚えておくと、英作文のハードルがグンと下がります。
お子さんと一緒に「使えそうな表現リスト」を作って壁に貼るなど、家族の共同イベントとして楽しみながら定着させましょう。
4.難しい言葉より、シンプルで伝わりやすい英語を意識する
英検準1級の英作文では、難しい英単語や構文よりも、「わかりやすく、伝わる」英文が評価されます。
保護者の立場からも積極的に、難しい単語や複雑な構文よりも、「この言い方だと読み手に伝わりやすいね」と、シンプルな表現を肯定的にサポートする姿勢が大切です。
5.短時間で効率よく!英作文対策は“質”がカギ
英検準1級の英作文は毎日状時間取り組む必要はありません。むしろ、短期集中で英作文の「思考回路」を養うのが効果的です。
といった感じで、「トピックの質問→回答の型を当てはめる」のが大切。
なので、例えば「1か月間」といった感じで、期間を決めて集中して「英作文の思考回路」を養うと良いでしょう。
保護者の立場からも、「モデルエッセイではこんな風に解答してるね」「だったら、このトピックにはこんな風に回答すると良いかもね」といった感じでサポートしてあげるのが効果的です。
よく使う!英作文に役立つ基本表現集
英検準1級に限らず、英作文では「言いたいことはあるのに、英語でどう言えばいいかわからない」という場面が多くあります。
そんな時に使える便利な表現を、機能別にまとめてみました。
機能 | 英語表現の例 | 解説 |
---|---|---|
意見を述べる | I think that… / I believe that… | 「私は~と思います」という導入 |
理由を述べる | This is because… / One reason is that… | 理由説明に使える自然なつなぎ表現 |
例を挙げる | For example… / For instance… | 例示で説得力を持たせる時に便利 |
まとめる | Therefore… / In conclusion… | 結論に向けて話を締めるときに使用 |
順番を示す | First… / Second… / Finally… | 複数の理由や意見を順序立てて述べるときに便利 |
上述の基本表現を使って自分の意見をまとめながら、模範解答(モデルエッセイ)を見て「こんな風に英語で文章を組み立てれば良いんだなー」と学んでいくと良いでしょう。
模範解答(モデルエッセイ)を見ながら、「この表現使える!役に立つ!」と思った表現があれば、その度に取り入れるのも効果的です。
まとめ
この記事では、英検準1級の英作文について、保護者の視点からサポートできる点を次のようなポイントを紹介しました。
- 英検準1級の英作文は、社会的なテーマに対して120〜150語で意見を述べる形式である
- 採点のポイントは「内容・構成・語彙・文法」の4つ
- PREP法(意見→理由→例→まとめ)を使えば、論理的に書きやすくなる
- 模範解答を見て「構成」や「言い回し」を真似するのが効果的
- 難しい英語ではなく、シンプルで伝わる表現が高評価につながる
- 毎日長時間ではなく、短期集中&効率重視での学習が◎
英検準1級のライティングは、子どもにとって決して簡単なものではありませんが、「型」や「表現」を知ることで、取り組みやすくなります。
そして何より、保護者のちょっとしたサポートが、大きな自信につながります。
この記事でお伝えした内容が、ご家庭の学習環境構築に役立ち、お子さんが晴れて合格することに貢献できれば幸いです。