英検1級は大学上級程度のレベルで、出題される範囲の単語は約10,000〜15,000語と言われています。 10,000〜15,000語は膨大な量で、さまざまな分野からいろんな単語・熟語問題が出題されますが、どうやって1級レベルの単語を身につけていけばいいのか悩んでいる方も多いでしょう。

この記事では、英検1級に合格するために、1級レベルの単語を身につける方法について解説します。近年の英検1級の単語問題の傾向について分析し、その覚え方や学習方法についても触れていますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

単語まとめ記事

近年の英検1級の単語問題の傾向について分析するために、2024年度の過去問で大問1の単語問題をチェックしてみましょう。英検1級単語・熟語対策の書籍にのっていない単語も出題されているので、そういった問題を中心に紹介します。

(1)  The software developers were close to launching their new product but needed to fix one more (       ) in the program before it would be ready.
1  garnish        2  cramp        3  disciple        4  glitch

 

(4)   After discovering voter fraud in the recent election, officials decided an (      ) of the result was in order. They will have to hold a new election next month.
1  antecedent      2  annulment       3  impasse        4  overture

 

(5)   After a few months, the man began to find life in the village rather (      ). He missed the excitement of living in a big city.
1  ferocious       2  emblematic       3  rampant        4  humdrum

 

(6)  The new CEO attacked the company’s budget with (       ) efficiency, eliminating unnecessary positions and cutting some salaries by as much as 40 percent.
1  gauche        2  esoteric         3  ruthless        4  despondent

 

(7)   Some of the students in Kathleen’s class are very (      ) and unfriendly. At school, they spend time with only with each other and refuse to talk with anyone else.
1  indistinct        2  cliquish         3  shrill           4  lurid

2024年度 1級 第1回問題より抜粋

大問1の(1)で、「ソフトウェア開発者は新製品の発売を間近に控えていたが、それが準備できる前にもうひとつ、プログラムの(    )を修正する必要があった」という意味なので、答えは4の glitch「不具合」です。この単語は1級 出る順パス単には出ていないですが、出る順で最短合格!英検1級単熟語EX 第2版には出ています。

(4) は「先日の選挙で不正投票が発覚し、当局はその結果の(    )が必要だと判断した。来月には新しい選挙を実施しなければならない」という意味なので、空所には 2 の annulment「無効」が入ります。

(5)は「数カ月後、その男は村での生活をむしろ(  )と感じるようになった」とあり、次の文で「彼は大都会の生活の興奮が恋しかった」とあるので、空所には4の humdrum「単調な、退屈な」が入ります。この単語は、1級 出る順パス単にも出る順で最短合格!英検1級単熟語EX 第2版にも出ていませんが、他の選択肢の単語は出ているので、消去法で選ぶことになります。

(6)は「その新しいCEOは(    )効率で、会社の予算を攻め、不必要な役職を廃止し、給与の一部を40%も削減した」という意味なので、空所には 3の ruthless「無慈悲な」が入ります。この単語も1級 出る順パス単にも出る順で最短合格!英検1級単熟語EX 第2版にも出ていませんが、1級レベルなら知っているべき単語だと言えます。

(7)は「キャサリンのクラスには、とても(    )で無愛想な生徒たちがいる。学校では、彼らはお互いにしか話さず、他の誰とも話そうとしない」という意味なので、空所には2の  cliquish「排他的な」が入ります。cliquishは1級 出る順パス単には出ていませんが、出る順で最短合格!英検1級単熟語EX 第2版には出ています。

1級単語の覚え方

1級単語の学習方法

1級単語の覚え方のコツとしては、名詞が出てきたら、その形容詞など関連語があるものは関連語も一緒に覚えるようにしましょう。上記(4)の問題で、annulment「無効」の形容詞形は annul「無効の」で、これはプログラミング学習者には馴染みのある単語だと思います。上記(7)の問題で、cliquish「排他的な」の名詞形はclique「徒党、派閥」です。

上記(6)の問題で、-less がつくと、「―がない」という意味になります。ruthは「慈悲、哀れみ」という意味で、ruthlessは「無慈悲な」という意味です。cashless「現金なしの」にも-lessがついていますね。

接頭辞などを意識して単語を覚えるのも効果的です。例えば、omni-には「すべての」everywhere や everythingという意味があると知っていると、omnichannel やomnidirectional などの意味が類推できます。

1級単語の学習方法

1級単語の学習方法

英検1級の書籍に出ている単語を必死になって覚えれば、1級の単語問題は完璧に解けると思っていたのに、書籍に出ていない単語も出題されていると知り、ショックを受けた方もおられるでしょうが、近年の1級過去問をチェックすると、その傾向があります。1級の単語問題で正答率を上げたいなら、「出る順で最短合格!英検1級単熟語EX 第2版」もやった方がいいですし、単語がなかなか覚えられず困っているという方には「英単語の語源図鑑」もおすめします。以下に1級の単語学習におすすめの本をリストアップします。

出る順で最短合格!英検1級単熟語EX 第2版
ジャパンタイムズ出版から2023年4月5日に発売されているこの書籍に掲載されている単語熟語は、英検1級で出題される確率が高いと、定評があります。書籍の音声ダウンロードも可能です。以前は、見出し語の後にその語を使った英文が読まれていたのですが、見出し語の後に日本語の意味の音声が追加されました。

英検1級 でる順パス単 5訂版
2021年6月29日に5訂版が発売されました。でる順パス単は、英検に合格できるよう単語熟語を覚えるのに長年活用されてきましたが、年数を重ねるにつれて英検1級の出題傾向が変わってきているので、最新版を使うことをおすすめします。

英単語の語源図鑑
この本は「100の語源で10,000語が身につく」という謳い文句で売られています。1級の単語学習に疲れたとき、接頭辞や語根について学ぶと、単語の成り立ちが分かり、ボキャブラリーが広がっていくでしょう。

まとめ

英検1級レベルの単語を身につける方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。英検1級の一次試験に出てくる単語は難解なものが多いです。しかし、地道に単語を覚え、学んだ単語を使って英作文をしたり、読解問題を解いたり、リスニング問題に取り組んだりすることで、1級合格に到達できるのではないでしょうか。

あきらめずに挑戦し続けることで、道が開けてくると思います。この記事が、1級合格を目指している方にとって少しでもお役に立てれば幸いです。