高校入試や大学入試に英検の資格やCSEスコアが活用されるようになってきて、中高生を中心に英検を受験する人の数がますます増えていますが、英検2級の合格率はどれぐらいなのでしょうか。
この記事では、英検2級の合格率と合格点、そのレベルについて解説します。英検2級を目指しておられる方や周りに2級を受験する人がおられる方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
英検2級の合格率
英検2級の一次試験の合格率は約25%です。一次試験は4人に1人が合格する試験ですが、二次試験は合格率が約80%とされており5人のうち4人が合格できる試験です。一次試験に合格して二次試験に1回目で落ちても、1年間一次試験の合格資格は有効ですので、残り3回のうちに合格すれば大丈夫です。
総合的に言って、英検2級は一次試験に合格すれば、大半の人が合格できる試験だと言えます。大学入試や就職で英検2級の資格を活用したいなら、いつまでに英検2級に合格するという計画を立てて受験し、合格に向けてコツコツ勉強していく必要があります。
英検2級の合格点
英検2級の合格点を詳しく見ていきましょう。英検2級は、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能にそれぞれ650点ずつ割り当てられており、合計で2600点です。
英検2級の合格点は一次試験が1950点中1520点、二次試験が650点中460点となっています。英検2級の一次試験と二次試験の合計の合格点は1980点で、2600点中1980点とれれば合格となります。
つまり一次試験に合格するためには78%程度、二次試験に合格するためには71%程度を得点する必要があります。かなり高い割合の得点が必要になってくると言えますね。
英検2級の測定技能と検定形式
英検2級の一次試験は筆記85分、リスニング約25分です。
一次試験の測定技能と検定形式をチェックして分析してみましょう。
技能 | 形式 / 問題数 | 解答形式 | 問題数 |
[1] リーディング | 短文の語句、空所補充 | 4肢選択 | 17 |
[2] リーディング | 長文の語句、空所補充 | 4肢選択 | 6 |
[3] リーディング | 長文の内容、一致選択 | 4肢選択 | 8 |
[4] ライティング | 英文要約 | 記述式 | 1 |
[5] ライティング | 英作文 | 記述式 | 1 |
リスニング 第1部 | 会話の内容、一致選択 | 4肢選択 | 15 |
リスニング 第2部 | 文の内容、一致選択 | 4肢選択 | 15 |
英検公式サイトより「2級の試験内容」引用リーディングは、大問2と大問3でもある程度点数を取らなければなりませんが、大問1の17問で点数を上げていく必要があります。大問1の内訳は、最初の10問が単語の問題で、残りの7問が熟語問題です。
大問4と大問5のライティングにも650点が割り当てられているので、要約問題と英作文でもしっかり点を取りたいですね。2024年度から導入されて要約問題は、リーディングとライティングの融合問題ですが、読解文があまり長くないのでコツをつかめば、準1級や1級の要約問題ほど大変ではないと言えるでしょう。要約問題と英作文の対策については、ライティング対策の記事をチェックしてください。
リスニングは、第1部と第2部があり、それぞれ15問ずつです。英1部は男女の会話の内容に関する質問に答える問題です。第1部では男女の会話なので、男性の発言にはMと書いてメモを入れ、女性の発言にはWと書いてメモを入れるという方法もあります。第2部はパッセージの内容に関する質問に答える問題で、第2部の問題が苦手な人が多いようです。第2部が苦手な人は第2部の問題を集中的に解いて練習しましょう。数字もたくさん出てくるので、集中して聞きながら素早くメモをとるのがおすすめです。第2部の問題が苦手だなと感じたら、その部分を強化していくべきですが、ただ単に何度も問題を解いているだけではなかなか改善しないでしょう。「なぜそのパートで得点できないのか、どうすれば点数が上がるのか」を分析して練習していきましょう。
英検2級のレベルとすごさ
英検2級のレベルは、一般的に高校卒業程度と言われています。大学入試に英検のCSEスコアが活用されるようになり、有名私立大学の出願条件や合格条件に英検2級A判定以上としている大学もあります。英検2級A判定を取得するのは結構大変なため、英検準1級合格を目指す人も増えてきています。
確かに英検2級をA判定で合格するのとC判定で合格するのとでは、かなり差があります。英検2級の合格者のうち、B判定で合格する人が多いと考えられます。有名私立大学の特定の学部を目指している人は、英検準1級に高3の9月までに合格したいところですが、有名私立大学で英検2級の資格を出願条件にしている大学もありますので、高2か高3の早い時期までには英検2級に合格しておきたいところですね。
英検2級の資格は大学入試の出願などに活用できるだけでなく、企業への就職においても役に立つ機会が多いです。準1級以上の資格を応募の条件としている企業もありますが、英検2級の資格+専門分野の知識や資格を応募の条件にしている企業もありますので、英検2級はぜひ合格しておきたいところです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。英検2級の合格率と具体的な合格点、そのレベルとすごさについて解説してきました。
検定形式や問題数についても図で提示しているので、どのパートでどれだけ得点すれば合格できるかについて、イメージしていただきたいです。英検2級は一次試験に合格すれば、二次試験は3回まで落ちても、4回目に受かれば合格できる試験です。
とはいえ、2級の一次試験に合格するのが難しいと感じている生徒さんもおられるでしょう。実際、2級になかなか合格できない人もいます。コツコツ2級レベルの単語や熟語を覚えて、長文読解やライティング、リスニングにも取り組まないと、なかなか合格が厳しい試験だとも言えます。
高校生で英検2級合格を目指しているという生徒さんも時々見かけますが、英語学習は小学校中学校からの積み重ねです。高校になると、英語の授業はどこの学校でも2つや3つになり、学校の宿題も増えて、学校の宿題だけで手がいっぱいで、英検の勉強をする余裕がないという方もいます。できるだけ中3の終わりまでに準2級に合格しておいて、高2の終わりまでには英検2級に合格したいところです。
公立の学校でも小学校3年から英語教育は始まっていますが、どれぐらい本格的に取り組むかは学校や個人によってかなり差があります。でも、高3になって大学受験に直面する時期はみんな同じなので、小学校中学校でどれだけ熱心に英語に取り組むかを、真剣に考えていった方がいいです。
英単語を覚えるだけで英語を学習した気になりがちですが、英文法も勉強して英語で本を読んだりニュースを聞いたり英語でスピーチしたりしないと、合格できないような試験が増えてきています。英検も2級以上は特に英単語・熟語を覚えただけでは歯が立たない試験に変わってきています。
スマホの画面ばかり見て読書を全くしない子供たちの数が増えてきていますが、読書をしない子供たちは、大学入試や英検の上位級を突破するのは難しくなってきているように感じます。子供を小中学生からアメリカやイギリスの学校に通わせている親御さんは、レベルに合わせて英語の本を読ませたり英語ニュースを聞かせたりしています。
いつまでに3級、準2級、2級に合格するという計画と目標を立てて、その目標達成のために具体的に何をしていけばいいのか落とし込んでいきましょう。