2024年度から英検2級のライティングに要約問題が追加されましたが、その対策はできてますでしょうか。
この記事では、「英検2級のライティング攻略」というテーマで、英検2級のライティングで合格点に到達する方法について解説します。使える表現や練習問題も紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。

英検2級のライティングとは?

英検2級のライティングとは?

英検2級のライティングは、大問4の英文要約問題と大問5の英作文(意見陳述問題)で構成されています。大問5の英作文(意見陳述問題)は以前からありましたが、2024年度から大問4の英文要約問題が追加されました。

2級のライティングの配点は、CSEスコアで言うと合計650点で、一次試験の3分の1を占めています。一次試験はリーディング、ライティング、リスニングにそれぞれ650点ずつが割り当てられており、合計で1950点ですが、その合格点が1520点とされています。ライティング2問650点の比重は大きく、他技能より1問あたりの配点が高いですね

リーディングやリスニングの点数が7割に少し満たなくても、ライティングの点数が高ければ、挽回して合格できるというケースもあるので、ライティングを軽視するわけにはいきません

また、英検2級は一次試験に合格すれば、その資格は1年間有効ですし、二次試験に1回で合格できなくても1年以内には合格できる可能性が高く、二次試験の合格率は高いです。なので、英検2級は一次試験に合格すれば突破しやすい試験だと言えます。

大問4 英文要約問題

150語程度の社会や生活に関する英文を読んで、45~55語のサマリー(要約)を作成します。大問4の目標回答時間は約15分間です。

大問5 英作文(意見陳述問題)

大問5(意見陳述問題)は、与えられた TOPIC について、自分の意見とその理由2つを80~100語程度のエッセイ(英文)にまとめるというものです。大問5の目標回答時間は約20分間です。

2級の筆記試験は85分間ですが、5分はリスニング問題の選択肢を確認する時間にあてたいので、残り80分で大問5までを解き切らなくてはなりません。この時間配分が意外と難しく、各大問を何分で解くという目標回答時間を設定しておくことが重要です。

大問1の短文の語句、空所補充は約10分、大問2の長文の語句、空所補充は約15分、大問3の長文の内容、一致選択は約20分、大問4の要約問題は約15分、大問5の英作文(意見陳述問題)は約20分で、合計80分になります。

大問2と大問3のリーディングの時間がかけすぎて、ライティングの時間確保がおろそかになりがちの人には、大問1の後、大問4と大問5を時間コントロールしながら先に解いて、大問2と大問3を解くことをおすすめします。

英検2級ライティングに使える表現

要約問題と英作文(意見陳述問題)に分けて、使える表現を紹介していきます。

要約問題で使える表現

  • Some … decide [choose] to ….
    (…の中には…することを決断(選択)する人もいる
  • While some people …, others ….
    する人もいれば、する人もいる)
  • By doing so, ….
    (そうすることによって、…)
  • On the other hand,
    (一方)を However,(しかしながら)に言い換え
  • S may find it … to ―
    「Sは ―するのが…だと気づくかもしれない」

英作文(意見陳述問題)で使える表現

  • I agree /disagree with this opinion.
    (私はこの意見に同意します/同意しません。)
  • First, ….. Second, ….
    (まず第一に…。第二に…。)
  • 名詞 such as A and B
    (AやBのような名詞)
  • Therefore, / In conclusion, ….
    (ゆえに/結論として…)

英検2級ライティングの練習問題

2級ライティングの練習問題として、英検公式サイトに掲載されている過去問の大問4の要約問題を例に挙げて、解き方のコツを解説していきます。
準1級や1級の要約問題はもっと複雑なのですが、2級の場合は長文が150語程度と短めですし、そんなに高度な言い換えも要求されていないので、比較的解きやすいです。

      When people look for a job, some choose a workplace that is close to where they live, while others move to a new town or city in Japan. There are other choices, too. Some of them decide to go to other countries to work.

      What are the reasons for this? They can have experiences that they cannot have in their own countries while working abroad. Also, they can learn a local language by using it not only at work but also at other times. This can help their further career as well.

      On the other hand, people have to face issues with differences in customs at work. It can take a long time to get used to the new work environment if things are very different from their own countries. Also, people cannot easily visit their family and friends back home. This can cause them to feel lonely.

 

2024年度2級第3回問題より抜粋

要約問題は、以下の1~3の手順で進めていきます。

  1. まず文章全体で何を伝えたいのかを捉える。
  2. パラグラフごとに重要なポイントを盛り込む。
  3. 具体的表現を抽象的(総称的)表現にまとめてアウトプットする。

1のこの文章のテーマは、第1段落の最終文に書かれていますが、その文をそのまま書き写すと、Some of them の”them” って誰のことだろうという話になりますから、Some people として、まずテーマの1文を書きます。
第2段落では、第2文から第4文までを1文にうまくまとめます。
第3段落は、On the other hand, で始まりますが、ここで逆接のことを述べているので、これをHowever, に変えて、However, they have to face issues with differences in customs at work とまず入れて、最後の2文の内容を入れます。

解答例:
Some people decide to go to other countries to work. While working abroad, they can have new experiences and learn a local language that can help their further career. However, they have to face issues with differences in customs at work and feel lonely because they cannot easily visit their family and friends. (53 words)

公式サイトに掲載されている模範解答では、最終文の because以下は、for not being able to visit their family and friends easilyとなっていますが、because の節で書く方が書きやすいのではないかと思います。問題文の要点部分を太字にしていますので、参考にしてください。

「今すぐ解いてみよう」コンテンツ

次に、大問5の英作文(意見陳述問題)は、どんなふうに解けばいいのかについて解説します。

In Japan, some people say that famous tourist sites, such as castles and temples, should limit the number of visitors. Do you agree with this opinion?

POINTS

  • Cleanliness
  • Local economies
  • Reputation

2024年度2級第2回問題より抜粋

英作文問題は、以下の手順で進めていきます。

  1. 第1文で「賛成」か「反対か」自分の立場を明確に述べる。
  2. First, …. と1番目の理由のまとめの1文を入れ、その後それを補足する1文を入れる。
  3. Second, ….と2番目の理由のまとめの1文を入れ、その後それを補足する1文を入れる。
  4. Therefore, [In conclusion], ….と結論の文を入れる。第1文のステートメントと全く同じにならないようにする。

解答例:

I agree with the opinion.

First, visitors can enjoy sightseeing more comfortably. With limitations, famous sites could be less crowded, and visitors can enjoy famous sites without having to wait in long lines.
Second, limiting the number of visitors would help improve the daily lives of local people living near tourist sites. When fewer tourists come to these sites, people living nearby can reduce the number of problems such as garbage and noise caused by these tourists.
Therefore, I think that famous tourist sites should limit the number of visitors. (90 words)

「城や寺のような有名な観光地は、訪問者の数を制限すべきだという意見に賛成するか」という問いに対して、最初に「その意見に賛成です。」と述べます。

「第一に訪問者はもっと快適に観光を楽しめるから」という理由を挙げ、「制限があると、有名な観光地はあまり混まないだろう(less crowded)と述べています。

「第二に訪問者の数を制限することは、観光地の近所に住む地元の人々の日常生活を改善するのに役立つ」という理由を挙げ、「あまり観光客が来ないと、近所に住んでいる人々は、これらの観光客によって引き起こされるゴミや騒音のような問題の数を減らすことができる」と述べています。

「それゆえに、有名観光地は訪問者の数を制限するべきだ」という結論で締めています。

英検2級ライティング対策におすすめの書籍

英検2級ライティング対策におすすめの書籍

最後に、英検2級ライティング対策におすすめの書籍を3冊紹介します。

英検®合格のための要約問題 予想問題集 英検1級、準1級、2級対応

2024年度から始まった要約問題の対策にはこの本がおすすめです。英検2級、準1級、1級の要約問題に特化した書籍で、要約問題が苦手な人はぜひこの本を試してみてはいかがでしょうか。

 

英検分野別ターゲット英検2級ライティング問題 (旺文社英検書) 

ライティング意見陳述問題の対策には、英検分野別ターゲット英検2級ライティング問題 (旺文社英検書) がおすすめです。

最短合格! 英検®2級 英作文&面接完全制覇

2018年9月5日にジャパンタイムズ出版から発売された「最短合格! 英検®2級 英作文&面接完全制覇」は、英作文(意見陳述問題)と二次試験の面接攻略のために編集されています。

まとめ

「英検2級のライティング攻略」というテーマで解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事を読んだ皆さんが、英検2級のライティングに対する苦手意識が払しょくできていれば幸いです。
ライティング問題が大問2つになって大変だなと感じている方もおられるでしょうが、要約問題は長文が150語程度であまり長くないですし、コツをつかめば、うまくまとめられるようになります。意見陳述問題も、最初に自分の立場を明確にし、その理由2つを分かりやすく明確に2文ずつ入れていけば、あまり難しくないと思います。
ぜひ2級ライティング問題を攻略して、一次試験を突破し、二次試験にも合格していただきたいです。