2024年度から英検2級のライティングに要約問題が追加されましたが、その対策はできていますか。
英検2級のライティング試験では、適切な表現を使って自分の意見を明確に伝えることが重要です。まず、基本的な説明として、英検2級では日常的なトピックに対する意見を述べる能力が問われます。例えば、”I believe that …”や”In my opinion,”など、意見を示すフレーズを使うことで、文章の導入部分を強化できます。
具体的なアドバイスとしては、意見を述べる際に”Firstly”や”Furthermore”などのつなぎ言葉を活用することで、論理の流れをスムーズにすることが推奨されます。また、”For example”を使って具体例を挙げることで、説得力を高めることもできます。
実践的なポイントとしては、書く前にアイデアを整理し、簡単なアウトラインを作成することが重要です。さらに、文法ミスを減らすために、書き終えた後は必ず見直しを行いましょう。これにより、より高得点を狙えるライティングが完成します。
この記事では、「英検2級のライティング攻略」というテーマで、英検2級のライティングで合格点に到達する方法について解説します。使える表現や練習問題も紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
英検2級のライティングの試験内容と概要

英検2級のライティングの意見陳述問題では、日常生活に関連するテーマについて自分の意見を述べる形式で行われます。具体的には、与えられたトピックについて賛成か反対かを選び、その理由を具体的に示しながら80〜100語で書くことが求められます。
試験の目的は、英語での論理的な思考力と文章構成力を評価することにあります。ライティングの評価基準は、内容、構成、語彙、文法の4つの観点から行われます。準備としては、日頃から様々なトピックに対して自分の意見を持ち、その理由を整理する練習をすることが効果的です。
ライティングの要約問題では、3つのパラグラフから成る英文を読んで、その内容を45~55語の英語で要約することが求められています。2024年度からライティングに要約問題が追加されましたが、要約問題の解き方について、どんな風に解けば、点数が取れるのか分かってきました。過去問を活用し、実際に書く練習をすることで、試験当日の時間配分や構成方法を身につけることができます。
英検2級のライティングは、大問4の英文要約問題と大問5の英作文(意見陳述問題)で構成されています。大問5の英作文(意見陳述問題)は以前からありましたが、2024年度から大問4の英文要約問題が追加されました。
2級のライティングの配点は、CSEスコアで言うと合計650点で、一次試験の3分の1を占めています。一次試験はリーディング、ライティング、リスニングにそれぞれ650点ずつが割り当てられており、合計で1950点ですが、その合格点が1520点とされています。ライティング2問650点の比重は大きく、他技能より1問あたりの配点が高いですね。
リーディングやリスニングの点数が7割に少し満たなくても、ライティングの点数が高ければ、挽回して合格できるというケースもあるので、ライティングを軽視するわけにはいきません。
また、英検2級は一次試験に合格すれば、その資格は1年間有効ですし、二次試験に1回で合格できなくても1年以内には合格できる可能性が高く、二次試験の合格率は高いです。なので、英検2級は一次試験に合格すれば突破しやすい試験だと言えます。
大問4 英文要約問題
150語程度の社会や生活に関する英文を読んで、45~55語のサマリー(要約)を作成します。大問4の目標回答時間は約15分間です。
大問5 英作文(意見陳述問題)
大問5(意見陳述問題)は、与えられた TOPIC について、自分の意見とその理由2つを80~100語程度のエッセイ(英文)にまとめるというものです。大問5の目標回答時間は約20分間です。
2級の筆記試験は85分間ですが、5分はリスニング問題の選択肢を確認する時間にあてたいので、残り80分で大問5までを解き切らなくてはなりません。この時間配分が意外と難しく、各大問を何分で解くという目標回答時間を設定しておくことが重要です。
大問1の短文の語句、空所補充は約10分、大問2の長文の語句、空所補充は約15分、大問3の長文の内容、一致選択は約20分、大問4の要約問題は約15分、大問5の英作文(意見陳述問題)は約20分で、合計80分になります。
大問2と大問3のリーディングの時間がかけすぎて、ライティングの時間確保がおろそかになりがちの人には、大問1の後、大問4と大問5を時間コントロールしながら先に解いて、大問2と大問3を解くことをおすすめします。
英検2級ライティングに使える表現

英検2級のライティング試験では、使える表現を身につけることで、論理的で説得力のある文章を作成することができます。まず、意見を述べる際には”I believe that…”や”In my opinion…”といった表現が有効です。理由を説明するときは”This is because…”や”The reason is…”を使って明確にしましょう。具体例を挙げる際には”For instance…”や”Such as…”が便利です。最後に、結論を示す際には”In conclusion…”を用いると文章がまとまります。これらの表現を使いこなすことで、試験官に明瞭で組織的な文章構成を示すことができ、高得点を狙うことができます。
ここからは、要約問題と英作文(意見陳述問題)に分けて、使える表現を紹介していきます。
要約問題で使える表現
要約問題において、独自性を強化するためには、特定の表現を効果的に使うことが重要です。まず、要約の冒頭では“The main point is…“や“The article discusses…”といった表現を用いることで、情報の核心をつかむことができます。
次に、具体的な内容を示す際には、“According to the text…”や“The author states that…”を使用することで、情報源を明確にし、信頼性を高めることができます。
最後に、まとめ部分では“In summary, …”や“Overall, …”を活用し、要約した内容を端的に締めくくることができます。これらの表現は、試験官に明確で整理された要約能力を示す助けとなり、より高得点を狙うための鍵となります。
以下に紹介している表現も、要約問題で使えます。
- Some … decide [choose] to ….
(…の中には…することを決断(選択)する人もいる - While some people …, others ….
(…する人もいれば、…する人もいる) - By doing so, ….
(そうすることによって、…) - On the other hand,
(一方)を However,(しかしながら)に言い換え - S may find it … to ―
「Sは ―するのが…だと気づくかもしれない」
英作文(意見陳述)で使える表現
英検2級の英作文における意見陳述問題では、明確で説得力のある表現を用いることが重要です。まず、主張を述べる際に“I believe that …”や“In my opinion, …”といった定型句を用いると、意見を明確に提示できます。
また、理由を説明する際には“This is because…”や”First …”, “Second …”を使用すると、論理的な流れを作りやすくなります。さらに、反対意見を述べた後に自分の意見を強調するためには、”However”や”On the other hand”を使うと効果的です。これらの表現を適切に組み合わせることで、試験官に分かりやすく整理された論旨を伝えることができ、高得点を狙うための鍵となります。英検2級のライティング試験では、これらの表現を駆使して、自分の意見を明確かつ論理的に伝えることが求められます。
以下に紹介している表現も、意見陳述で使えます。
- I agree /disagree with this opinion.
(私はこの意見に同意します/同意しません。) - First, ….. Second, ….
(まず第一に…。第二に…。) - 名詞 such as A and B
(AやBのような名詞) - Therefore, / In conclusion, ….
(ゆえに/結論として…)
英検2級ライティングの練習問題
2級ライティングの練習問題として、英検公式サイトに掲載されている過去問の大問4の要約問題を例に挙げて、解き方のコツを解説していきます。
準1級や1級の要約問題はもっと複雑なのですが、2級の場合は長文が150語程度と短めですし、そんなに高度な言い換えも要求されていないので、比較的解きやすいです。
When people look for a job, some choose a workplace that is close to where they live, while others move to a new town or city in Japan. There are other choices, too. Some of them decide to go to other countries to work.
What are the reasons for this? They can have experiences that they cannot have in their own countries while working abroad. Also, they can learn a local language by using it not only at work but also at other times. This can help their further career as well.
On the other hand, people have to face issues with differences in customs at work. It can take a long time to get used to the new work environment if things are very different from their own countries. Also, people cannot easily visit their family and friends back home. This can cause them to feel lonely.
2024年度2級第3回問題より抜粋
要約問題は、以下の1~3の手順で進めていきます。
- まず文章全体で何を伝えたいのかを捉える。
- パラグラフごとに重要なポイントを盛り込む。
- 具体的表現を抽象的(総称的)表現にまとめてアウトプットする。
この文章のテーマは、第1段落の最終文に書かれていますが、その文をそのまま書き写すと、Some of them の”them” って誰のことだろうという話になりますから、Some people として、まずテーマの1文を書きます。
第2段落では、第2文から第4文までを1文にうまくまとめます。
第3段落は、On the other hand, で始まりますが、ここで逆接のことを述べているので、これをHowever, に変えて、However, they have to face issues with differences in customs at work とまず入れて、最後の2文の内容を入れます。
解答例:
Some people decide to go to other countries to work. While working abroad, they can have new experiences and learn a local language that can help their further career. However, they have to face issues with differences in customs at work and feel lonely because they cannot easily visit their family and friends. (53 words)
公式サイトに掲載されている模範解答では、最終文の because以下は、for not being able to visit their family and friends easilyとなっていますが、because の節で書く方が書きやすいのではないかと思います。問題文の要点部分を太字にしていますので、ぜひ参考にしてください。
「今すぐ解いてみよう」コンテンツ
次に、大問5の英作文(意見陳述問題)は、どんなふうに解けばいいのかについて解説します。
In Japan, some people say that famous tourist sites, such as castles and temples, should limit the number of visitors. Do you agree with this opinion?
POINTS
- Cleanliness
- Local economies
- Reputation
2024年度2級第2回問題より抜粋
英作文問題は、以下の手順で進めていきます。
- 第1文で「賛成」か「反対か」自分の立場を明確に述べる。
- First, …. と1番目の理由のまとめの1文を入れ、その後それを補足する1文を入れる。
- Second, ….と2番目の理由のまとめの1文を入れ、その後それを補足する1文を入れる。
- Therefore, [In conclusion], ….と結論の文を入れる。第1文のステートメントと全く同じにならないようにする。
解答例:
I agree with the opinion.
First, visitors can enjoy sightseeing more comfortably. With limitations, famous sites could be less crowded, and visitors can enjoy famous sites without having to wait in long lines.
Second, limiting the number of visitors would help improve the daily lives of local people living near tourist sites. When fewer tourists come to these sites, people living nearby can reduce the number of problems such as garbage and noise caused by these tourists.
Therefore, I think that famous tourist sites should limit the number of visitors. (90 words)
「城や寺のような有名な観光地は、訪問者の数を制限すべきだという意見に賛成するか」という問いに対して、最初に「その意見に賛成です。」と述べます。
「第一に訪問者はもっと快適に観光を楽しめるから」という理由を挙げ、「制限があると、有名な観光地はあまり混まないだろう(less crowded)と述べています。
「第二に訪問者の数を制限することは、観光地の近所に住む地元の人々の日常生活を改善するのに役立つ」という理由を挙げ、「あまり観光客が来ないと、近所に住んでいる人々は、これらの観光客によって引き起こされるゴミや騒音のような問題の数を減らすことができる」と述べています。
「それゆえに、有名観光地は訪問者の数を制限するべきだ」という結論で締めています。
英検2級ライティング攻略のための時間配分と解答手順
英検2級のライティング試験では、限られた時間内に効果的な文章を作成することが求められます。一次試験の試験時間は85分で、ライティングにあてる推奨時間は、要約問題に15分、意見陳述問題に約20分とされています。これを最大限に活用するための時間配分が重要です。
意見陳述問題では、初めの5分間は与えられたテーマを理解し、アイデアを整理するのに使いましょう。次の10分間は実際に文章を書き上げる時間です。この間は、導入部、本文、結論の構成を意識しながら、一貫性のある主張を展開します。最後の5分は、文法やスペルミスのチェックに充てるのが理想的です。
解答手順としては、まず自分の意見を明確にし、それを支える具体的な例を挙げることがポイントです。例えば、環境問題についてのテーマなら、自分の経験や統計データを利用して説得力を持たせると良いでしょう。これらのステップを踏むことで、論理的で読みやすい文章が完成します。時間を効率的に使いながら、明確な構成を持つ文章を心がけることが、ライティング試験での成功への鍵です。
時間配分の重要性
英検2級のライティング試験では、時間配分が非常に重要です。限られた時間内で効果的に文章を構成し、書き上げるためには計画的なアプローチが欠かせません。
まず、試験開始後に数分を使って、テーマに関するアイデアをメモします。このステップで、論理的な流れを構築するための骨格ができます。次に、イントロダクション、ボディ、そして結論という三部構成を意識しながら、各部分に割り当てる時間を明確にします。例えば、イントロダクションに5分、ボディに10分、結論に5分といった具合です。実際に書き始めたら、時間の経過を意識し、必要以上に一部分に固執しないようにしましょう。最後に、必ず数分間を見直しのために残しておくことが、ミスを減らし、文章の質を向上させるポイントです。時間をうまく管理することで、ライティング試験での成功を手にすることができます。
具体的な解答手順
英検2級ライティングにおいて、独自性のある解答を作成するためには、まず問題文をしっかりと理解し、要求されている内容に対して自分の意見を明確にすることが重要です。次に、意見を支持するための理由を2〜3つ挙げ、それらを具体的な例で補強します。たとえば、環境問題に関するトピックであれば、再生可能エネルギーの利用拡大によるメリットを具体的に説明し、他国の成功事例を引用することで説得力を高めることができます。
また、ライティングの構造を整えるために、序論、本論、結論を明確に区分し、それぞれに適切な表現を用いることが求められます。最後に、文法やスペルミスを防ぐため、時間を確保して見直しを行い、文章の質を向上させましょう。これにより、独自性と適切な論理構成を兼ね備えた解答を作成することができ、ライティング試験での成功につながります。
効率的な時間管理のコツ
英検2級のライティング試験において効率的な時間管理は非常に重要です。まず、試験開始時には問題全体を一読し、ライティングに必要な時間を予測します。この計画を立てることで、時間に追われることなく、落ち着いて解答を進めることができます。次に、各段落の構成を事前に頭の中で整理し、書き始める前にメモを取ることをお勧めします。これにより、文章全体の流れを把握しやすくなり、独自性のある意見を効果的に表現できます。さらに、書き終えた後は必ず時間を確保して見直しを行い、文法や語彙のミスを修正しましょう。時間管理をしっかりと行うことで、ライティングの質が向上し、成功につながります。
英検2級ライティング対策におすすめの書籍

最後に、英検2級ライティング対策におすすめの書籍を3冊紹介します。
英検®合格のための要約問題 予想問題集 英検1級、準1級、2級対応
2024年度から始まった要約問題の対策にはこの本がおすすめです。英検2級、準1級、1級の要約問題に特化した書籍で、要約問題が苦手な人はぜひこの本を試してみてはいかがでしょうか。
英検分野別ターゲット英検2級ライティング問題 (旺文社英検書)
ライティング意見陳述問題の対策には、英検分野別ターゲット英検2級ライティング問題 (旺文社英検書) がおすすめです。
最短合格! 英検®2級 英作文&面接完全制覇
2018年9月5日にジャパンタイムズ出版から発売された「最短合格! 英検®2級 英作文&面接完全制覇」は、英作文(意見陳述問題)と二次試験の面接攻略のために編集されています。
まとめ
「英検2級のライティング攻略」というテーマで解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事を読んだ皆さんが、英検2級のライティングに対する苦手意識が払しょくできていれば幸いです。
英検2級のライティング試験で高得点を獲得するためには、効果的な表現を身につけ、時間管理を徹底することが重要です。まず、試験でよく使用される構文やフレーズを覚えておくと、意見を明確に伝えることができます。例えば、”I believe that…” や “In conclusion …” などの表現は、意見を述べる際に役立ちます。また、書き終えた後には必ず見直しの時間を確保し、文法や語彙のミスを修正しましょう。これにより、文章の質を向上させることができます。実践的なポイントとしては、過去問を使って練習を重ね、制限時間内にどれだけ効果的に書けるかを試してみることです。これらのステップを踏むことで、ライティングスキルを向上させ、試験での成功を目指しましょう。
ライティング問題が大問2問になって大変だなと感じている方もおられるでしょうが、要約問題は長文が150語程度であまり長くないですし、コツをつかめば、うまくまとめられるようになります。意見陳述問題も、最初に自分の立場を明確にし、その理由2つを分かりやすく明確に2文ずつ入れていけば、あまり難しくないと思います。
ぜひ2級ライティング問題を攻略して、一次試験を突破し、二次試験にも合格していただきたいです。









