現代社会において、AIは日常生活だけでなくビジネスにおいても幅広く活用されています。AIを活用した新たなビジネスモデルも生まれており、うまく取り入れることができれば、自社のビジネスの拡大につながるでしょう。
そこで、今回は、AIを活用したビジネスモデルや、モデルごとの具体的なAI事業について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
そもそもAIとは何か
AIとは人工知能のことであり、明確な定義はありませんが、一般的には人間が脳内でおこなっている物事の学習や学習した内容にもとづく判断などの知的な作業をコンピュータ上で再現する技術やプログラムのことです。
AIにはさまざまな機能があり、指示を入力することによって与えられた指示に対する回答を瞬時に出力してくれます。
たとえば、調べたいことをAIに対して調べるように指示をすれば、AIが自分の代わりに指示された内容を調べて文章で回答してくれます。また、AIのなかには画像を生成することも可能なAIがあり、作成したい画像のイメージを具体的にAIに伝えることで、AIが与えられたイメージをもとにした画像を生成してくれます。
AIビジネスモデルとAI事業の紹介
ここまでは、AIの意味や機能について解説しました。AIには文章や画像の生成をはじめとしたさまざまな機能があり、今日ではAIの機能を活用したビジネスモデルが多数存在します。
ここからは、AIを活用したビジネスモデルと、モデルごとの具体的な事業について紹介します。
コンテンツ販売
1つ目のビジネスモデルは、コンテンツ販売です。AIには入力された指示にしたがって画像や文章を生成してくれるクリエイティブな機能が備わっているため、AIを活用すればさまざまなコンテンツを作成できるようになります。
AIを活用してコンテンツを作成することで、作成コストが削減できるというメリットがあります。AIを活用しない従来の方法だと、コンテンツの作成には専門のライターやデザイナーなどを雇用したり、業務を委託したりする必要があるため、人件費や業務委託報酬などの費用が発生します。しかし、AIを活用すれば、ライターやデザイナーに代わってAIが文章や画像などのコンテンツを作成してくれるため、人件費や業務委託報酬などのコストを抑えられるでしょう。
また、AIを活用することで、コンテンツ制作に必要な時間を短縮できます。AIは入力された指示に対してすぐに回答を出力できるため、人間が作成する場合と比較して短時間でコンテンツが作成できます。とくに、大量のコンテンツを作成する場合には、AIを活用することで短時間で効率よく作成できるでしょう。
AIを活用したコンテンツ販売の事業には、たとえば、ECサイトを利用した画像素材の販売があります。AIを活用すれば、ビジネスに利用できるイラストや人物写真など、さまざまな画像素材を生成して販売できるでしょう。
また、AIの文章生成機能を活用したWebマーケティング事業もあります。SNSマーケティングにおける投稿文やWebマーケティングにおけるSEO記事など、AIを活用することで目的に応じた文章コンテンツを効率よく作成できるでしょう。
新規サービスの提供
2つ目のビジネスモデルは、新規サービスの提供です。
AIには、まるで人間と話しているかのように対話ができる、学習した情報をもとに推測や予測ができるといった機能があります。AIの対話機能や予測機能を活用することで、これまでの技術だけでは実現が困難だったサービスの提供が可能になります。
AIを活用した新規サービスの提供には、たとえば、競合他社に対する優位性を確立できるというメリットがあります。取り扱う分野によってはAIを取り入れたサービスが少ないものがあるため、競合他社に先んじてAIを活用した新規サービスを導入できれば差別化につながり、市場における優位性を確立できるでしょう。
また、新たな収益源の獲得にもつながるというメリットもあります。たとえば、AIを活用した新規サービスをサブスクリプション方式で提供すれば毎月一定の売り上げが見込めるため、継続的な収入が得られるでしょう。
AIを活用したサービスを提供する事業には、たとえば、オンライン学習サービスがあります。対話機能があるAI講師の代役として活用でき、AIであれば対面で受講するときのようにスケジュールを予約する必要がないため、受講者がいつでも好きなタイミングでAI講師から講義を受けられるオンライン学習サービスを提供できます。
パーソナライズサービスの提供
3つ目のビジネスモデルは、パーソナライズサービスの提供です。
AIには、与えられたデータを分析できる機能があります。顧客の検索履歴や行動履歴などのデータをAIに与えることで、AIがデータにもとづいた顧客ごとの好みを分析してくれるため、顧客ひとりひとりに合わせた最適なサービスの提供が可能になります。
AIを活用したパーソナライズサービスの提供には、顧客満足度の向上につながるというメリットがあります。AIによる解析結果をもとにして顧客ごとに最適なサービスを提供できれば、顧客は自身のニーズが満たされていると感じるため、結果として顧客満足度の向上につながるでしょう。
また、顧客満足度が向上すれば、売り上げや収益の増加につながることもメリットのひとつです。パーソナライズされたサービスにより顧客満足度が向上すれば、顧客の購買意欲を高める効果が期待できるため、自社サービスのリピート購入や追加購入につながるでしょう。
AIを活用したパーソナライズサービスを提供する事業には、たとえば、AIチャットボットを導入したECサイトによる商品販売があります。ECサイトを訪れた見込み客に対してAIチャットボットが探している商品をヒアリングして、見込み客のニーズに合った商品を自動で提案します。
AI活用の注意点
ここまでは、AIを活用したビジネスモデルや具体的な事業について紹介してきました。AIはさまざまなビジネスに活用できる画期的なツールですが、注意すべき点もあります。
たとえば、著作権との関係です。AIを活用すれば簡単に画像などのコンテンツを生成できますが、AIはこれまでに取り込んだ膨大なデータをもとにしてコンテンツを生成するため、他者が作成した既存のコンテンツと類似したコンテンツが生成される場合があります。既存のコンテンツと類似したコンテンツを商用利用した場合、著作権の侵害につながるおそれがあるため、注意が必要です。
また、AIの出力した回答は必ずしも正しいとは限りません。AIは、ときに根拠のない誤った情報をまるで正確な情報のように回答することがあり、一般的に「ハルシネーション」と呼ばれています。AIの出力した回答にはハルシネーションが含まれている場合があることを念頭に置いたうえで、誤った情報を鵜呑みにしないように注意する必要があります。
まとめ
今回は、AIを活用したビジネスモデルや、ビジネスモデルごとの事業の例について紹介しました。
コンテンツ販売やパーソナライズサービスの提供など、AIを活用したビジネスモデルはさまざまです。また、ビジネスにAIを活用することで、顧客満足度の向上やコスト削減などの多くのメリットが得られます。しかし、著作権侵害のおそれやハルシネーションによる誤った回答の出力など、AIを活用するうえで注意すべき点もあります。
今回の記事を参考にして、AIを活用する際の注意点を踏まえたうえで自社のビジネスにAIを取り入れることで、既存のビジネスの拡大や新たなビジネスチャンスの創出につながるでしょう。