ベネルクス三国(Benelux)について世界史で学んだことを覚えているでしょうか。ベルギー(Belgium)、オランダ(Netherlands)、ルクセンブルク(Luxembourg) の3か国をまとめた呼び方です。
この地域は経済的にも文化的にも深い結びつきがあり、EUの成り立ちにも大きな影響を与えました。
その中でもルクセンブルクは、面積は小さいながらも驚くほど豊かな自然と歴史を持つ国です。現在、旧市街と要塞群が ユネスコ世界遺産 に登録されています。
この記事では、そんなルクセンブルクの魅力を 英語フレーズ を交えて紹介します。楽しく読んで、英語も一緒に身につけましょう!
ルクセンブルク市の基本情報

フランス、ベルギー、ドイツの3か国に囲まれた小さな国、ルクセンブルク。
国の正式名称は 「ルクセンブルク大公国:the Grand Duchy of Luxembourg」です。その首都も同じく「ルクセンブルク市:Luxembourg City」 といいます。
この国はヨーロッパで唯一の「大公」が統治する国です。首都のルクセンブルク市は、標高約5,00mの高原にある都市です。
世界屈指の金融市場を持つ裕福な都市です。しかし、市内には高層ビルがなく、高級ショッピング街もありません。
訳)ルクセンブルクはヨーロッパの小さな国で、その首都もルクセンブルク市と呼ばれています。
ルクセンブルク市の歴史
ルクセンブルク市の歴史をみていきましょう。
名前の由来:小さな城「Lucilinburhuc」
歴史は古く、963年 にシギフロイド伯がボック岩(Bockfelsen)と呼ばれる岩山に建てた小さな砦、ルシリンブルク(Lucilinburhuc) に始まります。これはラテン語で「小さな城(Little Fortress)」という意味です。
ここから都市が発展し、次第に重要な軍事拠点となっていきました。
ヴェンツェルの環状城壁
14~15世紀には、街を囲むように巨大な防衛線「ヴェンツェルの環状城壁(Wenzel Wall)」が築かれました。
この城壁は、現在でも一部を見ることができます。
ハプスブルク家と「北のジブラルタル」
17世紀にはスペインのハプスブルク家によって支配され、さらなる要塞化が進みました。
ルクセンブルク市はその強固な守りのために 「北のジブラルタル:the Gibraltar of the North」 と呼ばれました。
永世中立国としての始まり
しかし1867年、「ロンドン条約」によってルクセンブルクは「 永世中立国:perpetual neutrality」 となり、都市の要塞は解体されることになります。
このとき残された一部の要塞やトンネルが、今では世界遺産となっているのです。
「ジブラルタル」とは、地中海の入口にあるイギリス領の要塞のことです。それほど強固だったという意味で、ルクセンブルクの要塞はヨーロッパでも有名だったのです。
世界遺産「City of Luxembourg: its Old Quarters and Fortifications」って?

ルクセンブルク市の世界遺産は、英語ではこう呼ばれます:
“City of Luxembourg: its Old Quarters and Fortifications”
下記の単語はぜひ覚えてくださいね。
Old Quarters = 旧市街
Fortifications = 要塞・防御施設
世界遺産になった年は?
この場所がユネスコ世界遺産に登録されたのは 1994年です。
訳)ルクセンブルク市:その古い街並みと要塞群は1994年にユネスコの世界遺産に登録されました。
世界遺産の範囲はどこ?
登録されたのは旧市街(Old Quarters)と、かつての要塞の構造が残る一帯です。坂の多い地形、渓谷、石造りの城壁やトンネルなどが含まれています。
なぜ世界遺産に?
ユネスコはこの街を次のように評価しています。
AさんThe city of Luxembourg has played an important role in European history for centuries.
訳)ルクセンブルク市は数世紀にわたって、ヨーロッパの歴史において重要な役割を果たしてきました。AさんThe city of Luxembourg shows the development of fortifications, and the architectures of the old quarter are preserved in harmony with nature.
訳)ルクセンブルク市は、要塞の発展が見られ、旧市街の建築が自然と調和して保存されています。参照:UNESCO World Heritage Centre:City of Luxembourg: its Old Quarters and Fortifications
世界遺産に登録されているおすすめスポット

旧市街と要塞群の中には、多くの見どころがあります。いくつかの代表的な場所を英語表現とともに紹介します。
ルクセンブルク大公宮殿:Grand Ducal Palace
16世紀に建てられた、大公の公邸。夏季限定で内部ツアーも実施されます。
憲法広場の金の女神像:Golden Lady
旧市街の入口にある憲法広場。第一次世界大戦で亡くなった兵士を追悼する記念碑、金の女神「ゲレ・フレ」の像があります。高台からの景色も素晴らしいです。
ペトリュス渓谷:Pétrusse Valley
旧市街と新市街を分ける深い谷。美しい散歩道があります。
ボックの要塞:Fortress of Bock
地下に広がる巨大な要塞トンネル。戦争時には避難所や弾薬庫として使われました。
ノートルダム大聖堂:Notre-Dame Cathedral
17世紀のバロック様式の大聖堂。内部のステンドグラスも見事。
サンミッシェル教会:St. Michael’s Church
ルクセンブルク市内最古の教会。建築様式が時代によって変化しているのも面白い点。中のステンドグラスが美しく幻想的です。
ヴェンツェルの壁:Wenzel Wall
かつての城壁跡をたどるルート。中世の雰囲気が感じられる人気コースです。
まとめ:英語で世界を旅しよう!
「ルクセンブルク市:その古い街並みと要塞群」は、小さな国の小さな街ですが、長い歴史が詰まった魅力的な場所です。
ルクセンブルクへは日本からの直行便はありませんので、フランクフルトやパリ、アムステルダムから経由することになります。
ヨーロッパ近郊の国と組み合わせて、巡るのがおすすめです。私は、ルクセンブルクを訪れた際には、高台から旧市街地の夜景を眺めることができました。まるで夢を見ているような、宝石のような街だったことを今も覚えています。
訳)ルクセンブルクの旧市街地の夜景は、まるで宝石のようにキラキラ輝いています。
英語学習者にとっては、「旅 × 英語」は楽しい勉強法です。
ぜひ一度、ルクセンブルクも訪れてみてください。
