夏の森や川辺で、低空をスッと飛ぶ大きなトンボを見たことはありませんか?
その正体が「オニヤンマ(英名:Japanese Giant Dragonfly)」です。
今回は一緒に「オニヤンマ」の魅力を探ってみましょう!
オニヤンマの基本情報

オニヤンマ(学名:Anotogaster sieboldii)
- 分類:昆虫綱 トンボ目 オニヤンマ科
- 大きさ:全長約9〜11cm、翅(はね)を広げると10〜13cmほどで、日本最大のトンボ
- 特徴:黒い体に鮮やかな黄色の縞模様。翅は透明でしっかりしている
- 分布:日本全土(北海道から沖縄まで)、一部は東アジアにも分布
- 生息地:山地や森林近くの川、池、用水路などの清流周辺
- 活動時期:夏(6月〜9月頃)に活発に飛び回る
- 食性:肉食。蚊やアブ、ハチ、他のトンボなど小型の昆虫を空中で捕食
- 幼虫(ヤゴ):水中で数年かけて成長し、成虫になる
- 性格:攻撃性はなく、人を刺したりしない(※ハチ除けとして使われることもある)
- 人との関係:害虫を食べてくれる益虫として知られ、近年では「オニヤンマ型虫よけグッズ」も人気
特徴
- 体長:約9~11cm、羽を広げると最大13cmほど
- 外見:黒い体に黄色の縞模様、透明で大きな翅(wings)
- 飛行能力:ホバリング(hovering)や急停止・急加速が得意
英語での説明例:
“Its black-and-yellow body makes it easy to spot, and it can hover in place like a helicopter.”黒と黄色のボディは見つけやすく、ヘリコプターのようにその場でホバリングすることができます。
生態
オニヤンマは、強い縄張り意識を持ち、他のトンボや昆虫を追い払うこともあります。主に肉食性で、ハエ、アブ、カなどを空中で捕らえて食べます。
- 幼虫(ヤゴ):数年を水中で過ごす
- 成虫の寿命:数週間〜1か月程度
- 活動時期:6月〜9月頃(日本)
英語表現例:
“It is a skilled predator, catching flies and mosquitoes mid-air.”
巧みな捕食者で、ハエや蚊を空中で捕まえます。“Its larvae, called ‘nymphs,’ live in clean rivers for several years before becoming adults.”
その幼虫は「ニンフ」と呼ばれ、成虫になるまでの数年間、きれいな川で生活します。
オニヤンマと環境

生息環境の特徴
オニヤンマは、水のきれいな自然環境に生息します。特に以下のような場所が好まれます。
- 山間部の小川や湧き水、森林に囲まれた渓流など
- 農薬の少ない田んぼや用水路
- 流れがあり、水草や石などの障害物がある場所(ヤゴの隠れ場所となる)
きれいな水と自然環境が不可欠であり、環境汚染や都市化が進むと生息地が失われやすくなります。
ヤゴ(幼虫)と水質の関係
オニヤンマのヤゴは水中で3~5年もの間生活し、魚や他のヤゴ、小さな水生生物を捕食します。
この長い水中生活のために、水質の悪化(農薬、生活排水、ゴミなど)には非常に弱いです。
つまり、オニヤンマが住んでいる=その水辺は自然が保たれているという「環境の指標」にもなります。
生態系での役割
オニヤンマは肉食で、以下のような昆虫を捕食します:
- 蚊、ハエ、アブ、ハチなどの害虫
- 小型のトンボや昆虫
これにより、害虫の数を自然に調整する役割(天敵)を担っており、人間の生活にも間接的に貢献しています。
人間活動による影響
オニヤンマの減少の原因には、以下のようなものがあります。
- 河川のコンクリート化や護岸工事
- 農薬や除草剤の使用
- 森林伐採や都市開発
- 外来種の侵入(他の昆虫との生態競合)
これらはヤゴの成長環境を破壊し、オニヤンマの生息数の減少に直結しています。
環境保全との関係
オニヤンマを守ることは、自然環境全体のバランスを守ることにつながります。たとえば:
- 無農薬農業の推進
- 河川の自然回復(ビオトープの整備)
- 子どもたちへの環境教育(ヤゴの観察や放流活動)
こうした取り組みによって、オニヤンマを「環境保全のシンボル」として活用することもあります。
オニヤンマはただの大きなトンボではなく、水辺の自然と人間社会のバランスを象徴する生き物です。
その姿が見られる場所は、環境が良好である証拠とも言えます。
オニヤンマと人との関わり
- 昔から日本では、「オニヤンマは害虫を食べてくれる良い虫」として知られています。
- 子ども向けの図鑑や夏の自然観察でも人気。
- 最近では、オニヤンマ型の虫除けアクセサリーが話題になっています。。これはリアルなオニヤンマ模型を身につけて、蚊やアブを遠ざけるという仕組みです。
英語表現:
“People in Japan have long admired the dragonfly as a symbol of strength and agility.”
日本では古くから、トンボは力強さと機敏さの象徴とされてきました。
オニヤンマが登場・テーマの番組や作品
NHK「昆虫すごいぜ!」(カマキリ先生シリーズ)
俳優の香川照之さんが“カマキリ先生”として昆虫の魅力を紹介する教育番組。子どもにも大人気のシリーズ。
- オニヤンマ登場回:過去の放送でオニヤンマの生態や捕食シーンが紹介され、オニヤンマの捕食力、ヤゴの生活などが詳しく学べます。
絵本『とんぼのあかねちゃん』などトンボ関連の絵本
オニヤンマそのものが主人公でない場合もありますが、「日本のとんぼ図鑑」や「昆虫の一生」などの自然系絵本でしばしば取り上げられています。
写真絵本や図鑑で「オニヤンマのヤゴ」や「脱皮シーン」などを詳しく紹介しています。
アニメ『昆虫物語 みなしごハッチ』(1970年代〜)
主人公はハチですが、オニヤンマのような大型のトンボが敵や脅威として登場する回もありました。
生態系の中での強さや自然の厳しさを描写しています。
ドキュメンタリー映画『いきものがたり』シリーズ(日本各地の自然記録)
一部の地方ローカル番組や自然系ドキュメンタリーで、オニヤンマのヤゴや捕食の様子を詳しく扱う回があります。
関連書籍・図鑑
これらの図鑑では、オニヤンマの大きさ、羽の構造、ヤゴの成長などを写真やイラスト付きで解説しています。
- 『小学館の図鑑NEO 昆虫』
- 『学研の図鑑LIVE 昆虫』
- 『トンボのすべて』(文一総合出版)
オニヤンマをモデルにしたキャラクター
「速い」「強い」「空を自在に飛ぶ」「狩りの名人」など、オニヤンマはヒーロー系キャラのモチーフになりやすい昆虫です。
羽音や赤い目、鋭いアゴといったビジュアル面も、デザインに活かされています。
メガヤンマ(ポケットモンスター)
- 登場作品:『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』以降
- 分類:むし・ひこうタイプのポケモン
- 特徴:オニヤンマのような巨大なトンボの姿で、赤い目や羽の形もリアル。すばやさと攻撃力に優れる。
- 進化元:ヤンヤンマ(こちらもトンボ型)
仮面ライダー・カブト(ゼクトルーパー・キャストオフインセクト)
- 登場作品:『仮面ライダーカブト』(2006)
- 関連キャラ:トンボ型の「ゼクトルーパー(ドレイク)」が登場し、オニヤンマを思わせるフォルムと動きが特徴。
- 特徴:すばやい飛行と射撃の名手という設定で、虫型仮面ライダーの中でも異彩を放つ。
ムシキング(甲虫王者ムシキング)シリーズ
- 登場カード:オニヤンマのカードあり(レア度が高く人気)
- 特徴:対戦型アーケードゲームで、実在する昆虫の特徴を元にしたバトルが楽しめる。オニヤンマはスピード型の代表格。
『どうぶつの森』シリーズ
- 登場キャラ:オニヤンマは虫のひとつとして登場し、捕まえることができる。
- 特徴:夏に出現し、すばやく飛び回るため捕獲が難しい。売値も高めで「レア虫」として扱われる。
仮面ライダーガッチャード(2023〜)
- 登場アイテム:「カード」形式でオニヤンマがモチーフのライドケミーカードが登場。
- 特徴:昆虫や鉱物などを組み合わせたキャラデザインが特徴で、オニヤンマは“スピード・戦闘力”の象徴。
まとめ
オニヤンマは、日本の自然の中で見られる美しく力強い昆虫です。
その飛行能力、鮮やかな見た目、環境への適応力から、多くの人に愛されています。
しかし、近年はその姿を見かける機会は少なくなっています。
オニヤンマの生態系を保護するために、環境を守ることを家族で考えてはいかがでしょうか?
参考文献:トンボ – Wikipedia
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