今回テーマにするのは、「嘘」という名詞です。あまり良いイメージはありませんが、相手のためにつく小さな嘘なら感動秘話になりますし、内容によって違うイメージを持つことが特徴ですね。幅広く使える一般的な「嘘」は、形容詞をつけ加えるだけでその「嘘」のイメージをガラリと変えることもできます。日常会話ではその言葉が持つイメージを共有しないと、勘違いされる原因となってしまうので注意して覚えていきましょう。

一般的な「嘘」ならlie

英語で「嘘」と言えばLieですね。こちらは一般的な単語であり、これさえ押さえれば大抵の会話では問題なく使えてしまうほど汎用性があります。

こちらの単語は、高校生になりたてのころ、自動詞と他動詞を習う場面で出てきたり、動詞の変化がややこしいということで複雑だと感じる人も多いのではないでしょうか。ちょっと覚えているか不安だなという方は、日常生活で使うことの多い過去形を中心に覚え直しておくことをおすすめします。

Aさん
I’m not lying.
訳)僕は嘘をついてなんかいない
Bさん
… OK, I believe you.
訳)・・・わかった、信じるよ

Lieに形容詞を付けて意味を加えてみよう!

一般的な「嘘」という単語を覚えたのなら、せっかくなのでこのLieという名詞とセットでよく使われる形容詞も覚えて、よりナチュラルな言い回しを暗記してみましょう。名詞にはそれぞれネイティブが好んで使う相性の良い形容詞というものがあったりするので、それをスラッと言えれば上級者だと思われますよ?では以下でちょっと見てみましょう。

  • plumb lie(まったくのウソ)
  • outright lie(徹底的なウソ)
  • downright lie(正真正銘のウソ)
  • barefaced lie(厚かましいウソ )
  • black lie(たちの悪い嘘)
  • white lie (罪のない嘘)

最初の4つはどれも意味合いは同じで、日本語訳でまとめるなら「真っ赤な嘘」でしょうか。「嘘」は「嘘」でも言われたことがすべて嘘だったとか、まったく逆のことだったなど、言われたら怒ってしまいそうな「嘘」です。あまり馴染みのない形容詞なので覚えるのは大変かもしれませんが、ひとつでも覚えておくと使えます。

また、色を使って「嘘」の内容を表す表現もあります。Blackだと悪い嘘であることが表現でき、Whiteだと相手のためにあえてついたやさしい嘘であることを表現できます。日本でも西洋でも、やはりBlackはなんとなく悪いイメージが、白はなんとなく潔白なイメージがあるようですね。

「うそ!」と言う時に使いたい表現

「うそ!」と言う時に使いたい表現

日常生活で、友達が言ったことに驚いて思わず「うそ!」と言ってしまうことってありますよね。日本語的には相手の言っていることが嘘であると言っているわけではなくて、信じられないという意味として使う表現です。

英語でもそれと似た表現があり、会話の中でよく出て来るので真似して言ってみましょう。以下の表現はネイティブも気軽に使います。

Aさん
No kidding!
訳)冗談でしょ!
Aさん
No wayv
訳)ありえない!
Aさん
I can’t believe this!
訳)信じられない!

Kiddingというのは「冗談」という意味なので、これを否定することで「冗談はやめて」というようなニュアンスを出すことができます。文法的に覚えるよりは、これは決まり文句として覚えるべきですね。口語には文法をかなり省略したものや、変形したものがあるのであまり深く考える必要はありません。No wayも同じく、この2つで熟語になっています。よく見てみると、この3つの表現がどれも否定形になっているのは共通点ですよね。

made-up storyは「でっちあげ」

「嘘」をLie以外の表現で表したいなら、Made-up storyと言うこともできます。これはわかりやすいですね。直訳すれば「作られた話」となり、つまるところ「嘘」であることがわかります。

同じような仕組みで言えるのがtrumped-up storyという表現で、こちらは「捏造」なんて訳し方もされたりします。Trumpはあのトランプを思い浮かべる人も多いですが、動詞として単体で用いるなら「切り札を切る」という意味があり、熟語でTrump upと言うと、「話を捏造する」という意味に変わります。

MadeもTrumpedもどちらも過去分詞形として使われていることに注意してくださいね。

「ささいな嘘」はfib

「虚偽」ならfalsehood

短い単語、Fibは小さな嘘で、悪意がある嘘とは異なります。冗談レベルのものもあり、英語圏の人が使う「ジョーク」として取り上げられることもあります。実害が生じる嘘ではないならFibと言って、どんな嘘かを表現するのも良いですね。

動詞と組み合わせるならLieと同じTellでOKです。Tell a fibで「(小さな)嘘をつく」と表現できます。

「虚偽」ならfalsehood

「虚偽」ならfalsehood

ちょっとお堅い感じで「嘘」と言いたいならFalsehoodがぴったりです。こちらは日本語だと「虚偽」と言った方がネイティブのニュアンスに近いでしょう。Lieと比べるとこちらの方が使用頻度は低いです。意外と非難を込めた言い方ではないところにも注目です。

Falseは「偽り」という意味で、Hoodは状態を名詞化する接尾語です。Childhoodなど、他の単語でも見られますよ?

「でたらめ話」ならcock-and-bull story

ちょっと面白い表現なら、cock and bull storyというものがあります。「鳥と牛の話」という直訳ですが、「下らない話」や「でたらめ話」意味を持つ慣用表現です。

なぜ「鳥と牛の話」が「でたらめ」という訳になるのかは気になるところですが、実は由来は厳密にはわかっていないそうなのです。西洋文化とも何か関係がありそうですが、日本語として捉えると随分奇妙な言い回しにはなりますよね。

まとめ

「嘘」についての英語を見て来ましたが、基本はLieで良いことがわかりました。これを、形容詞を工夫することで意味を変えるという方法がありますし、そうすることで表現が一気に豊かになります。Lie以外の英語も覚えておいて損はありませんから、既にLieは知っているよという場合は今から暗記してみましょう。新しい表現をどんどん取り入れていけば語彙力だけでなく表現力も豊かになります。