スペイン北東部、ピレネー山脈の美しい山あいに位置するバル・デ・ボイ(Vall de Boí)(ボイ渓谷)は、石造りの中世の教会が点在する歴史的な渓谷です。ここには9つの村があり、それぞれに11〜12世紀に建てられたロマネスク様式の教会が残されています。
この地域はイスラム勢力の侵略を受けなかったため、建物の保存状態が非常に良好で、中世にタイムスリップしたかのような景観が広がっています。
バル・デ・ボイのカタルーニャ風ロマネスク様式聖堂群とは?

バル・デ・ボイには、11〜12世紀に建てられたロマネスク様式の宗教建築群が集中しており、ユネスコ世界遺産として登録された9施設を含め、それ以外にもいくつかの教会跡や礼拝堂が点在しています。
歴史的背景
11世紀から12世紀にかけて、北イタリア・ロンバルディア地方から伝わったロマネスク様式は、堅牢な石造りの構造と丸みを帯びたアーチが特徴です。バル・デ・ボイでは、銀鉱脈の発見によりもたらされた富をもとに、この様式を採用した教会建設が進められました。
聖堂群の誕生
この地は9世紀にはすでにキリスト教の集落が形成されていました。ムーア人の影響を受けなかったため、中世の信仰と芸術がそのまま残っています。教会群は、今もなお宗教行事やミサなどで使われており、生きた遺産とも言えるでしょう。
訳)バル・デ・ボイのロマネスク聖堂群は、今も宗教行事やミサなどで使われています。
アクセス方法
バルセロナからバル・デ・ボイまでは、バスで約4時間。タクシーかレンタカーを利用すると便利ですが、インフォメーションセンターで最新の交通情報を確認するのがおすすめです。
世界遺産としての価値
バル・デ・ボイのカタルーニャ風ロマネスク様式聖堂群は、2000年に「Catalan Romanesque Churches of the Vall de Boí」としてユネスコ世界遺産に登録されました。宗教的、建築的、文化的な価値が評価されたのです。
登録理由は?
世界遺産に登録されたのは、主に以下のような理由からです。
- ロマネスク建築の保存状態が極めて良好
- 教会群が密集しており、地域全体が中世の信仰空間を形成している
- カタルーニャ独自の装飾や建築技術が見られる
- 中世ヨーロッパにおける宗教と地域社会の関係を伝えている
UNESCO World Heritage Convention:Catalan Romanesque Churches of the Vall de Boí
覚えておきたい英会話フレーズ
中世の美しい教会を前にしたとき、その感動を誰かと英語で分かち合えたら、旅はもっと楽しくなります。ここでは、バル・デ・ボイの聖堂群を訪れたときに使える英会話フレーズを紹介します。
訳)この教会群が1000年近くも残っているなんて、すごいわね!
訳)本当に、ロマネスク様式って独特だよね。あのアーチと鐘楼を見て!
訳)どうしてここに教会が建てられたか知ってる?
訳)当時この谷は銀鉱で栄えてたんだって。
訳)フレスコ画って、元の色彩はきっと素晴らしかったんだろうね。
訳)博物館じゃなくて、教会の中で見られたらいいのにね。
おすすめの見どころ

バル・デ・ボイに点在する世界遺産登録の9つの聖堂。それぞれに異なる魅力があり、建築様式や装飾にも注目したい見どころばかりです。教会から移転された壁画群は、バルセロナの国立カタルーニャ美術館に収蔵されています。
サント・クリメント聖堂(タウル)
1123年に献堂されたこの教会は、聖堂群の中で最も保存状態が良く、6階建ての鐘楼と壮麗なファサードが特徴です。聖堂は3つの身廊を持つバシリカ式聖堂。全能者キリストの壁画(現在はカタルーニャ美術館に保存)は、ロマネスク美術の傑作です。
訳)サント・クリメント聖堂は、ボイ渓谷の聖堂群の中で最も保存状態が良い聖堂です。
サンタ・マリア聖堂(タウル)
サント・クリメント聖堂の翌日に献堂されました。3つの身廊を持つ教会。18世紀に改築された部分は1970年代に取り除かれ、建設当初の姿に近づけられました。フレスコ画は1918年に国立カタルーニャ美術館に移されました。
サント・フェリウ聖堂(バルエラ)
谷の広がるバルエラ集落に位置。戦略的要地として栄えた場所で、ゴシック様式が後に加えられた混合様式の建築が楽しめます。
サント・ホアン聖堂(ボイ)
ボイ集落の入り口にあり、かつては木造の屋根でしたが、現在は石造に。18世紀の改築は20世紀に一部撤去され、元の姿に近づいています。
サンタ・エウラリア聖堂(エリル=ラ=バル)
高さ23mの鐘楼が特徴的。東端に3つの後陣を持ち、元の半円筒ヴォールトが木造屋根に復元されています。
聖母被昇天聖堂(コル)
コル村の外れにあり、1110年に献堂された教会。ゴシック様式の鐘楼や礼拝堂が後から加えられ、上から見ると十字形の構造を成しています。
サンタ・マリア聖堂(カルデト)
渓谷の入り口近く、岩山の急斜面に立つ教会。地下に納骨堂を持ち、内部はバロック様式が加わっています。
ナティビター・デ・ラ・マレ・デ・デウ聖堂(ドゥロ)
1386mの高地にあり、元はロマネスク様式でしたが改築によりバロック様式となっています。5階建ての鐘楼が特徴。
サント・キルクの庵(ドゥロ近郊)
小さな庵で、外側から入る屋根裏部屋はかつて穀物倉だったとされます。静寂に包まれた場所で、瞑想に最適。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
バル・デ・ボイの教会群は、中世に迷い込んだかのような風景と空気を残す場所です。スペイン語やカタルーニャ語だけでなく、英語で感動をシェアできるようになれば、旅はもっと楽しくなります。英語学習を通じて、世界遺産の魅力をもっと身近に感じてみましょう。
“Learning English opens the door to the world!”
(英語を学べば、世界がもっと近くなる!)
