現在世界には196の国があります。世界人口は80億人に上り、11億3200万人以上が英語を扱うと言われているのをご存知でしょうか?一方で日本語話者数は1億3000万人とその差は10億人。ここからも英語の重要性が伺えますね。

今回は英語の中でもビジネス英語、特に「取引」について解説していきます。日常英会話でもビジネスはできますが、やはりしっかりビジネス英語を扱えると信頼もされやすくなります。最後まで読んで失礼のない英語を身につけましょう。

「取引」は英語で何?

早速ですが、「取引」を英語で言えるでしょうか?一口に「取引」と言っても様々ですが、一般的には次の単語が使われます。

trading:貿易

“trading”は取引の中でも、貿易を表す時によく使われる英単語です。日本語でも、物々交換をする時に「トレードする」と言ったりしますよね。また株やFXなどで生計を立てる人のことをトレーダー(tradeをする人)と呼んだりもします。貿易関連の取引や株取引を伝える場合は、”trading”を使ってみると良いでしょう。動詞として使いたい場合は”trade”を使います。

transaction:フォーマルで専門的

少し堅い表現だと、”transaction”を使います。日本では、クレジットカードの利用や、決済代行の利用時に耳にすることがあるかもしれません。クレジットカードでは、通常そのカードの有効性の確認、売上処理、キャンセル処理等の処理が行われます。これらの処理はトランザクションと呼ばれ、手数料(トランザクションフィー)として決済代行業者がカード会社に支払います。大まかに言えば、お金の動きが関わる「取引」が”transaction”です。”transaction”に動詞はないので、”make a transaction”と表現します。

deal:一般的

もっとも一般的な表現が”deal”です。ビジネスシーン、日常会話関係なく幅広く使われます。例えば、友人となにか約束ごとをした時にも、”deal”が使われます。迷ったら”deal”を使うようにしましょう。動詞は同じく”deal”ですが、”make a deal”もよく使われます。

「取引先」は取引相手によって表現が変わる

「取引先」は取引相手によって表現が変わる

日本では、取引相手のことを「取引先」と表現しますが、英語にはこの言葉に対応する英単語がありません。というのも、「取引先」の定義があまりにも広すぎて、1つの言葉に決めることができないからです。日本語は察する言語と呼ばれ、文脈によって受け手が捉え方を臨機応変に変えることができます。しかし、英語は明確に物事を表現する言語です。そのため、「取引先」ではなく、それぞれの立場にあった表現を使うのが適切と言えるでしょう。

client:顧客

日本語で言うところの「顧客」です。もっとも取引先に近い表現かもしれません。サービスの提供を受ける人のことで、その場限りの付き合いではなく、長期間関係が続く可能性がある人・企業に対しても使われます。

customer:お客様

「お客様」を意味し、商品を購入する人のことを指します。”client”と”customer”は似ていますが、購入対象が「サービス」か「商品」かという違いがあると認識しておくとよいでしょう。

supplier:卸売業者

上記2つは個人にも使える表現でしたが、ここからは主に企業を指す言葉です。”supplier”は「卸売業者」や「供給元」を指します。これらの業者は直接的にお客様と関わることはありません。

vender:販売業者

“vender”は直接製品やサービスを販売する業者です。”supplier”の取引先は”vender”がメインですが、”vender”の取引先は”client”、”customer”、”supplier”と多岐にわたります。ちなみに自動販売機は、商品を販売する機械なので、”vending machine”と表現します。

agent:仲介業者

”agent”は不動産屋や、就職斡旋業者などの「仲介業者、代理店」を意味します。ほとんどの”agent”はサービスを提供しているので、”client”もしくは”supplier”、”vender”が取引先です。

business partner:ビジネスパートナー

唯一「取引先」を一言で表現するなら”business partner”となりますが、この場合は長い付き合いがあり、お互いに信頼関係が構築されているというイメージです。最初は上記の表現で適切な距離を保ち信頼関係を築き、それから”business partner”になっていきます。

取引先の「会社の種類」には要注意

取引先の「会社の種類」には要注意

日本には、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4つの会社の種類があります。2006年まで「有限会社」があり、廃止以前に「有限会社」として設立していたものを含めると現在は5つの会社の種類が使われています。ビジネスシーンにおいて、この区分を間違えるということは非常に失礼な行為にあたるので、英語での「会社の種類」もしっかり理解しておきましょう。

Co., Ltd./ Co. Ltd. (Company Limited)

おそらくもっともよく目にする表記ではないかと思います。基本は会社名の後ろにこの表記が付き、その意味は「〇〇株式会社」です。「”Limited”なのに株式会社?」と疑問に思う方もいるかも知れませんが、この”Limited”は会社倒産時に株主の責任が制限されている(自己資金で責任を負う必要がない)ということを意味しています。

Corp.(Corporation)

“corporation”には、「法人」という意味があります。つまり会社であるための法手続きを完了した会社です。合弁会社や合同会社も”Corp.”に含まれるため、比較的広義に使われる表記と言えるでしょう。

Inc. (Incorporated)

”incorporated”は法人手続きを行っている、法人格である、という意味です。現在進行系で拡大中の企業に好まれる表記で、楽天やアマゾン、アップルと言った有名企業はこの表記を使っています。

Co.(Company)

単に会社であることを表す表記です。そのため、株式会社かどうかは社名から判断することはできません。有名企業では、コカ・コーラ社が”The Coca-Cola Co.”と表記しています。

Ltd. (Limited)

イギリスで主に使われる表記です。イギリスでは、有限責任であることを明記する必要があるため、Ltd.をよく使います。”Co. Ltd.”と同じ意味ですが、”Ltd.”のみの表記であれば、イギリスの会社の可能性が高いと言えるでしょう。

LLC (Limited Liability Company)

「有限責任会社、合同会社」に対して使われる表記です。株式会社との大きな違いは、設立費用や申請から設立までの日数で、どちらもLLCに軍配が上がります。一方で、上場ができない、信用度が低いといったデメリットもあるので、一長一短と言えますね。

まとめ

今回は、ビジネス英語、特に「取引」について解説してきました。ビジネスにおいて「取引」は切っても切り離せないものですよね。特に社名の表記は信頼関係を築く上で間違えてはいけない非常に大切な点と言えるでしょう。日本にいるだけでは、なかなかビジネス英語を使う機会も少ないかもしれませんが、知っておくだけでも役に立つ場面が必ずやってきます。何事も無駄と思わず1つずつ知識として、マナーとして吸収していきましょう!