日本語の「潔しとしない」という表現は、「自分の信念やプライドに反するため、受け入れることができない」という強い意志を表します。100%当てはまる英単語はありませんが、状況やニュアンスに応じて様々なフレーズを使い分ける工夫が必要です。
この記事では、「潔しとしない」を表現する際の英語フレーズを、関連する言い回しと共にまとめて紹介します。
「自分の主義に反する」を英語で

「自分の主義に反する」というニュアンスを伝えたい場合は、
“go against one’s principles”
“go against one’s beliefs”
といった表現が適しています。
(そのオファーは私の主義に反するので受け入れられません。)
英辞郎 on the WEBで、”go against”には「〔主義・方針・習慣・時流・常識・規則などに〕逆らう、従わない、反対する、反する、合わない」と説明されているように、自分の信念や規則に反する行動を表す際に使われます。
「良しとしない」を英語で
「良しとしない」は、「良いとは認めない」「容認しない」という判断を表す表現です。
英語では、
“do not approve of”
“not condone”
がよく使われます。
(父は私が一人旅をすることを良しとしません。)
The company does not condone any form of discrimination.
(その会社はいかなる差別も容認しません。)
Oxford Learner’s Dictionariesによると、”approve of”は「to think that somebody/something is good, acceptable or suitable」(『誰か』または『何か』が良い、容認できる、または適切であると考えること)と説明されています。
否定形によって「良しとしない」というニュアンスを含められます。
「本意ではない」を英語で
「本意ではない」は、「自分の真意や意志に反する」ことを意味し、渋々ながらも受け入れるシチュエーションなどで使われます。
英語では、
“against one’s will”
“reluctantly”
といった表現が当てはまります。
(不本意ながらその書類にサインしました。)
He reluctantly agreed to the proposal.
(彼は不本意ながらその提案に同意しました。)
“Reluctantly” は「不承不承に、しぶしぶ」という副詞で、本心ではない行動を表します。
「受け入れがたい」を英語で

「受け入れがたい」は、道徳的、感情的に自分の信念とは相容れず、容認できない状況を指す言葉です。
英語では、
“unacceptable”
“intolerable”
が使われます。
(その契約条件は全く受け入れられません。)
The noise from the construction site is becoming intolerable.
(建設現場の騒音は耐え難いものになってきている。)
「プライドが許さない」を英語で
「プライドが許さない」は、「自尊心や誇りから、行動ができない」という強い気持ちを表す言葉です。
英語では、
“one’s pride won’t allow”
“beneath one’s dignity”
がよく使われます。。
(プライドが許さないから、お願いすることはできません。)
He thinks that doing such a simple task is beneath his dignity.
(彼はそんな単純な作業は自分の品位を落とすことだと考えている。)
“Beneath one’s dignity”は、文字通り「〜の品位の下にある」という意味で、ある行動が自分の尊厳(プライド)を傷つけると考えている状態を示す熟語です。
ビジネスで「潔しとしない」を伝える丁寧な英語表現
ビジネスシーンでは、「潔しとしない」という強いインパクトを持つ表現は、基本的に避けましょう。
代わりに、相手の気分を害さずに、丁寧かつ明確に自分の立場を伝える表現選びが重要です。
丁寧に「拒否」を示す表現
- I am not comfortable with…(〜には気が進みません。)
- I have some reservations about…(〜について懸念があります。)
(提案された変更には賛同しかねます。)
I have some reservations about the new policy.
(新しい方針にはいくつか懸念があります。)
「理由」を添える表現
より説得力を持たせるためには、拒否する理由をシンプルに伝えます。
- This approach goes against our company’s core values.(このやり方は当社の基本理念に反します。)
- I believe it would be more appropriate to…(〜する方がより適切だと考えます。)
(残念ながら、この計画は当社の倫理規定に反するため、進めることはできません。)
まとめ
この記事では、「潔しとしない」という日本語のニュアンスを英語で伝えるための様々な表現を、シーン別に解説しました。
自分の信念やプライドに反する場合は”go against one’s principles”、容認できない場合は”unacceptable”、本意ではない場合は”against one’s will”など、状況や文脈に応じたフレーズの使い分けがポイントです。
この記事で紹介した表現をマスターし、より正確で心のこもったコミュニケーションができる英会話スキルを磨きましょう!

